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「だからこそ、わたしはその自らを守るために作り上げた歪んだ心でさえも美しいと感じる」
ふわっと微笑んだわたしは、王女殿下の奥に潜む恐怖に、焦燥に、興味を持つ。
でも、決してそこには踏み込まない。
人には踏み込まれたくない領域が存在しているのだから。
「わたしはもうこの件について満足しました。だから、もうどうでもいいのです。誰が黒幕でも、誰の引き金でも。けれど、………わたしの家族を陥れた人間だけは許さない。ただ、それだけです。あぁ、あとわたしの独身貴族を謳歌する計画に水をさしたお礼でしょうか」
サファイアさんが集めた紙には、最後の行にこう書かれていた。
『宰相は最近自分の家の傘下である伯爵家に多額の負債を負わせ、連帯責任者となっているとある男爵家の当主とその家族を奴隷に落とそうとしていた。男爵家の能力に欲をかいた模様。男爵を傀儡にし、その妻を召喚に売り捌き、男爵の娘を息子の妻にし、男爵の息子を次代の天才にする計画書も発見済み』
わたしの家族が借金を負わなくてはならなくなった経緯は、全てあの宰相が仕組んだことだった。
(わたしはあの男を、あの男の家族を、———絶対に許さない)
どこまでも高潔で“美しい”旦那さまが、裁判終了を待たずして国王陛下の横から立ち去る。
(そろそろタイムリミットね)
「ご機嫌よう。王太子殿下、王女殿下」
わたしは最後にチーズを齧って部屋を出た。
(まっず………、)
カビチーズは存外エグい味がして美味しくなかった。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
ふわっと微笑んだわたしは、王女殿下の奥に潜む恐怖に、焦燥に、興味を持つ。
でも、決してそこには踏み込まない。
人には踏み込まれたくない領域が存在しているのだから。
「わたしはもうこの件について満足しました。だから、もうどうでもいいのです。誰が黒幕でも、誰の引き金でも。けれど、………わたしの家族を陥れた人間だけは許さない。ただ、それだけです。あぁ、あとわたしの独身貴族を謳歌する計画に水をさしたお礼でしょうか」
サファイアさんが集めた紙には、最後の行にこう書かれていた。
『宰相は最近自分の家の傘下である伯爵家に多額の負債を負わせ、連帯責任者となっているとある男爵家の当主とその家族を奴隷に落とそうとしていた。男爵家の能力に欲をかいた模様。男爵を傀儡にし、その妻を召喚に売り捌き、男爵の娘を息子の妻にし、男爵の息子を次代の天才にする計画書も発見済み』
わたしの家族が借金を負わなくてはならなくなった経緯は、全てあの宰相が仕組んだことだった。
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どこまでも高潔で“美しい”旦那さまが、裁判終了を待たずして国王陛下の横から立ち去る。
(そろそろタイムリミットね)
「ご機嫌よう。王太子殿下、王女殿下」
わたしは最後にチーズを齧って部屋を出た。
(まっず………、)
カビチーズは存外エグい味がして美味しくなかった。
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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
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