79 / 93
再
転校生と危険な社会見学?④
しおりを挟む
天気は晴れ、雲一つない晴天。夏と秋の切り替わり、ちょうどいい季節とはこのことを言うのだろう、心地の良い朝だ。
時間は午前7時半、駅前のバスターミナルに俺たちは集まっていた。
普段の水瀬駅のバスターミナルは、夜行バスの立ち寄りと、町内バスが時間で回ってくるくらいで、今日の様に、学生が一挙に集まることはなかなか無い。それでも朝の通勤通学ラッシュは一応あって混雑はしている。学校側もそれを考慮して、ほとんどのバスは朝6時までには出発しているが、どうしても、俺たちのバスは目的地の関係もあって最後の出発になった。
ひとりひとりの荷物を乗務員に渡し、順番にバスへ乗り込み、1泊2日の社会見学旅行のスタートだ。
珠ちゃん先生の受け持つ【特選】のクラスは先生狙いのミーハーなものもいれば真面目な奴もしたり様々。親父のクラスほど特殊な奴はいないけどな。
「ちょっと秋緋、失礼なこと考えないでよね。」
「うっさい、事実だろが。」
沙織里はいない。実家に帰るといったあの日から2週間、一度もこっちに戻ってこず…連絡はとれていたものの「大丈夫だよーこっちでまってる!」だけで…なにかあったわけじゃないだろうけど、心配はしてる。
「入学当初は僕らの顔みていやいやしてたのに、今じゃ寂しがるほどになってるなんて、ねぇ?」
「もっと甘えていいのよ真砂くん?」
寂しいのは沙織里の顔を見れないことだけだ!野郎ふたりはどうでもいいんだ!当然のように腕に絡まってくるんじゃないルージュめ!さっさと先生の仕事しろ!
腕を振り払って、窓の外の景色に視線を移す。クネクネしてるルージュは無視だ、無視。
出発して30分。
高速道路に乗って、どんどん水瀬から遠ざかっていく。学校の授業とは言え、地元にこれから帰るっていうのは、妙な気分だ。入学してから一度も帰っていない…わけではない。幽霊状態で一度お邪魔はしている。正式な帰宅ではないけど…結構デカい口叩いて出て行った手前恥ずかしさがある。…まぁ実家に行かなければいいだけだし…しっかり学校の授業としてこの社会見学を無事終わらせればいいだけ。
絢倉千樹の件がなければ。
保健室で親父たちと転校生の対応をあの後話し合って、俺に防呪を教える必要がなくなったことと、夜兄の言っていた2週間程度の期限が社会見学当日に当たること。幸いあの後から直接的な俺への襲撃は止んでいて、残り3つの秘術の発動はされていないみたいだ。絢峰瑠鬼がなにか細工をしたのか、単純に縛りの発動条件に至っていないだけなのかわからないが、一番自由に接近することができる今日が、絢倉千樹を助け出す一番の機会、となった。
「はぁ~い!みなさあぁん!今日は一緒に見学よろしくねぇ!」
甲高い声色でマイクを使って話し出したルージュ。密閉空間で逃げ場のない中、朝から食らわされるルージュの色香に、見学が始まる前にもかかわらず、皆、2日間山奥で遭難した後のような疲弊した顔になっている。3秒前の笑顔を返してやってくれ。
それでも、一応先生として、この後始まる見学のスケジュールを伝える。
1日目
10時 聖ファンテーヌ教会着
10時15分 教会内見学
12時 昼食
13時15分 座学
17時- 集合・ホテルへ移動
18時30分- 夕食
20時-20時半 オリエンテーション
21時 消灯
2日目
8時 起床・朝食
9時 聖ファンテーヌ教会へ移動
10時 教会内見学(自由)
12時 昼食
13時 水瀬駅へ移動開始
15時 水瀬駅着、解散
と、言う流れ。
普通の学生であれば、本当に、施設見学をして、歴史や言語に触れて充実した見学をして終了する内容だろう。だが、俺たちの【特選】は、そこに加えてやることがある。まぁそんなことはここでは言わないけどな。
スケジュール確認をした生徒たちはワクワクした表情に変わって、談笑しはじめる。穏やかに、楽しい移動時間。
「僕らにはスケジュール外の特別授業もあるからね、がんばろうね、秋緋」
「まぁそうだけど…そこだけに力入れるのは学生として…」
「…見学レポートは多少適当でも、師匠が担任だから、特別授業の方の成果の方が大事になるんじゃない?」
俺は、学生として!この2日間を評価してもらいたいんだって!楽しそうな笑い声が響くバスの車内、車窓から見えるトンネルのオレンジ色の明かりを数えながら俺はため息をついた。
数時間後―。
羊を数えてしまったように、あのまま眠りに落ちた俺。
高速道路を降りた後、教会までの道のりできれいな景色が拝める道があるんだが、すっかり寝過ごして見れずじまい。結構好きな景色だったから、ちょっと残念。
「はーい!皆さん!こちらに集合してくださいね~手荷物だけ忘れずに持ってくるのよ~!」
癒される珠ちゃん先生の声。生徒たちはちゃんと言うことに従って集合し、注意事項を聞いている。
教会は小高い丘の上に建っている。今集まっているのはその下にある公園の広場だ。天使と女神を象った噴水が目を引く、聖ファンテーヌ教会が管理している美しい公園だ。
勝手知ったるなんとやら…見慣れてしまっている俺と壱弥は注意事項なんてどこ吹く風だ。集まっている生徒の一番後ろでぼーっと久々に足を運んだ公園を見渡している。
「相変わらずきれいにしてるよね。特にあの噴水の女神。」
壱弥の言う通り。噴水の女神は白く光り輝いて見える。何年たっても新品みたいだ。まぁ…それは、ここの神父が毎朝磨き上げているからだろうな。
「忘れてたけど、お父さんいるんだよな…。」
「あ、そっか。秋緋、神父様苦手だったね。」
絢倉千樹のことで頭がいっぱいだったし、沙織里が帰ってこないことも心配ですっかり忘れていたが、俺はここの…沙織里の父親である神父に嫌われている…んだと思う。まだ小さい時は普通に接してくれていた。
けど、天使が現れた後からだったかな。急に怖くなった。まぁ…わからなくはない。大事な一人娘に天使からの天啓っていうのか?だとしても、永遠の伴侶宣言されたのだ。その上沙織里は【筒師】に興味を持って、成長するにつれて【筒師】にばかり気を向けてしまっている。
「移動するみたい。行こう、秋緋。」
「あ、あぁ…はぁ…。」
ザーザーと音を立てて勢いよく、そして優しく噴き出る噴水の中央にいる女神の顔は…沙織里そのもの。お父さんがどれだけ沙織里を溺愛しているかわかるだろう?
あとな、教会の中もすごいことになってるんだぜ?
時間は午前7時半、駅前のバスターミナルに俺たちは集まっていた。
普段の水瀬駅のバスターミナルは、夜行バスの立ち寄りと、町内バスが時間で回ってくるくらいで、今日の様に、学生が一挙に集まることはなかなか無い。それでも朝の通勤通学ラッシュは一応あって混雑はしている。学校側もそれを考慮して、ほとんどのバスは朝6時までには出発しているが、どうしても、俺たちのバスは目的地の関係もあって最後の出発になった。
ひとりひとりの荷物を乗務員に渡し、順番にバスへ乗り込み、1泊2日の社会見学旅行のスタートだ。
珠ちゃん先生の受け持つ【特選】のクラスは先生狙いのミーハーなものもいれば真面目な奴もしたり様々。親父のクラスほど特殊な奴はいないけどな。
「ちょっと秋緋、失礼なこと考えないでよね。」
「うっさい、事実だろが。」
沙織里はいない。実家に帰るといったあの日から2週間、一度もこっちに戻ってこず…連絡はとれていたものの「大丈夫だよーこっちでまってる!」だけで…なにかあったわけじゃないだろうけど、心配はしてる。
「入学当初は僕らの顔みていやいやしてたのに、今じゃ寂しがるほどになってるなんて、ねぇ?」
「もっと甘えていいのよ真砂くん?」
寂しいのは沙織里の顔を見れないことだけだ!野郎ふたりはどうでもいいんだ!当然のように腕に絡まってくるんじゃないルージュめ!さっさと先生の仕事しろ!
腕を振り払って、窓の外の景色に視線を移す。クネクネしてるルージュは無視だ、無視。
出発して30分。
高速道路に乗って、どんどん水瀬から遠ざかっていく。学校の授業とは言え、地元にこれから帰るっていうのは、妙な気分だ。入学してから一度も帰っていない…わけではない。幽霊状態で一度お邪魔はしている。正式な帰宅ではないけど…結構デカい口叩いて出て行った手前恥ずかしさがある。…まぁ実家に行かなければいいだけだし…しっかり学校の授業としてこの社会見学を無事終わらせればいいだけ。
絢倉千樹の件がなければ。
保健室で親父たちと転校生の対応をあの後話し合って、俺に防呪を教える必要がなくなったことと、夜兄の言っていた2週間程度の期限が社会見学当日に当たること。幸いあの後から直接的な俺への襲撃は止んでいて、残り3つの秘術の発動はされていないみたいだ。絢峰瑠鬼がなにか細工をしたのか、単純に縛りの発動条件に至っていないだけなのかわからないが、一番自由に接近することができる今日が、絢倉千樹を助け出す一番の機会、となった。
「はぁ~い!みなさあぁん!今日は一緒に見学よろしくねぇ!」
甲高い声色でマイクを使って話し出したルージュ。密閉空間で逃げ場のない中、朝から食らわされるルージュの色香に、見学が始まる前にもかかわらず、皆、2日間山奥で遭難した後のような疲弊した顔になっている。3秒前の笑顔を返してやってくれ。
それでも、一応先生として、この後始まる見学のスケジュールを伝える。
1日目
10時 聖ファンテーヌ教会着
10時15分 教会内見学
12時 昼食
13時15分 座学
17時- 集合・ホテルへ移動
18時30分- 夕食
20時-20時半 オリエンテーション
21時 消灯
2日目
8時 起床・朝食
9時 聖ファンテーヌ教会へ移動
10時 教会内見学(自由)
12時 昼食
13時 水瀬駅へ移動開始
15時 水瀬駅着、解散
と、言う流れ。
普通の学生であれば、本当に、施設見学をして、歴史や言語に触れて充実した見学をして終了する内容だろう。だが、俺たちの【特選】は、そこに加えてやることがある。まぁそんなことはここでは言わないけどな。
スケジュール確認をした生徒たちはワクワクした表情に変わって、談笑しはじめる。穏やかに、楽しい移動時間。
「僕らにはスケジュール外の特別授業もあるからね、がんばろうね、秋緋」
「まぁそうだけど…そこだけに力入れるのは学生として…」
「…見学レポートは多少適当でも、師匠が担任だから、特別授業の方の成果の方が大事になるんじゃない?」
俺は、学生として!この2日間を評価してもらいたいんだって!楽しそうな笑い声が響くバスの車内、車窓から見えるトンネルのオレンジ色の明かりを数えながら俺はため息をついた。
数時間後―。
羊を数えてしまったように、あのまま眠りに落ちた俺。
高速道路を降りた後、教会までの道のりできれいな景色が拝める道があるんだが、すっかり寝過ごして見れずじまい。結構好きな景色だったから、ちょっと残念。
「はーい!皆さん!こちらに集合してくださいね~手荷物だけ忘れずに持ってくるのよ~!」
癒される珠ちゃん先生の声。生徒たちはちゃんと言うことに従って集合し、注意事項を聞いている。
教会は小高い丘の上に建っている。今集まっているのはその下にある公園の広場だ。天使と女神を象った噴水が目を引く、聖ファンテーヌ教会が管理している美しい公園だ。
勝手知ったるなんとやら…見慣れてしまっている俺と壱弥は注意事項なんてどこ吹く風だ。集まっている生徒の一番後ろでぼーっと久々に足を運んだ公園を見渡している。
「相変わらずきれいにしてるよね。特にあの噴水の女神。」
壱弥の言う通り。噴水の女神は白く光り輝いて見える。何年たっても新品みたいだ。まぁ…それは、ここの神父が毎朝磨き上げているからだろうな。
「忘れてたけど、お父さんいるんだよな…。」
「あ、そっか。秋緋、神父様苦手だったね。」
絢倉千樹のことで頭がいっぱいだったし、沙織里が帰ってこないことも心配ですっかり忘れていたが、俺はここの…沙織里の父親である神父に嫌われている…んだと思う。まだ小さい時は普通に接してくれていた。
けど、天使が現れた後からだったかな。急に怖くなった。まぁ…わからなくはない。大事な一人娘に天使からの天啓っていうのか?だとしても、永遠の伴侶宣言されたのだ。その上沙織里は【筒師】に興味を持って、成長するにつれて【筒師】にばかり気を向けてしまっている。
「移動するみたい。行こう、秋緋。」
「あ、あぁ…はぁ…。」
ザーザーと音を立てて勢いよく、そして優しく噴き出る噴水の中央にいる女神の顔は…沙織里そのもの。お父さんがどれだけ沙織里を溺愛しているかわかるだろう?
あとな、教会の中もすごいことになってるんだぜ?
0
あなたにおすすめの小説
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる