俺TUEEEに憧れた凡人は、強者に愛される

豆もち。

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婚約者騒動編

自称婚約者、現る

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 城に招待されて以来、ルーカスは不思議な夢に悩まされている。
 だが、起きると毎回何故か覚えていなかった。
 
 しかし、夢の事など忘れてしまうほどの事件が起きる。



◇◆◇◆◇◆◇◆


「ユキ、食堂行くぞ」
「《はい、ルゥ様》」


 いつもの様に席に座り、パパさんが起きて来るのを待つ。
 ん? ディオンもなかなか下りて来ないな。珍しい。


「お待たせ、さっ頂きましょ」


 メアリーママは着席するなり、食事を始めた。
パパさん、まだだけど良いのか?


「ルゥちゃん、食べないの?」
「え、でもパパさんも、ディオンもまだですけど」
「あぁ良いのよ。今2人は大事な話をしているから」


 大事な話。何かあったんだろうか。


「そう、ですか」
「ええ。ルゥちゃんは気にしなくて良いのよ。
そうだわ、今日は私と一緒に過ごしましょう? いつもディオンばっかり、独占して。私だって、ルゥちゃんと遊びたいわ」


 そう言ってもらえるのは、嬉しいけど。ディオンが何て言うかなー。
 どうしたら良いか悩んでいると、ディオンとパパさんが揃って入って来た。

 げ。パパさんじゃなくて、今朝はディオンがラスボスになってる。こえー。やっぱ、今日はメアリーママについて行こう。うん。


「ちょうど良いところに。ディオン、今日は私が、ルゥちゃんを借りても良いでしょ?」
「……構いませんよ」
「え」


 こんな、あっさりOK出すなんて……。
別に俺には関係ないけど、モヤっとすんな。いつも俺にべったりのくせに。


「まあ、うふふ。それじゃ、ルゥちゃん。温室のお世話手伝って下さる?」
「はい」




 ディオン達を送り出した後、作業着に着替えて温室の前に向かった。
 やー、なんか久しぶりだわ。こーいう服。
村で畑作業する時に、よく着てたなぁ。生地が段違いに高級な点は置いといて。


「あら、着替えたの? そのままで良かったのに」


 中で待っていたメアリーママは、朝と変わらない格好をしている。
 マジか。そのドレスじゃ動けないだろ。汚れるよ?


「花の世話するんですよね」
「ええ。ーーああ、もしかして土弄りすると思った?」
「違うんですか?」
「まあ、間違ってはいないけど……そうね。ルゥちゃんに、私がただのお飾りでない事を見せてあげるわ」


 さっぱり、分からん。


「貴方達、いらっしゃい」
「はい?」


 温室には、俺達だけ。
 いったい誰を呼んだんだ? 外で待機してるメイドさん達は、動く気配ないし。


「あらあらぁ~、ルゥちゃんったら、人気者ね」
「意味が全然分からないんですが」
「もしかして、ルゥちゃん見えないの?
そんなに好かれてるのに?」


 信じられないって顔されても、困るんですけど。説明って大事だと思いマス。


「う~ん。もったいないわぁ。ねえ? 貴方達、何か良い案はないの」
「さっきから、誰と話してるんですか」


 ディオンの召喚獣みたいなヤツだったら、俺も見えるはずだよな。
ーーって事は、まさか。


「誰って、精霊よ。この子達、ルゥちゃんと遊びたいみたい。試しに契約してみない?」


 ココに精霊が居るのか! 俺がどんだけ視たくても、テオドールにしか視えなかった、ファンタジーの醍醐味がっ。


「で、出来るんですか!」
「それは、やってみないと」
「やりますっ」


 精霊っ、精霊っ!
 精霊と契約出来れば、魔法も使えちゃったりするかも。
現状、適正値が低過ぎて、初期魔法すら使えねーから。
いいんだ別に。村人Aは、だいたいそんなもんだし。


「ふふ。どのタイプが良いかしら。
まずは、穏和な土属性にしましょうか」
「お願いします!」
「じゃあ、両手を出して。目を閉じて、手のひらだけに集中するの」
「……はい」


 こうか? 集中しろ、俺。全ての神経を手に集中させるんだ。


ーーポワワン


「あれ。あったかい」
「そのまま集中を切らさないで、ゆっくり目を開けてみて」
「……っ、光って…」


 手のひらに、ほわほわと光る白い玉が見える。
これが精霊なのか?


「よく。その光の輪郭を捉えるのよ」


 じっと見つめ続けると、ぷっくりしたほっぺが見えた気がした。


「そう。良い感じだわ。私の言葉を繰り返してね。
『大地の子、ノームよ』」
「大地の子、ノームよ」
「『我がトモに』」
「我がトモに」

「《いいよぉ。やっと話せるね、ルーカス》」


 今、頭に声がーー!


「今のって……うわっ! 視えてる! 」


 ぼやけていた輪郭が、今度はハッキリと
 二頭身のポテっとした、まるっこい奴が。
 マスコットみてえ。


「《ずうっと、声かけてたのに、全然気づいてくれないんだも~ん》」
「お前が喋ってるのか?」


 思わず、ほっぺをぷにぷにつつく。マシュマロだ。
撫で回したいぜ。


「《わっ、やめてよぉ。そうだよ、ボクだよ! ねぇねぇ、どうしてキミから同胞の匂いがするのぉ》」
「同胞の匂い? ケーキ作ったからかな (マシュマロもお菓子だし)」
「《ぶぅ。なんかバカにしてない? ま、いーや。他の子も視えるでしょ?》」


 ノームの精霊に言われて、見回すと、同じ様なマスコットがわんさか浮いていた。


「えええっ」


「「「《やあ、ルーカス!》」」」


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