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罵倒すらもご褒美
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シャーリーが彼女たちを涙に濡れた瞳で数十秒見つめた次の瞬間には、シャーリーの瞳は、否、頭は、グレンによって抱き抱えられてしまった。
「シャーリーの泣き顔を見るな。減る」
グレンの怒気を孕んだ声は、すうっと空気を揺るがす。
けれど、彼の殺気に慣れているオリヴァーは一歩も引くことなくひょいっと肩を竦めて苦笑するだけだった。
「………愛おしい人を泣かせて何が楽しいんだか」
「泣き顔は世界で1番可愛い顔だぞ?」
「どこのクソガキ発言だよ」
「どこだろうな」
シャーリーはぐいっと彼の腕をつまむが、彼は涼しい微笑みを浮かべたまま、一切動じなかった。
「はうっ、」
それどころか、くちびるを柔らかく喰まれるというありえない仕返しをされた。
「………もぅ泣きたい」
「え?今まで泣いてなかったの?」
もう1度シャーリーは彼の腕をつねり、胸に頭突きしてぐりぐりぐりーっと頭を埋めた。
「おばか」
「うん」
「どあほ」
「そっかー、」
「あんぽんたん」
「可愛いなぁ」
「すかぽんたん」
「うん、最高」
精一杯の罵倒にデレデレとされたシャーリーは「うぅーっ」と呻いて、なおのこと涙を流した。
「グレンがちっとも懲りてくれないぃー!!」
「びゃーっ」と彼の腕に抱かれたシャーリーは、彼に頭と背中を優しく撫でてもらいながら、いっぱい泣きじゃくっている。
「なんか、こいつら何がしたいんだろうな………、」
「ごめんなさい、オリヴァー。わたくし、頭が良くないから答えに行き着けない」
「いや、マリンが悪いわけじゃない。というか、アクアマリンは賢いよ」
「お姉さまはいつもわたくしの上を行っていたわ」
「アレはアレ。君は君だから」
こちらはこちらで、オリヴァーとその連れ、スカーレットの双子の妹であり、ロベロン王国第2王女アクアマリン・ロベロンの間に甘い空気が流れそうになった瞬間、グレンは勢いよく両手を叩いた。
「さぁ、お仕事のお話に入ろうか」
「………お前、本当に性格悪いな」
「貴重な褒め言葉として受け取っておこう、オリヴァー殿」
「キモ………、」
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
「シャーリーの泣き顔を見るな。減る」
グレンの怒気を孕んだ声は、すうっと空気を揺るがす。
けれど、彼の殺気に慣れているオリヴァーは一歩も引くことなくひょいっと肩を竦めて苦笑するだけだった。
「………愛おしい人を泣かせて何が楽しいんだか」
「泣き顔は世界で1番可愛い顔だぞ?」
「どこのクソガキ発言だよ」
「どこだろうな」
シャーリーはぐいっと彼の腕をつまむが、彼は涼しい微笑みを浮かべたまま、一切動じなかった。
「はうっ、」
それどころか、くちびるを柔らかく喰まれるというありえない仕返しをされた。
「………もぅ泣きたい」
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もう1度シャーリーは彼の腕をつねり、胸に頭突きしてぐりぐりぐりーっと頭を埋めた。
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「グレンがちっとも懲りてくれないぃー!!」
「びゃーっ」と彼の腕に抱かれたシャーリーは、彼に頭と背中を優しく撫でてもらいながら、いっぱい泣きじゃくっている。
「なんか、こいつら何がしたいんだろうな………、」
「ごめんなさい、オリヴァー。わたくし、頭が良くないから答えに行き着けない」
「いや、マリンが悪いわけじゃない。というか、アクアマリンは賢いよ」
「お姉さまはいつもわたくしの上を行っていたわ」
「アレはアレ。君は君だから」
こちらはこちらで、オリヴァーとその連れ、スカーレットの双子の妹であり、ロベロン王国第2王女アクアマリン・ロベロンの間に甘い空気が流れそうになった瞬間、グレンは勢いよく両手を叩いた。
「さぁ、お仕事のお話に入ろうか」
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