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二面性
しおりを挟む「よ~~~し、今日は洗濯日和だなぁ!」
翌日、俺は皆さんを見送ってから、洗濯を干している。
今日の非番はスイッチなんだけど…
「朝ごはんの時、スイッチ来なかったもんなあ…」
皆に聞いてみると、非番の時はいつもそうだと言っていたから仕方ないのかもしれない。
ちなみに、今日戦闘のみんなには、お弁当を作ってみた。
強い振動にも耐えられて、かつ片手で食べられるものといったら、おにぎりでしょ!
と言うことで、野菜や魚なども入れた炊き込みご飯でおにぎりを作って渡したのだ。
勿論アニマさんは大喜びだった。
「あのテンションじゃ、出発してすぐに食べちゃうかもなあ~」
親のような気持ちでアニマさんのことを考えていると、廊下の方で音がした。
「あ、スイッチ起きたのかな?」
庭先から覗いてみると、案の定私服のスイッチの後ろ姿が見える。
「スイッチ!おはよう!食堂に朝ごはん置いてあるから、自由に食べてね~」
俺はその場で目一杯の声を出して挨拶をした。
…筈なのだが。
スイッチはチラリとこちらを一瞥すると、
そのまま歩き去っていった。
「……あれ?聞こえなかったかな。」
スイッチは大抵大声で返事を返すので、
こちらも最初から大声で呼び掛けてみたが、失敗してしまったようだ。
(もしかして、体調悪い…?朝ごはん食べないなら昼に回すんだけどなあ)
ちょっと追いかけてみるか。
追いかけると、すぐに追いつく。
どうやら、洗面所で顔を洗っていたようだ。
「スイッチ!」
こちらを振り向いた顔を見て、あっと思う。
クリスさんにも引けを取らない白髪黒目の超美形がそこにいた。
筋肉が程よくついており、顎線は細い。
全てのパーツが均整の取れた配置で収まっている。
唯一、目元を飾る濃い隈だけが、美しさを翳らせてしまっていた。
(そういえば、スイッチの素顔見るの初めてだな)
「朝ご飯いらないかな?そしたら昼に回すけど……」
「……」
「え…あれ、スイッチ?聞こえてる?」
スイッチは手早く周りを整えたかと思うと、俺の横をすり抜けて廊下に出ていった。
「いらない」
その4文字だけを溢して。
「…へ??」
******
それからの俺は、ショックから前後不覚といった状態だ。
あの、喋っているだけで現在地が分かるような大声のスイッチが…
小声で「いらない」とだけ言って、ろくな挨拶もなく部屋に帰ってしまった。
全く目も合わなかったし、なんか雰囲気が刺々しかった…
「フォースや、アニマさんが言っていたのはこれか……」
ヨロヨロとしながら洗濯物を干していたからか、風に煽られて干そうとしていたタオルが飛んでいってしまう。
(あ、塀の外に出ていっちゃった…)
タオルはそのまま、ヒラヒラと塀の外へダンスしながら出ていった。
どうしよう…
あの状態のスイッチに声を掛けるのも忍びない。
「よし、サッと出て拾うだけ…音を立てず、こっそり行こう」
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