それが恋だっていうなら…××××

ハル*

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4:53 p.m. 9※R18

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~水無瀬side~


眠っているかもしれないと思い、静かにドアを開ける。鍵を開ける音すらしないように……。

(ただいまー)

声に出さず、心の中で悠有に声をかけたつもりになって奥の部屋へと進んでいく。

その途中のテーブルに買ってきたものを袋ごと置き、バッグはソファーの上に放るようにして。

寝室の方を覗きこめば、布団が盛り上がっているのが見えた。

だから俺は見た目そのままに、眠っているんだとばかり思っていたわけで。

寝顔を見ようと足音を立てずに悠有の顔を覗きこもうとして、(…え)と声に出そうな状況に俺は息を飲んだ。

悠有の眉間には深いシワが刻み込まれ、どこか苦しげな表情を浮かべている。

体調がすぐれないのか…と、思わず顔の半分を隠している布団をズラそうと布団を握りかけたその刹那。

「ん、ん…っっ」

息を詰めたようにも聞こえる呼吸に、俺は無言で悠有の顔に掛かっていた布団を剥いだ。

「……え? は?」

と、声をもらしたのは悠有。

寝ぼけているのか、とろんとした瞳で、どこか焦点が合っていない感じでもある。

「悠有、起こしちゃった? 苦しそうだったから、布団の位置をズラそうって思っ……」

そこまで言いかけて、今度は違う意味で息を飲んだ。

寝ぼけているのかと思っていたのは違っているようで、でもとろんとした瞳だったのは合っていて。

答え合わせのように、俺はさっきよりももっと思いきり布団を剥いだ。

「…やめっ」

悠有の顔がほんのり赤く染まっていて、口は薄く開いてて。悠有の腕の中には、俺のパジャマ。

パジャマを貸してとメールが送られてきた時には、冗談半分で着ているか抱いててくれたらなんて想像をしたけど。

「まさか…」

本当に抱いて寝ていたなんてというのと、その予想を上回る光景に俺の理性が動揺しはじめた。

右を向いて横になり、右手でパジャマを抱き、左手は…半勃ちの悠有自身を握って扱いている最中だったのがわかる。

悠有の手が先走った体液で濡れて光って、手を止めている場所がちょうど根元寄りの中ほど。

俺がその手の位置に目を奪われていると、「…見ないで」と今にも消え入りそうな声で拒まれる。

小さく息を吐き「どうして?」と笑みを浮かべ、徐にベッドに腰かけて悠有の顔を見下ろす。

「どうしてそうなってるのかは知らないけど、悠有のこんな姿…見ないなんて嫌だね。むしろ、その先が見たいな」

と、さっきよりも笑みを深めて悠有の願いを却下する。

「みず、き」

俺の言葉に悠有は目に涙を浮かべて、もう一度見ないでほしいと視線で懇願してきている。

(でもね、俺は)

「やめないでいいよ? ……だって、悠有。自分でもわかってるよね? それ、さっきよりも硬くなってるの」

事実だけを伝える。事実を伝えつつ、悠有の体が望んでいるだろうことの背中を押す。

「こういうシチュエーション、好きなの? 悠有」

そういいながら半身をよじって、とろりと鈴口から透明な液体をこぼしている悠有の熱に触れる。

指先でその輪郭をなぞるようにして、根元の方からゆっくりと上へと……。

「や…あっ」

悠有の腰が一瞬引けて、ヒクンと震えた。

「すごいね、悠有。……こんなになるまで、シたかったの?」

涙を浮かべながら、イヤイヤでもするように首を振る悠有。

今日は病院に行ってきたから、体調と体力とメンタルの全部とで結構疲れているだろうなって思ってたんだけど。

それに昨日の今日だから、担当医が変わったんだとしても病院に行けば、義父のことが何かのタイミングでよぎったかもしれないとも思っていた。

(俺なりにその辺のことで無理をさせたくないって、抱きたいとか抱かれたいとか思わないようにしていたのになぁ…、もう)

「疲れて…横になって……そしたら…静かな部屋で寂しくなって…だから…その…」

病院から帰ってきてからの流れを頬を赤らめながら伝えてくれるんだけど、ソコから悠有の手が離れていないだけに俺の目は一点に集中してしまう。

ゴクンと唾を飲み、先走った体液がついた悠有の手に俺の手を重ねて、一緒に扱き出す。

「…ん、アッ…ッッ」

その手を動かしたままで、口で硬さを増した熱を包んでいく。

クプリと口の中へ熱を収めていくと、舌の上で唾液と悠有の少し苦みのある体液が混じる。

悠有が本能でその行為を欲しているのなら、満たせるのは俺だけだって思いたい。

「みず……ぃっ」

何度も頭と手を上下させて刺激しつづければ、口内の熱が一気に質量を増やしていった。

口をすぼめる余裕なんかないくらい、俺の口いっぱいになったそれがさらにもう一段階大きくなり口の端っこからよだれが垂れていく。

(コレ…欲しいな)

頭の中と腹の下の方が、ふわふわクラクラしていくのがわかる。と同時に、我慢しすぎたか、ズキズキもする。

ベッドの横で床に膝をついた格好で愛撫している俺の、その痛いほどに硬くなったその存在に悠有は気づいていない。

一緒に扱きたい欲求が頭をもたげそうになるけど、気づかれないうちはこのままにして悠有だけを満たすことに集中。

「イく…っ、イッちゃ、う……や、ダメっ…みず、きっっ」

切なげな声に、自分の体が同時に反応しているのがわかる。わかってる。わかってるんだ。

(早く…イけよ)

そしてその後に、もしも…まだ欲しがるなら…俺の体で……と思う。けど、その前に俺の欲までも混在させちゃダメだ。

(どうして今日の体調やメンタルでこの状態になってるのかわからないけど、悠有が快感を欲しがっているのなら…)

小さく震える悠有の熱が、もう一段階膨らんだと感じたと同時に。

「出る…! ダメっ…みず…ダメッッ! 口、離…しっ」

俺の口の中で爆ぜたそれが熱を吐き出したのを感じながら、一緒に扱いていた悠有の手を重ねたまま上下させて最後まで吐き出させる。

わずかに萎んでいくそれの中を吸いあげるように手を動かしながら何度か口をすぼめてみると、悠有の腰がヒク…と揺れた気がした。

「…どして…っ」

悠有が戸惑うようにそう漏らしたのは、口の中で果てさせたことにじゃなく、他のことへ…みたいで。

「なんでまだ…」

吐き出したはずのモノが、いまだ収まらない。

今にも泣き出しそうな顔つきになって、言葉は出てこないのに言ってるみたいだ。

「どうしよう」

「どうしたらいい?」

「…助けて」

って。

コッチで勝手に都合がいいように察したらダメなのかもしれないけど、悠有に目配せをしてから俺はおもむろに服を脱ぎだした。

「今度は一緒に…ね?」

誘うように囁く。

まばたき数回分の無言の後に、悠有が体を起こして同じようにすべてを晒していく。

「でも、具合悪くなってきたら言って? 本当は今日は大人しくさせる気満々だったんだから」

なんて呟いてから、かたわらの引き出しからローションを取り出す。

悠有の脚を跨ぐようにしてから、四つん這いになって一緒に気持ちよくなるための準備に入ろうとした俺。

「――待って、瑞」

真剣な目つきで俺を見上げ、よこせと手のひらを差し出した。

「…ふう。別にいいのに、自分でやるってば」

負担をひとつでも減らしたくて言っただけなのに、コッチに来てと言ってるように手招きをして見せたから顔を近づけてみると。

「前戯もセッ クス、でしょ?」

そう囁いて、キスをひとつ。

まっすぐなその視線がやけに色っぽく、さっきまでので頬はまだ赤いまま。瞳は少し潤んでいて、俺はその瞳から目をそらせない。

時々こうして悠有が不慣れな未経験者だっただなんて思えないほどに、色香を纏って俺を誘ってきて、くらくらするほどに俺を惑わせるんだ。

一気に煽られて、揺さぶられ、眩むままに悠有の手にローションをのせる。

目の前で悠有が手にとろりとローションを垂らす仕草が、やけにゆっくりと映る。

悠有が俺に微笑みかけたタイミングで、悠有の方へと体を一歩分近づける。

肩に手を置いてそのまま身を預ければ、腹の下から俺の脚の間へと手を伸ばして後孔に指先をあてた。

ローションを馴染ませながら、指一本から始めて徐々に指先を沈めてやがて第二関節あたりまで入ったんだろう感覚が腹の中に伝わってきた。

「あ…っ、そこ…」

触れられたら、かんたんに気持ちよくなってしまう場所を、悠有の指が探り当てる。

「ん…。ココ、好きだよね? 瑞」

クプクプと濁った水音をさせながら、何度も何度も抜き挿ししていく悠有。

馴染んだ様子に、指の本数が増やされていく。

感じてしまうその表情を、嫌でも見られてしまう格好の俺。

「コッチも…好き?」

そう言いながら、悠有は自分の目の前にある淡く色づいて勃ちあがっている胸の頂を舌先で優しく撫でる。

「ん、…アッ」

腰がヒクッと反応してしまった瞬間、悠有がクスッと笑う。

「中、きゅ…って締まったね」

囁かれて、俺の反応を楽しまれているようでなんだか恥ずかしいやら悔しいやら。

「しょ…がない、じゃん」

なんなんだろう。気づけば最中の言葉の端々に、手練れ感が見え隠れしている。

そんな風に育てちゃったのは俺なんだろうけど、悠有にその素養があったんじゃないの? と思えてしまうほどに馴染んでいる。

「一回…イッとく?」

昔テレビで見た、なにかのドリンク液のCMみたいな言葉なのに、不思議なほどにドキドキさせられちゃってる。

「…ん。イカせて? 悠有」

スイッチが入りかけているってわかる。

それでも俺にちゃんと聞いてからやってくるあたりは、悠有の優しい気づかいか、俺への愛情か。

(出来れば後者だけがいいな)

ぐちゃぐちゃとだらしない音を立てて、早い抽挿の音が続いていく。

頭の先まで痺れるような感覚とじわじわと熱に侵されていく感覚が。

「……は…。たまん…ない」

クセになる。

「ふ…イイ顔してる。……すっごく煽ってるの…わかる?」

わかってるけどわかってないふりをして、ゆるく首を振る。

「――――ウソツキ」

そう囁いた瞬間、指を奥の方へと突き刺すように押し込んだ。

「アッ…アァアアアッッ!!」

腰がガクガクと震えて、自分の胸に向かって思ったよりも勢いよく吐精して。

吐き出したものを悠有が指先で掬ってから、ぺろりと舐める。

「ちょ…っ」

俺に煽ってると言っておきながら、本当に煽ってるのはどっちだよと内心思った。

「瑞の味がする」

とか、俺を振り回す気満々じゃん。

「こんな小悪魔な感じに育てたつもりはなかったのにな」

ボソッと呟くと「ん? なに?」と聞き漏らしたようで、聞き返されるけど。

「いや? なんでもないよ?」

笑ってごまかす。

「もう…いいよね?」

ゴムを手に取って、かすかに息を乱したままですっかり勃きあがったモノに着けていく悠有。すっかり初心者さは、ない。

(でも、たったこれだけのことで、これだけ呼吸が乱れているのは…大丈夫なのかな)

妙な不安がまるで胸に針を刺した傷痕のように、小さくそこにあると主張している。

「悠有?」

臨戦態勢で俺の脚を掴んで大きく拡げてから、熱の先端をパクパクと口を薄く開いて早くおいでと待っているソコへとあてがう彼に。

「本当にカラダは…大丈夫なのか? 無理も無茶もしたくないしさせたくないんだよ、俺は」

ソコは悠有を欲しがっているってわかるけど、この先も一緒にいるつもりなら今日できなくたっていいって話だ。

「だ…って、はっ…はっ……欲しい、んだよ。体が…じゃな、くて…はっ…心が……今抱かなきゃ…苦しいって」

切なげに、そして苦しげに眉を寄せた。

よく見れば悠有の目尻には、小さく涙がにじんで見える。

(心が、か。……もしも今、やめさせたなら…悠有はどうなるんだ?)

さっきよりも不安が大きくなっていく。

見えない何かがそばに在るような、恐怖感とも焦燥感も言いきれない感情が胸に生まれてくる。

「お願い…瑞っ。……“ボク”に、抱かせて!」

苦しげな表情のまま、まるで叫ぶようにそう告げた刹那、悠有は一気に俺の体内へと熱杭を挿し込んだ。

その勢いに思わず「…グッ」と突き上げるような息がもれる。

腹の奥底から内臓を丸ごと一気に持ち上げられるようなその勢いに、声が出なくなる。

脚を大きく開かれたまま、ゴンゴンと最奥を一突きごとに深さを更新させていくみたいだ。

(さっき…また悠有が“ボク”って)

脳裏に浮かんだ引っかかりを、悠有の物理的な衝撃がどこかへ吹っ飛ばしてしまう。

「あ……ハッ、くぁ…っ、待っ……って、悠…有ぅっ」

こっちのお願いなんか耳に入ってないような勢いが、延々と続く。

ビクッ…っと中で悠有が一回イッたのをゴム越しだけど感じた気がしたってのに、その熱に浮かされているように悠有自身が萎える気配がない。

つながったままで、俺の体をうつ伏せへと変えてから腰だけを持ち上げて。

「お、奥っっ…ダメ!」

グッグッグッと最奥でかき混ぜるように、腰をくねらせては打ちつける…を繰り返す。

「コッチも…でしょ?」

そして、俺自身の熱にも早めに扱き、強めの刺激を与えることを忘れてくれない。

「違っ! ヤ、ヤダ! だめっ……アッ…ん、クッ」

腰が勝手にひくついて、自分の中にいる悠有をキツく締め上げる。

「……はっ。締めすぎ、でしょ」

そういいながらも、ゴツゴツと最後と言わんばかりな勢いで中へ…もっと奥へ…と腰を動かす。

「ね…瑞……好き? ”ボク”とのこういうの。気持ちイイ? またシたい? ねえ」

質問をしておきながらも、答える隙を与えてくれない。

何度イッたかわからないくらい、俺自身からはトロトロと勝手に白濁とした体液がこぼれてしまう。

「ね…ぇっ! 答えてくれなきゃ、終わらないよ? それともこのままずっと…こうしていたい? 瑞」

「は…っ、ンハッ、は…っンアッ…!待っ……」

「ホラッ! 答えてよ! 瑞!」

その様はまるで、悠有という形の別人格みたいで。悠有が与えてくれる快楽と言葉という揺さぶりに、頭がどうにかなりそうだ。

「ココ…もっとこすって欲しいんでしょ? いいなよ、欲しいって! もっと…ってさ」

こんな状態の悠有に、俺の言葉は届くのか? そもそもで、俺が言葉を吐き出せるのか?

(あぁ…もう、頭が回らない)

「ほら! ほら!」

悠有は勢いづけて立て続けに抽挿を繰り返してから、最奥で中を抉るように腰を捻らせた。

「ン、あぁぁあああっっっ!」

一気に高まる熱と快楽に、一か所だけに意識がいってしまった。

その瞬間、プシュッと派手な水音をたてて、熱のすべてを吐き出すかのように潮をふいた。

「止ま…ら…な、ぃっ」

おもらししたみたいにベッドをびちゃびちゃに濡らして、腰だけを上げた格好で俺は何度も痙攣して最後には鈴口からだらしなくとろとろと精液なのか潮なのかわからないものを垂れ流していた。

こんなのは初めてだ。

悠有の前に何人とどれだけの回数寝たのか憶えていないけど、ここまで意識が朦朧として、体の力が抜けてしまう行為はなかったはずだ。

俺の中から悠有がいなくなっていくのがわかる。

一瞬、嫌だと思ったのが体とリンクして、悠有をキュッと締めたみたいだけど、悠有も今日はもうおしまい。

「も…動けない」

二人の体液でぐちゃぐちゃのベッドで、どっちも動けなくなって、意識もどこか遠くへ行きかけている。

「ごめ…ん、ね。瑞」

意識を手離す前に聞いた悠有の声は、それで。

「い…よ」

俺はそう返すのが精いっぱいだった。




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