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1章 幸せの花園
43 死に様 (2)
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———亡霊となって、誰かに足枷になんかなりたくない。人を怖がらせたくない。恐れさせたくない。
ノアの決意を裏腹に、リュシエンヌは不思議そうに首を傾げる。
「それってとっても寂しくない?だってひとりだよ。ひとりはとっても寂しいんだよ。誰にも甘えられない。誰にも頼れない」
「でも、誰だって死ぬ時は、あの世に行く時はひとりだよ」
「それでも、そばには誰かいてほしいじゃん」
「それは、相手の気持ちを犠牲にしてまで必要なこと?」
「犠牲って………、そんなわけないじゃん。大好きな人とのお別れは寂しいよ。でも、それ以上に『ありがとう』って気持ちでいっぱいになってくれるんじゃないかな?」
「それでも、悲しいものは悲しい。僕は、悲しい思いをしたくないし、誰にもさせたくない。だから、僕は人前で死ねない」
小さく微笑んだノアは、ぎゅっと魔女の腕を抱きしめた。
「だって、———優しい魔女さまはきっと僕が死んだら悲しんでくれるから」
ノアの大事で大好きな優しい優しい魔女。
世界で1番残酷なのに、世界で1番傷つきやすい魔女。
「僕にとって魔女さまは世界の全てなんだ。だから、魔女さまを悲しませるなんて言語道断だし、魔女さまを悲しませる原因はたとえ己の望みであったとしても、全て排除しなくてはならない。僕の世界は魔女さまでできていて、魔女さまが僕の全て。だから、僕は、僕だけは、絶対に、魔女さまを悲しませない。傷つけない」
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
ノアの決意を裏腹に、リュシエンヌは不思議そうに首を傾げる。
「それってとっても寂しくない?だってひとりだよ。ひとりはとっても寂しいんだよ。誰にも甘えられない。誰にも頼れない」
「でも、誰だって死ぬ時は、あの世に行く時はひとりだよ」
「それでも、そばには誰かいてほしいじゃん」
「それは、相手の気持ちを犠牲にしてまで必要なこと?」
「犠牲って………、そんなわけないじゃん。大好きな人とのお別れは寂しいよ。でも、それ以上に『ありがとう』って気持ちでいっぱいになってくれるんじゃないかな?」
「それでも、悲しいものは悲しい。僕は、悲しい思いをしたくないし、誰にもさせたくない。だから、僕は人前で死ねない」
小さく微笑んだノアは、ぎゅっと魔女の腕を抱きしめた。
「だって、———優しい魔女さまはきっと僕が死んだら悲しんでくれるから」
ノアの大事で大好きな優しい優しい魔女。
世界で1番残酷なのに、世界で1番傷つきやすい魔女。
「僕にとって魔女さまは世界の全てなんだ。だから、魔女さまを悲しませるなんて言語道断だし、魔女さまを悲しませる原因はたとえ己の望みであったとしても、全て排除しなくてはならない。僕の世界は魔女さまでできていて、魔女さまが僕の全て。だから、僕は、僕だけは、絶対に、魔女さまを悲しませない。傷つけない」
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