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婚約と破棄の真相
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昨日のシャーリーは“作為的に”、よく言えば“運命的に”、“必然的に”、スカーレットとの出会いを果たしていた。
理由は簡単。
浮気性のスカーレットとオリヴァーの婚約を破棄に持っていくためだ。
「あの、シャーリーさま」
「?」
アクアマリンの瞳に涙をたっぷりと溜めたスカーレットの双子の妹アクアマリンが、深々と頭を下げた。シャーリーは僅かにアクアマリンの方に顔を向けながら、首を傾げる。
「………ありがとう、ございました。おかげでオリヴァーと結ばれることができそうです」
シャーリーが婚約破棄に持って行こうとした理由、それはグレンの幼馴染たるオリヴァーの婚姻を元通りにするためだった。
オリヴァーとアクアマリンは幼少期からとても仲が良く、恋仲であり、婚約が内定していた。
にも関わらず、婚約発表式開始直後、第1王女スカーレットの暴挙、婚約発表式の壇上でスカーレットがギャン泣きしながら父王に、「自分とオリヴァーが婚約しなければ今すぐ自害する」と訴えたことで、それらは全て崩れ去ってしまった。
スカーレットに殊更甘い父王は、オリヴァーとスカーレットを婚約させた。
だが、男遊びが大好きなのスカーレットは美丈夫であるオリヴァーが、自分ではなくアクアマリンに惚れてしまったことが気に入らなかっただけだった。
婚約は当然上手くいかなかった。
オリヴァーは今まで通りアクアマリンと共に過ごし、公式の場でもアクアマリンをエスコートしていた。
スカーレットは婚約者のいる美丈夫たちを自分に惚れさせ取っ替え引っ替え、挙げ句の果てには幾件もの婚約破棄騒動を起こさせたのにも関わらず、我関せずを貫き通していた。
真っ先に現状に痺れを切らしたのは、婚約者を取られた公爵令嬢だった。
オリヴァーの頬をぶん殴って帰って行ったご令嬢は、国王へも文句を言いに行ったそうだが、「スカーレットは絶対に悪いことをしない」の一点張りで終わったそうだった。
それを聞いたオリヴァーは、何度か案を考え、婚約破棄に向けて動いた。
———浮気現場を国王と共に押さえる。
———婚約者を取られたご令嬢たちの涙を国王に見せる。
———スカーレットに惚れた男たちが「自らはこんな愛を囁いてもらった!!」と自慢している井戸端会議を国王に見せる。
上記3つに加え、オリヴァーは考えつく限りの事を試し、暴君とかしている国王に現状を訴えた。
けれど、どう努力をしようとも現状は一切改善されなかった。
愚かな国王は醜い心を持った娘の言葉を信じ切っている。
国内の案件ではどう足掻こうとも、どう努力しようとも揉み消されて終わってしまった。
だからこそ、オリヴァーは足りない悪知恵で考えに考え抜き、国外の王侯貴族を巻き込むことにした。
そして、その餌食となったのが、貿易高によって国交は盛んなのにも関わらず、互いの文化物については出回っていないライノルト帝国であり、目をつけられたオリヴァーの作戦にグレンとシャーリーが巻き込まれたのであった。
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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
理由は簡単。
浮気性のスカーレットとオリヴァーの婚約を破棄に持っていくためだ。
「あの、シャーリーさま」
「?」
アクアマリンの瞳に涙をたっぷりと溜めたスカーレットの双子の妹アクアマリンが、深々と頭を下げた。シャーリーは僅かにアクアマリンの方に顔を向けながら、首を傾げる。
「………ありがとう、ございました。おかげでオリヴァーと結ばれることができそうです」
シャーリーが婚約破棄に持って行こうとした理由、それはグレンの幼馴染たるオリヴァーの婚姻を元通りにするためだった。
オリヴァーとアクアマリンは幼少期からとても仲が良く、恋仲であり、婚約が内定していた。
にも関わらず、婚約発表式開始直後、第1王女スカーレットの暴挙、婚約発表式の壇上でスカーレットがギャン泣きしながら父王に、「自分とオリヴァーが婚約しなければ今すぐ自害する」と訴えたことで、それらは全て崩れ去ってしまった。
スカーレットに殊更甘い父王は、オリヴァーとスカーレットを婚約させた。
だが、男遊びが大好きなのスカーレットは美丈夫であるオリヴァーが、自分ではなくアクアマリンに惚れてしまったことが気に入らなかっただけだった。
婚約は当然上手くいかなかった。
オリヴァーは今まで通りアクアマリンと共に過ごし、公式の場でもアクアマリンをエスコートしていた。
スカーレットは婚約者のいる美丈夫たちを自分に惚れさせ取っ替え引っ替え、挙げ句の果てには幾件もの婚約破棄騒動を起こさせたのにも関わらず、我関せずを貫き通していた。
真っ先に現状に痺れを切らしたのは、婚約者を取られた公爵令嬢だった。
オリヴァーの頬をぶん殴って帰って行ったご令嬢は、国王へも文句を言いに行ったそうだが、「スカーレットは絶対に悪いことをしない」の一点張りで終わったそうだった。
それを聞いたオリヴァーは、何度か案を考え、婚約破棄に向けて動いた。
———浮気現場を国王と共に押さえる。
———婚約者を取られたご令嬢たちの涙を国王に見せる。
———スカーレットに惚れた男たちが「自らはこんな愛を囁いてもらった!!」と自慢している井戸端会議を国王に見せる。
上記3つに加え、オリヴァーは考えつく限りの事を試し、暴君とかしている国王に現状を訴えた。
けれど、どう努力をしようとも現状は一切改善されなかった。
愚かな国王は醜い心を持った娘の言葉を信じ切っている。
国内の案件ではどう足掻こうとも、どう努力しようとも揉み消されて終わってしまった。
だからこそ、オリヴァーは足りない悪知恵で考えに考え抜き、国外の王侯貴族を巻き込むことにした。
そして、その餌食となったのが、貿易高によって国交は盛んなのにも関わらず、互いの文化物については出回っていないライノルト帝国であり、目をつけられたオリヴァーの作戦にグレンとシャーリーが巻き込まれたのであった。
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