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うん。
ヤろう。
思い立った瞬間が吉。
わたしは隣に立った旦那さまにずずいっと近づき、鉄製の骨で出来ている扇子で思いっきり旦那さまの頬を殴打した。
———パアァンッ!!
なかなかに良い音が鳴って旦那さまが呆然としているけれど、残念ながらわたしの心はこんなものでは鎮まらない。
だから、ずずいっと近づいていたことをいいことに、離れるためにターンをする拍子に細く尖ったピンヒールの踵で、旦那さまの足を思いっきり踏んづけてやった。
うん。
なかなかに良い感じに足の上にヒールの踵が沈んだわね。
「っ———!!」
振り返った瞬間に見えた、般若のような表情で蹲って激痛に耐える旦那さまに、わたしは眉を下げて申し訳なさそうに微笑んだ。
そう。ふんわりと微笑んでやった。
「あらまぁ、ごめん遊ばせ、旦那さま。少々お手々と足が滑ってしまったようですわ。先程のお言葉、少々耳が遠くなり聞こえませんでしたが、なんとおっしゃったのでしょうか」
「貴様っ、」
微笑んだまま冷めたシトリンの瞳を旦那さまに向けたわたしは、旦那さまを無視して双殿下に手で進む方向を指しながら、2人に微笑みかけた。
「では、ご案内させていただきますね」
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
ヤろう。
思い立った瞬間が吉。
わたしは隣に立った旦那さまにずずいっと近づき、鉄製の骨で出来ている扇子で思いっきり旦那さまの頬を殴打した。
———パアァンッ!!
なかなかに良い音が鳴って旦那さまが呆然としているけれど、残念ながらわたしの心はこんなものでは鎮まらない。
だから、ずずいっと近づいていたことをいいことに、離れるためにターンをする拍子に細く尖ったピンヒールの踵で、旦那さまの足を思いっきり踏んづけてやった。
うん。
なかなかに良い感じに足の上にヒールの踵が沈んだわね。
「っ———!!」
振り返った瞬間に見えた、般若のような表情で蹲って激痛に耐える旦那さまに、わたしは眉を下げて申し訳なさそうに微笑んだ。
そう。ふんわりと微笑んでやった。
「あらまぁ、ごめん遊ばせ、旦那さま。少々お手々と足が滑ってしまったようですわ。先程のお言葉、少々耳が遠くなり聞こえませんでしたが、なんとおっしゃったのでしょうか」
「貴様っ、」
微笑んだまま冷めたシトリンの瞳を旦那さまに向けたわたしは、旦那さまを無視して双殿下に手で進む方向を指しながら、2人に微笑みかけた。
「では、ご案内させていただきますね」
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