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ツイノベ
セルフケアの日
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今日はなんの日、セルフケアの日!ということで書いてみました。
✤✤
「なぁ、お前……目のクマ酷くないか?」
隣に住む幼馴染が、突然俺の頬をガシッと挟むと、じーっと見つめてきた。
「んー?そうかー?」
何事もないような態度で返事をするけれど、幼馴染の言うことはズバリその通りだった。
前々から調子が悪いことは自覚しながら、それを誤魔化して生活をしていた。
「まるでSubの禁断症状みたいじゃないか」
躊躇なく指摘するコイツは、少なくとも他の友人達とは一線を画す存在だ。
「何言ってんだよ。俺はノーマルだよ。検査結果でもそう言われたし」
他の友人よりは腹を割って話せる存在ではあるが、コレだけは言えずにいた。
「そうだけどさー。オレの母親がSubなんだけど、そん時の症状に似てんだよなー」
そう言いながら首を傾げる幼馴染は、典型的なDomだ。父親はDomで母親はSub。
父が不在で母の体調が思わしくない時は、軽いコマンドを与えて休ませると言っていた。
そんな環境からか、ダイナミクスには敏感なのだと思う。
「ただの寝不足だよ。テストも近いだろ?俺、頑張ってんだよ。……ほら、勉強教えてくれるって言っただろ?」
幼馴染は頭の回転もよく学年一位の成績だ。幼馴染のよしみで、こうやってよく勉強を見てもらっている。
「うーん。でも、寝不足なら今日はやめにしよう?ゆっくり休めよ。また日を改めて勉強会しようぜ」
目の前でキラキラとした笑顔を見せながら気遣ってくれる幼馴染に、男でも惚れてしまいそうだと、うっかり言葉にしてしまいそうになる。コイツは顔もいいし頭も良いし運動神経も良い。その上、周りをよく見ていて気遣いも出来る、まさにパーフェクトという言葉の当てはまる人間だ。
「そうだな。寝不足で勉強しても頭に入らないもんな。日を改めようぜ」
幼馴染の言葉を尊重する風で、ホントはもう平常心を保つのが限界にきていた。僅かに目眩すらしてくる。
玄関先まで行き幼馴染を見送ると、自分の部屋へと戻った。
「はぁ。いつまでも誤魔化しきれないよな……」
鏡の前に立ち目のクマを確認すると共に、幼馴染の顔が脳裏に浮かぶ。
相手はDomだ。いつまでもノーマルだよという言葉に騙されるわけがない。
──いや、本当はもう確信しているのかもしれない。
ため息をつきながら、パートナーのいないSub用に病院で渡された、セルフケア映像にスマホからアクセスする。
仕方がないとはいえ、この時間はとても虚しくなる。
『Come(おいで)』
スマから流れる音声は、自分好みの声だ。そういう設定にしてあるから当然なのだけど。
スマホから流れる軽いプレイを1つずつこなしていると、突然ガチャリと部屋のドアが開いた。
──しまった、鍵をかけ忘れていた。
「プレイ相手、オレじゃだめか?」
やっぱりSubだったんだな?とか、そういういう質問はすべてふっ飛ばして、幼馴染は俺の隣に座った。
「なっ……」
なんでここにいるんだ?なんで俺がSubだって分かったんだ?なんでプレイするなんて言うんだ?
たくさん言いたい言葉は浮かんだのに、幼馴染のグレアを含んだ視線に一瞬にして飲み込まれた。
「オレに、ケアさせて欲しい……」
ふわりと抱きしめられ、春の日差しのような暖かなグレアに包まれた。
もう、隠すことも意地を張ることも必要ない。全てを委ねても良いんだ……。
俺は瞬時に理解して、幼馴染を自分のDomだと認識する。
そこからは、今までに感じたことのない多幸感に包まれていった。なんて暖かな時間なんだろう。
ポワポワとした感覚に包まれたあとの記憶がない。
「……おはよ?」
「おはよう。起きられる?ご飯食べよう?」
とりあえず挨拶を口にした俺に、幼馴染は嬉しそうに返事をした。
「着替えて待っててね?」
そう言うと、パタパタと部屋を出ていった。
起き上がった俺の身体は、嘘のように軽くなっていた。セルフケアをしていた頃と段違いだ。
着替えようとすると、ふわりと良い匂いが漂ってくる。貸してくれた幼馴染の服なのだろう。
無意識に服の胸元をぎゅっと手繰り寄せると、安心する匂いに包まれた。
「パートナーになってくれって頼んだら、OKしてもらえるかな?」
幼馴染の香りに包まれながら、これからのことをゆっくりと考えていた。
✤✤✤
Dom/Subユニバースの設定をお借りしました。説明は省いてあります。
セルフケア→ケア?→Dom/Sub?→パートナーなしのひとりでケア?
って感じで書いたお話です。
幼馴染は、いつSubから言い出してくれるかなーと待ってたのに、痺れ切らしました(笑)
✤✤
「なぁ、お前……目のクマ酷くないか?」
隣に住む幼馴染が、突然俺の頬をガシッと挟むと、じーっと見つめてきた。
「んー?そうかー?」
何事もないような態度で返事をするけれど、幼馴染の言うことはズバリその通りだった。
前々から調子が悪いことは自覚しながら、それを誤魔化して生活をしていた。
「まるでSubの禁断症状みたいじゃないか」
躊躇なく指摘するコイツは、少なくとも他の友人達とは一線を画す存在だ。
「何言ってんだよ。俺はノーマルだよ。検査結果でもそう言われたし」
他の友人よりは腹を割って話せる存在ではあるが、コレだけは言えずにいた。
「そうだけどさー。オレの母親がSubなんだけど、そん時の症状に似てんだよなー」
そう言いながら首を傾げる幼馴染は、典型的なDomだ。父親はDomで母親はSub。
父が不在で母の体調が思わしくない時は、軽いコマンドを与えて休ませると言っていた。
そんな環境からか、ダイナミクスには敏感なのだと思う。
「ただの寝不足だよ。テストも近いだろ?俺、頑張ってんだよ。……ほら、勉強教えてくれるって言っただろ?」
幼馴染は頭の回転もよく学年一位の成績だ。幼馴染のよしみで、こうやってよく勉強を見てもらっている。
「うーん。でも、寝不足なら今日はやめにしよう?ゆっくり休めよ。また日を改めて勉強会しようぜ」
目の前でキラキラとした笑顔を見せながら気遣ってくれる幼馴染に、男でも惚れてしまいそうだと、うっかり言葉にしてしまいそうになる。コイツは顔もいいし頭も良いし運動神経も良い。その上、周りをよく見ていて気遣いも出来る、まさにパーフェクトという言葉の当てはまる人間だ。
「そうだな。寝不足で勉強しても頭に入らないもんな。日を改めようぜ」
幼馴染の言葉を尊重する風で、ホントはもう平常心を保つのが限界にきていた。僅かに目眩すらしてくる。
玄関先まで行き幼馴染を見送ると、自分の部屋へと戻った。
「はぁ。いつまでも誤魔化しきれないよな……」
鏡の前に立ち目のクマを確認すると共に、幼馴染の顔が脳裏に浮かぶ。
相手はDomだ。いつまでもノーマルだよという言葉に騙されるわけがない。
──いや、本当はもう確信しているのかもしれない。
ため息をつきながら、パートナーのいないSub用に病院で渡された、セルフケア映像にスマホからアクセスする。
仕方がないとはいえ、この時間はとても虚しくなる。
『Come(おいで)』
スマから流れる音声は、自分好みの声だ。そういう設定にしてあるから当然なのだけど。
スマホから流れる軽いプレイを1つずつこなしていると、突然ガチャリと部屋のドアが開いた。
──しまった、鍵をかけ忘れていた。
「プレイ相手、オレじゃだめか?」
やっぱりSubだったんだな?とか、そういういう質問はすべてふっ飛ばして、幼馴染は俺の隣に座った。
「なっ……」
なんでここにいるんだ?なんで俺がSubだって分かったんだ?なんでプレイするなんて言うんだ?
たくさん言いたい言葉は浮かんだのに、幼馴染のグレアを含んだ視線に一瞬にして飲み込まれた。
「オレに、ケアさせて欲しい……」
ふわりと抱きしめられ、春の日差しのような暖かなグレアに包まれた。
もう、隠すことも意地を張ることも必要ない。全てを委ねても良いんだ……。
俺は瞬時に理解して、幼馴染を自分のDomだと認識する。
そこからは、今までに感じたことのない多幸感に包まれていった。なんて暖かな時間なんだろう。
ポワポワとした感覚に包まれたあとの記憶がない。
「……おはよ?」
「おはよう。起きられる?ご飯食べよう?」
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そう言うと、パタパタと部屋を出ていった。
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着替えようとすると、ふわりと良い匂いが漂ってくる。貸してくれた幼馴染の服なのだろう。
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「パートナーになってくれって頼んだら、OKしてもらえるかな?」
幼馴染の香りに包まれながら、これからのことをゆっくりと考えていた。
✤✤✤
Dom/Subユニバースの設定をお借りしました。説明は省いてあります。
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