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24,進路
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「おはよう、シオン!」
「久しぶりー!」
「おはようございます」
高等部の教室に入るなり、シオンはクラスメートに囲まれ、穏やかに挨拶を返す。
「怪我は大丈夫なの?」
「はい、ご心配おかけしました」
女子生徒に聞かれ、にこりと微笑むとその綺麗な笑顔に皆、心を奪われた。
夏休みは2日前に明けていたが、シオンは狙撃による肩口の傷を理由に欠席していた。2週間も前の負傷でほぼ完治していたのだが、過保護で心配性な兄貴分たちに登校を止められたためだ。今朝も欠席しろと言われたが、強引に振り切って登校した。
「し、シオン…っ」
「シオン、あのさ、だ、大丈夫か…?」
夏休み中の懇親会で、シオンに酒を飲ませたクラスメートたちがおずおずと話しかけてくる。
「はい、もう何ともありません」
「そ…そうか」
「はは…っ良かったな」
シオンが微笑み、とがめられなかった彼らはホッと安堵した。シオンは懇親会の件を忘れており、怪我の心配だと思っているだけだが。
「おはよう」
そこへ、クラウドが挨拶をしながら教室に入ってくる。
「クラウド、おはよ…う?!」
「昨日よりひどくなってない?!」
彼の姿を見て、クラスメートたちは驚いてかけ寄る。片目の周りとほほが赤く腫れ、両腕には包帯が巻かれ、手も傷だらけでとても痛々しい。
「あのね、クラウドってば夏休み明けてから、いつも怪我して来ているの」
初めてその姿を見たシオンに、女子生徒がコソッと耳うちする。
「…そうですか」
シオンは集まってくるクラスメートをうっとうしがるクラウドを、そっと見つめた。
「は、はぁっ!どうだ…っ!」
その日の体育の授業。短距離走でシオンを抜き、クラウドは肩で息をしながらシオンを指差す。周りのクラスメートたちも感心して、歓声をあげる。
「驚いたか…っ?それとも、手を抜いてたってかっ?」
「はい、両方ですね」
挑発的に言うが、シオンは動じずにうなずく。
「チッ…腹立つ…!」
息も上がっておらず、平然とスタート位置に戻るシオンに、クラウドはまだ整わない息を吐きながら舌打ちした。
「クソ…っ!!」
シューカ街の高級住宅街にある、クラウドの自宅。クラウドは広い庭であぐらをかき、イライラをぶつけるように芝生を殴る。
「お帰り、クラウド。今日は荒れてるね?」
彼のそばにやって来たのは姉のミゾレ。小柄だが、赤いショートヘアと鋭い目が弟とよく似ている。3歳上で、街内の大学に通う女子大生だ。
「荒れてない!!来るの遅いぞ、このノロマブス…っうごぉっ?!!」
ミゾレは暴言を吐く弟の横っ面に、強烈な回し蹴りをくわらす。
「誰が美人で優しいお姉様だって?愚弟」
「ぐ、くおぉ…っ?」
派手に吹っ飛び、悶絶する彼を冷ややかな笑顔で見下ろした。
「はぁ?当たり前じゃない。半月訓練したくらいでシオンくんに勝てる訳ないよ。バカなの?」
「…」
クラウドは鼻血を滴らせ、芝生に正座させられて姉の罵倒を聞く。正論なのでぐうの音も出ない。あの後の短距離走、2走目はシオンに大差をつけられて惨敗したのだ。
半月前…街の大通りで王室護衛として働くシオンを目の当たりにした後、クラウドは姉のミゾレに「王室護衛になりたい」と直談判し、戦闘訓練をし始めた。ミゾレは幼い頃から訓練をしており、王室護衛に匹敵する手練れ。日に日に増える負傷はそのためだ。
「それにしても、あのかわいかったシオンくんが今や王室護衛だなんてね。やっぱり金眼の力ってすごいわ」
まだ弟たちが初等部に通っていた頃から顔見知りのミゾレは、非力で人懐っこかったシオンを思い出して感心する。
「…俺だって、金眼の血縁だ…っ」
「そう。でも、それだけじゃ強くはなれない。シオンくんも相当訓練を積んだんでしょうね」
金眼保有者の血縁だからと、無条件に戦闘能力が高いわけではない。高い戦闘能力が身につきやすいというだけで、訓練をしないと力は発揮出来ないのだ。
「わかったら、立ちなさい。まずは私の蹴りくらい、避けるか受けるか出来るようにならないとね」
話にならないよと、ミゾレは覇気を高めて構える。
「ああ!」
クラウドは鼻血を拭い、ギッと鋭い目を姉に向けて立ち上がった。
翌年。
「これは本気か?」
高等部3年生になったクラウドは、進路相談担当の教師と面談中だった。教師の前にある進路希望の用紙には『王室護衛』と綺麗な字で書いてある。
「はい」
「王室護衛がどれだけ危険な職業かわかっているのか?」
「はい」
教師が何度聞き返しても、クラウドは鋭い目を向け、表情変わらずうなずく。
王室護衛は公的な職業ではあるが、国に命を捧げるといっていい肉体的にも精神的にも過酷なもの。教師としてはおいそれとすすめることは出来ないのだ。
「いくらシオンと同じ道に進みたいといってもな…。お前は進学して、父親の跡を継ぐという選択肢が」
「シオンは関係ありません。父親の跡を継ぐ気もありません。何を言われようと、それを変えるつもりはありませんから」
しかもクラウドは街の首長の息子。何とか考え直して欲しい教師をさえぎり、クラウドは席を立つ。
「クラウド…っ」
「失礼しました」
教師の引き止める声を無視し、教室を出て行った。
「王室護衛にそのまま在籍するのか」
「はい」
進路希望を書いた用紙を手に話す教師に、シオンはうなずく。
「お前の論文を見た大学の教授が学部に招きたいと要請してきたが…。進学する気はないのか?」
「申し訳ありません」
「いや、構わない。私としては高等部まで進学してくれただけでも良かったと思っている」
「ありがとうございます」
教師は満足げに笑い、シオンは口角を上げる。
「ところで、相談なんだが」
「はい」
「クラウドなんだが、お前と同じ王室護衛を希望しているんだ。お前から諦めるよう話してくれないか?仕事の大変さを伝えて…」
「申し訳ありませんが、出来ません」
現役の護衛であり、クラウドと幼なじみのシオンが説得すれば、考え直すのではないかと思ったのだが。
「…っ何故だ?」
食い気味に拒否されて、面食らう。
「クラウドが決めた進路を妨げることは出来ません。それに、王室護衛となれるか否かは国王陛下がお決めになることです」
「…そ、そうか…」
シオンの口からウェア王の名が出ては何も言えなくなる。
「失礼しました」
シオンが丁寧に頭を下げて教室を出ていき、ふたりの教え子から拒否された教師は大きなため息をついた。
「遠路はるばるご苦労さん。王室護衛長のレイニーだ」
「同じくシャウアだ」
ウェア城の離れ、護衛たちの訓練に使う闘技場に3人の若者が集まっていた。彼らの前に立つ、黒コートの正装姿のレイニーとシャウアが自己紹介をする。
「3人とも推薦書どおりなら戦闘の腕前に覚えはあるのだろうが、俺たちとしてはそれをこの目で確かめたい」
「全部うのみしてお荷物になられると、俺たちの身も危険になるからな」
双子は彼らと手元の資料を見比べながら威圧的に話す。
集まった3人は新たな王室護衛候補である。王室護衛は公募することはなく、主に王室関係者の推薦で候補者となれるかが決まる。王国への忠誠心と戦闘の腕前だけでなく、コネが必要なのだ。正式に就任出来るかはウェア王の認定を受けられるか否かだが、実質、見極めは護衛長の判断に任されている。
候補者は基本、真面目で王国への忠誠心が強い者が多いが、時おり己の腕っぷしを過信し、調子に乗った勘違い野郎がいる。それをはじくのが護衛長の役目だ。
今回は3人中、ふたりがそれだと双子の護衛長はすでに気づいていた。赤髪で目つきの鋭い見覚えのある残りのひとりについては、まだ判断しかねているが。
「はい、で、何をすればいいんです?」
勘違い野郎のひとりが挑発的に聞く。
「…」
「もちろん、手合わせだ」
イラッとして今にも殴りそうなレイニーを制し、シャウアは冷静に言う。
「シオン!」
「はい」
イライラを抑えるレイニーに名を呼ばれ、シオンが闘技場の隅から現れる。
「うおっ?!」
「いつからいたんだ…っ?!」
勘違い野郎ふたりは突然現れたように見えたシオンに驚く。気配を消していただけで、ずっと闘技場内にいたのだ。
「…」
シオンの存在に気づいていた赤髪の候補者…クラウドは彼をギッとにらんだ。
「こいつは現役護衛の中で一番若い。こいつと手合わせして、簡単に負けるようなら…」
「意味はわかるだろう?」
レイニーとシャウアはシオンの肩に手を置き、ニヤリと笑んだ。
「久しぶりー!」
「おはようございます」
高等部の教室に入るなり、シオンはクラスメートに囲まれ、穏やかに挨拶を返す。
「怪我は大丈夫なの?」
「はい、ご心配おかけしました」
女子生徒に聞かれ、にこりと微笑むとその綺麗な笑顔に皆、心を奪われた。
夏休みは2日前に明けていたが、シオンは狙撃による肩口の傷を理由に欠席していた。2週間も前の負傷でほぼ完治していたのだが、過保護で心配性な兄貴分たちに登校を止められたためだ。今朝も欠席しろと言われたが、強引に振り切って登校した。
「し、シオン…っ」
「シオン、あのさ、だ、大丈夫か…?」
夏休み中の懇親会で、シオンに酒を飲ませたクラスメートたちがおずおずと話しかけてくる。
「はい、もう何ともありません」
「そ…そうか」
「はは…っ良かったな」
シオンが微笑み、とがめられなかった彼らはホッと安堵した。シオンは懇親会の件を忘れており、怪我の心配だと思っているだけだが。
「おはよう」
そこへ、クラウドが挨拶をしながら教室に入ってくる。
「クラウド、おはよ…う?!」
「昨日よりひどくなってない?!」
彼の姿を見て、クラスメートたちは驚いてかけ寄る。片目の周りとほほが赤く腫れ、両腕には包帯が巻かれ、手も傷だらけでとても痛々しい。
「あのね、クラウドってば夏休み明けてから、いつも怪我して来ているの」
初めてその姿を見たシオンに、女子生徒がコソッと耳うちする。
「…そうですか」
シオンは集まってくるクラスメートをうっとうしがるクラウドを、そっと見つめた。
「は、はぁっ!どうだ…っ!」
その日の体育の授業。短距離走でシオンを抜き、クラウドは肩で息をしながらシオンを指差す。周りのクラスメートたちも感心して、歓声をあげる。
「驚いたか…っ?それとも、手を抜いてたってかっ?」
「はい、両方ですね」
挑発的に言うが、シオンは動じずにうなずく。
「チッ…腹立つ…!」
息も上がっておらず、平然とスタート位置に戻るシオンに、クラウドはまだ整わない息を吐きながら舌打ちした。
「クソ…っ!!」
シューカ街の高級住宅街にある、クラウドの自宅。クラウドは広い庭であぐらをかき、イライラをぶつけるように芝生を殴る。
「お帰り、クラウド。今日は荒れてるね?」
彼のそばにやって来たのは姉のミゾレ。小柄だが、赤いショートヘアと鋭い目が弟とよく似ている。3歳上で、街内の大学に通う女子大生だ。
「荒れてない!!来るの遅いぞ、このノロマブス…っうごぉっ?!!」
ミゾレは暴言を吐く弟の横っ面に、強烈な回し蹴りをくわらす。
「誰が美人で優しいお姉様だって?愚弟」
「ぐ、くおぉ…っ?」
派手に吹っ飛び、悶絶する彼を冷ややかな笑顔で見下ろした。
「はぁ?当たり前じゃない。半月訓練したくらいでシオンくんに勝てる訳ないよ。バカなの?」
「…」
クラウドは鼻血を滴らせ、芝生に正座させられて姉の罵倒を聞く。正論なのでぐうの音も出ない。あの後の短距離走、2走目はシオンに大差をつけられて惨敗したのだ。
半月前…街の大通りで王室護衛として働くシオンを目の当たりにした後、クラウドは姉のミゾレに「王室護衛になりたい」と直談判し、戦闘訓練をし始めた。ミゾレは幼い頃から訓練をしており、王室護衛に匹敵する手練れ。日に日に増える負傷はそのためだ。
「それにしても、あのかわいかったシオンくんが今や王室護衛だなんてね。やっぱり金眼の力ってすごいわ」
まだ弟たちが初等部に通っていた頃から顔見知りのミゾレは、非力で人懐っこかったシオンを思い出して感心する。
「…俺だって、金眼の血縁だ…っ」
「そう。でも、それだけじゃ強くはなれない。シオンくんも相当訓練を積んだんでしょうね」
金眼保有者の血縁だからと、無条件に戦闘能力が高いわけではない。高い戦闘能力が身につきやすいというだけで、訓練をしないと力は発揮出来ないのだ。
「わかったら、立ちなさい。まずは私の蹴りくらい、避けるか受けるか出来るようにならないとね」
話にならないよと、ミゾレは覇気を高めて構える。
「ああ!」
クラウドは鼻血を拭い、ギッと鋭い目を姉に向けて立ち上がった。
翌年。
「これは本気か?」
高等部3年生になったクラウドは、進路相談担当の教師と面談中だった。教師の前にある進路希望の用紙には『王室護衛』と綺麗な字で書いてある。
「はい」
「王室護衛がどれだけ危険な職業かわかっているのか?」
「はい」
教師が何度聞き返しても、クラウドは鋭い目を向け、表情変わらずうなずく。
王室護衛は公的な職業ではあるが、国に命を捧げるといっていい肉体的にも精神的にも過酷なもの。教師としてはおいそれとすすめることは出来ないのだ。
「いくらシオンと同じ道に進みたいといってもな…。お前は進学して、父親の跡を継ぐという選択肢が」
「シオンは関係ありません。父親の跡を継ぐ気もありません。何を言われようと、それを変えるつもりはありませんから」
しかもクラウドは街の首長の息子。何とか考え直して欲しい教師をさえぎり、クラウドは席を立つ。
「クラウド…っ」
「失礼しました」
教師の引き止める声を無視し、教室を出て行った。
「王室護衛にそのまま在籍するのか」
「はい」
進路希望を書いた用紙を手に話す教師に、シオンはうなずく。
「お前の論文を見た大学の教授が学部に招きたいと要請してきたが…。進学する気はないのか?」
「申し訳ありません」
「いや、構わない。私としては高等部まで進学してくれただけでも良かったと思っている」
「ありがとうございます」
教師は満足げに笑い、シオンは口角を上げる。
「ところで、相談なんだが」
「はい」
「クラウドなんだが、お前と同じ王室護衛を希望しているんだ。お前から諦めるよう話してくれないか?仕事の大変さを伝えて…」
「申し訳ありませんが、出来ません」
現役の護衛であり、クラウドと幼なじみのシオンが説得すれば、考え直すのではないかと思ったのだが。
「…っ何故だ?」
食い気味に拒否されて、面食らう。
「クラウドが決めた進路を妨げることは出来ません。それに、王室護衛となれるか否かは国王陛下がお決めになることです」
「…そ、そうか…」
シオンの口からウェア王の名が出ては何も言えなくなる。
「失礼しました」
シオンが丁寧に頭を下げて教室を出ていき、ふたりの教え子から拒否された教師は大きなため息をついた。
「遠路はるばるご苦労さん。王室護衛長のレイニーだ」
「同じくシャウアだ」
ウェア城の離れ、護衛たちの訓練に使う闘技場に3人の若者が集まっていた。彼らの前に立つ、黒コートの正装姿のレイニーとシャウアが自己紹介をする。
「3人とも推薦書どおりなら戦闘の腕前に覚えはあるのだろうが、俺たちとしてはそれをこの目で確かめたい」
「全部うのみしてお荷物になられると、俺たちの身も危険になるからな」
双子は彼らと手元の資料を見比べながら威圧的に話す。
集まった3人は新たな王室護衛候補である。王室護衛は公募することはなく、主に王室関係者の推薦で候補者となれるかが決まる。王国への忠誠心と戦闘の腕前だけでなく、コネが必要なのだ。正式に就任出来るかはウェア王の認定を受けられるか否かだが、実質、見極めは護衛長の判断に任されている。
候補者は基本、真面目で王国への忠誠心が強い者が多いが、時おり己の腕っぷしを過信し、調子に乗った勘違い野郎がいる。それをはじくのが護衛長の役目だ。
今回は3人中、ふたりがそれだと双子の護衛長はすでに気づいていた。赤髪で目つきの鋭い見覚えのある残りのひとりについては、まだ判断しかねているが。
「はい、で、何をすればいいんです?」
勘違い野郎のひとりが挑発的に聞く。
「…」
「もちろん、手合わせだ」
イラッとして今にも殴りそうなレイニーを制し、シャウアは冷静に言う。
「シオン!」
「はい」
イライラを抑えるレイニーに名を呼ばれ、シオンが闘技場の隅から現れる。
「うおっ?!」
「いつからいたんだ…っ?!」
勘違い野郎ふたりは突然現れたように見えたシオンに驚く。気配を消していただけで、ずっと闘技場内にいたのだ。
「…」
シオンの存在に気づいていた赤髪の候補者…クラウドは彼をギッとにらんだ。
「こいつは現役護衛の中で一番若い。こいつと手合わせして、簡単に負けるようなら…」
「意味はわかるだろう?」
レイニーとシャウアはシオンの肩に手を置き、ニヤリと笑んだ。
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