89 / 93
終
【不視】
しおりを挟む
さて、と。
こっちは無事に済んだが…絢峰瑠鬼の妖怪たちはどうなったかな?主の力が途絶えているはずだから、契約で縛られていたのであれば、解放されているはず。あとは千樹にかけられてた秘術の方も確認しなきゃな。
一応、完全に【不視】になるように、ぶっ叩いてやったから、絢峰瑠鬼は絢峰瑠鬼ではなくなった。
うっかり触って猫っぽいへんなのになったり、俺だけが何故か猫に見えていて、触っても猫だったりはしない。
…夜兄がやった【不視】の利用法もちょっと応用したりしてみた。やったことは、人を人で無くし、本人が持っていた今までの記憶も、思いですらも『見えなく』して…そう考えると、俺は一人の人間を殺したも同然なんだろう。
「…やりすぎた、かな。でも…それでも、これからのこいつの――」
ドーーーン!
…いや、なんだ?自分のした事に向き合って心を痛めている時に…あ。
そういえば周辺の様子は変わってないな?未だ妖怪大戦争の真っ最中…だと?
「…っ!秋緋!なに突っ立ってるの!避けて!!」
「え?」
壱弥が慌てた様子で俺に向かって叫んだ。その声に、俺は気付いたのだけど…見覚えのある色の火の玉が飛んできていて…
「ほっほっほ…周辺にもう少し気をかけませんと、いけませんなっ…!」
上空から白い閃光と一緒に、戌井が降ってきて、火の玉が細切れになって地面に落ちてくすぶる。
「鼻が利くのも考え物ですな…例の人物の残り香にあてられてしまいまして、遅れてしまいました。申し訳ございません。」
「そんなこと…来てくれて助かったよ、ありがとう…戌井。」
「ほっほっほ…紅司郎様も間もなく参ります。それで、この黒い煙なのですが…」
相変わらず、凄腕の剣士だ。ここ最近は本当に家を守っているくらいらしいけど、小さい頃はその剣術を演武として見たことがある。全然衰えなんて感じない…俺もこんなかっこいいじいさんになりたいもんだ。
っと。
絢峰瑠鬼が妖怪を出した時、一緒に溢れた黒い煙。そいつが西洋墓地全体に、まとわりつくように『いる』らしい。いる、って言ったってことは、この煙自体が妖怪だって意味になる。来るもの拒まず、去る者逃がさず…絢峰瑠鬼みたいにやな感じのことしてくるなぁ…。
「あまり吸い込んではなりません。我々にも毒になりますが、霊力のある人間が吸い込むのもよろしくはないでしょう…秋緋坊ちゃんは防ぐ力がお強いようですので軽く済んでいるのでしょうが…」
おーけい、戌井。
ちーとみーは神鬼だから浄化の力も強そうだし大丈夫だろう。
沙織里と千樹には天使がついてて…うん、ちょっと離れたところで明るく光ってるから、結界で守られてるって感じだな。
壱弥はさとりの子だし、当然わかって行動してるはず。さっき叫んだ時も平然としてたし、こっちも大丈夫。
残った東雲は…走りまわってたから息が上がってる…だけじゃないな…きっと、相当な毒の煙を吸い込んでいる。いつもより早くバテてる感じだな…それじゃぁ…
「…ヒロインらしく、癒しの力で救ってやるとしますかねぇ?」
糸を通して、悪いものを浄化する。ま、これも防呪の力からできる解放と、同じことだろ?
…遠目でもわかるくらいキラキラした表情と声で「秋くんありがとぉ♡んっま♡」ってさ。
「…なんだろう、急激に力を送るのがめんどくさくなった」
「秋緋坊っちゃん、成長なさいましたなぁ…おや…。」
戌井が気づいたのは、誰かが走ってくる音。誰だかもうわかる、さぁ、俺たちをこの黒い煙の中から出してもらおうじゃないか。
「かっこいいところ見せてくれよ、親父っ!!」
ヒェァァァァァァ…ッ!
と、上空から声がして、ザァッと音がするくらいの勢いで煙が渦を巻いて消えていく。上を見上げると、どうやって滞空してるのかわからない親父と、針で串刺しにされた黒い煙と布の体をもつ妖怪が、グネグネと痛みで叫びながら、消えていくいのが確認できた。
スッと、一見天女の如く下りてきているが、黒い煙より毒なんじゃないかと思うほど化粧が崩れたルージュこと、俺の親父が地上に足を降ろした。
「すまねぇ。生徒たちをホテルまで送って待機させて…遅れた…無事か…?」
「一応先生だしな。大丈夫、俺も千樹も、みんなも無事だよ。」
煙が晴れると、それぞれと対峙していた妖怪たちの動きが止まって、戸惑い、困った表情でおろおろとしだした。
「…絢峰瑠鬼のちゃんとした契約妖怪は俺が消した奴だけだったようだな…煙の毒気を使って意識を操って、正気を失わせてたんだろう。」
「うん、そうだよ。叔父さん弱いから、頑張ってあの子だけと仲良くしてた。」
絢峰瑠鬼自体の力は、妖怪ひとり使役する力しか持ってなくて、そいつと深くつながって、自分ではなくて妖怪の方を強化していたかんじか。
今みたいに、俺たちの妨害があるだろうことを見越して、なんでもいいからとっ捕まえて、妖怪を操らせてたってことか。
そりゃ表立ってドンパチやらないわけだ。親父の仕事先に現れたのは準備ができたぞー!って調子に乗ってただけかなこりゃ。
…【不視】の力の影響力が強いのはわかってきていたけど、こうも簡単に、俺の望む形で打ち込めたのは、相手の力量が下回っていたせいもあったのかな…
「んなぁぅ~」
「…秋緋くん?その子猫は…?」
散り散りになって逃げていく妖怪たちを見送りながら、俺が抱えていた黒い毛玉に気付いた千樹が聞いてきた。
ので、お答えしよう。
「ん?あぁ、絢峰瑠鬼。」
「「「えっ」」」
俺の周りに集まってきたみんなが驚いて声を上げた。
ま、そりゃそうだよな。
こっちは無事に済んだが…絢峰瑠鬼の妖怪たちはどうなったかな?主の力が途絶えているはずだから、契約で縛られていたのであれば、解放されているはず。あとは千樹にかけられてた秘術の方も確認しなきゃな。
一応、完全に【不視】になるように、ぶっ叩いてやったから、絢峰瑠鬼は絢峰瑠鬼ではなくなった。
うっかり触って猫っぽいへんなのになったり、俺だけが何故か猫に見えていて、触っても猫だったりはしない。
…夜兄がやった【不視】の利用法もちょっと応用したりしてみた。やったことは、人を人で無くし、本人が持っていた今までの記憶も、思いですらも『見えなく』して…そう考えると、俺は一人の人間を殺したも同然なんだろう。
「…やりすぎた、かな。でも…それでも、これからのこいつの――」
ドーーーン!
…いや、なんだ?自分のした事に向き合って心を痛めている時に…あ。
そういえば周辺の様子は変わってないな?未だ妖怪大戦争の真っ最中…だと?
「…っ!秋緋!なに突っ立ってるの!避けて!!」
「え?」
壱弥が慌てた様子で俺に向かって叫んだ。その声に、俺は気付いたのだけど…見覚えのある色の火の玉が飛んできていて…
「ほっほっほ…周辺にもう少し気をかけませんと、いけませんなっ…!」
上空から白い閃光と一緒に、戌井が降ってきて、火の玉が細切れになって地面に落ちてくすぶる。
「鼻が利くのも考え物ですな…例の人物の残り香にあてられてしまいまして、遅れてしまいました。申し訳ございません。」
「そんなこと…来てくれて助かったよ、ありがとう…戌井。」
「ほっほっほ…紅司郎様も間もなく参ります。それで、この黒い煙なのですが…」
相変わらず、凄腕の剣士だ。ここ最近は本当に家を守っているくらいらしいけど、小さい頃はその剣術を演武として見たことがある。全然衰えなんて感じない…俺もこんなかっこいいじいさんになりたいもんだ。
っと。
絢峰瑠鬼が妖怪を出した時、一緒に溢れた黒い煙。そいつが西洋墓地全体に、まとわりつくように『いる』らしい。いる、って言ったってことは、この煙自体が妖怪だって意味になる。来るもの拒まず、去る者逃がさず…絢峰瑠鬼みたいにやな感じのことしてくるなぁ…。
「あまり吸い込んではなりません。我々にも毒になりますが、霊力のある人間が吸い込むのもよろしくはないでしょう…秋緋坊ちゃんは防ぐ力がお強いようですので軽く済んでいるのでしょうが…」
おーけい、戌井。
ちーとみーは神鬼だから浄化の力も強そうだし大丈夫だろう。
沙織里と千樹には天使がついてて…うん、ちょっと離れたところで明るく光ってるから、結界で守られてるって感じだな。
壱弥はさとりの子だし、当然わかって行動してるはず。さっき叫んだ時も平然としてたし、こっちも大丈夫。
残った東雲は…走りまわってたから息が上がってる…だけじゃないな…きっと、相当な毒の煙を吸い込んでいる。いつもより早くバテてる感じだな…それじゃぁ…
「…ヒロインらしく、癒しの力で救ってやるとしますかねぇ?」
糸を通して、悪いものを浄化する。ま、これも防呪の力からできる解放と、同じことだろ?
…遠目でもわかるくらいキラキラした表情と声で「秋くんありがとぉ♡んっま♡」ってさ。
「…なんだろう、急激に力を送るのがめんどくさくなった」
「秋緋坊っちゃん、成長なさいましたなぁ…おや…。」
戌井が気づいたのは、誰かが走ってくる音。誰だかもうわかる、さぁ、俺たちをこの黒い煙の中から出してもらおうじゃないか。
「かっこいいところ見せてくれよ、親父っ!!」
ヒェァァァァァァ…ッ!
と、上空から声がして、ザァッと音がするくらいの勢いで煙が渦を巻いて消えていく。上を見上げると、どうやって滞空してるのかわからない親父と、針で串刺しにされた黒い煙と布の体をもつ妖怪が、グネグネと痛みで叫びながら、消えていくいのが確認できた。
スッと、一見天女の如く下りてきているが、黒い煙より毒なんじゃないかと思うほど化粧が崩れたルージュこと、俺の親父が地上に足を降ろした。
「すまねぇ。生徒たちをホテルまで送って待機させて…遅れた…無事か…?」
「一応先生だしな。大丈夫、俺も千樹も、みんなも無事だよ。」
煙が晴れると、それぞれと対峙していた妖怪たちの動きが止まって、戸惑い、困った表情でおろおろとしだした。
「…絢峰瑠鬼のちゃんとした契約妖怪は俺が消した奴だけだったようだな…煙の毒気を使って意識を操って、正気を失わせてたんだろう。」
「うん、そうだよ。叔父さん弱いから、頑張ってあの子だけと仲良くしてた。」
絢峰瑠鬼自体の力は、妖怪ひとり使役する力しか持ってなくて、そいつと深くつながって、自分ではなくて妖怪の方を強化していたかんじか。
今みたいに、俺たちの妨害があるだろうことを見越して、なんでもいいからとっ捕まえて、妖怪を操らせてたってことか。
そりゃ表立ってドンパチやらないわけだ。親父の仕事先に現れたのは準備ができたぞー!って調子に乗ってただけかなこりゃ。
…【不視】の力の影響力が強いのはわかってきていたけど、こうも簡単に、俺の望む形で打ち込めたのは、相手の力量が下回っていたせいもあったのかな…
「んなぁぅ~」
「…秋緋くん?その子猫は…?」
散り散りになって逃げていく妖怪たちを見送りながら、俺が抱えていた黒い毛玉に気付いた千樹が聞いてきた。
ので、お答えしよう。
「ん?あぁ、絢峰瑠鬼。」
「「「えっ」」」
俺の周りに集まってきたみんなが驚いて声を上げた。
ま、そりゃそうだよな。
0
あなたにおすすめの小説
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる