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 今わたしがこんな面倒くさい場所に立たなくてはいけなくなってしまった全ての理由は、御三家のイザコザが原因だ。

 全てのことの発端は約1年ほど前に遡る。
 約1年ほど前、武に優れたイーデンハイト公爵家の傘下の家柄である辺境伯家が任されている地方で、隣国との諍いが起きた。諍い自体はあっという間に収束し、被害もほとんど出さずに終戦を迎えた。
 しかし、それに納得を示さなかったのが文に優れたウーデラハイト公爵家の一派である貴族派の中にある過激派だった。この家には我が家も散々辛酸を舐めさせられた挙句借金を押し付けられたからものすごくいい思い出がないのだが、ひとまずそこは割愛する。

 まあつまり簡単にまとめちゃうと、イーデンハイト家の傘下の家の領地で戦争が起きてすぐに終戦したけど、ウーデラハイト家の中の一派がバッチバチに無駄な喧嘩を始めたせいで元々ただでさえ仲の良くなかった御三家のうちの2家が大喧嘩を始めたというわけだ。

 うん、ものすっごく面倒くさいしどうでもいい。
 戦争終わったんだからもういいじゃん。

 勝利して補償金貰って、国が潤った。
 はいおしまいじゃダメなわけ?
 これ以上戦争をし続けても税金の無駄だし、死者が出るだけ。
 国を落とすなんてなかなかできることじゃないんだし、ここで引いておくのが正解だろうに、お馬鹿な現ウーデラハイト家のご当主さまはじゃんじゃん戦争を仕掛けようとする。

 うん。お馬鹿さんすぎる。
 だから分家筋で優秀ゆえに無理矢理に押し上げられちゃった宰相さんが、胃に穴が空いてぶち倒れるまで頑張らないといけなくなっちゃってるんだよ?分かる?

 というか、戦機を管理するのも我が家のお仕事になっちゃってるから、戦争が起きたら我が家も総出で戦争用の魔道具修理に駆り出されるんだよ?
 この苦労分かる?
 宝石にも触れられなくなるし、戦さに関することの情報漏洩防止で監禁生活になるし、マジで面倒くさいんだからね?

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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈

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