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1章 幸せの花園

14 ごはん (2)

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「今日もお任せで構いませんか?」
「………かまわないよぉ~、ふぁう………、」

 欠伸をしながら言う魔女に苦笑したノアは、香油を片手に魔女のチリチリもこもこの髪に櫛を通す。
 ノアも癖のある髪を持っているが魔女ほどではない故に、魔女の髪の手入れはものすごく難しい。雑に櫛を通そうとしたら最後、櫛は魔女の髪にぐじぐじに絡まり、抜けなくなってしまう。適度に髪に香油を馴染ませながら、ノアは時間をかけて丁寧に丁寧に魔女の髪をすき、前髪を三つ編みに編み込み、ハーフアップにする。まとめるリボンも今日は上手にまっすぐ結ぶことができた。

「満足そうだねぇ」
「上手にできた」
「そっかぁ~」

 自らの髪を優しく撫でた魔女は、満足そうに胸を張るノアの頭をふわふわと撫でる。

「上手にできたねぇ。えらいえらい」

 はにかむように笑ったノアにつれられて、魔女はリビングへと連れ出される。

「今日のメニューはなぁにぃ?」
「昨日取れたマッシュルームと葉物をふんだんに使ったサラダとベーコンと目玉焼きを乗せたパン、あとはミネストローネです。魔女さまが手に入れてくださったマヨネーズという調味料もパンに使用してみました」
「そっかぁ~。ノアが作るごはんは全部絶品だからぁ、とぉ~っても楽しみだよぉ~」

 魔女が席に座るのを横目に、ノアはこんがりと狐色に焼き上げたパンの上にフライパンで焼いておいたベーコンと目玉焼きを乗せる。
 ほくほくとした食欲をそそる匂いが立ち込め、ノアは満足そうに頷く。

 ———今日も上手にできた。

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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈

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