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1章

護国騎士団と反逆者?

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「いっててて…」
『足のブースターは練習が必要みたいですね。』

イッセイ達はブースターの試運転の影響で王国の外の平原に不時着していた

「そんな一夕一朝にはいかないよな…」

空を飛ぶ夢はしばらくお預けみたいだ

『でもこれでデータは取れました。後は調整すれば反動を抑えるための装備として使えるでしょう。』
「データが取れたならよかったか…後で宿屋の女将さんには謝っとかないとな…」

宿屋がどんな状態かはわからないが泊まっていた部屋がめちゃくちゃになっているのは容易に想像出来る
女将さんの鬼の形相も

「さてと…怖いけど帰るか…」
「動くな!」

イッセイが立ち上がろうとすると図太くなく、かといって幼くもない声がした
 
「ええと…どなたです?」

目の前には銀の鎧を着た兵士が10数人
先頭にはいかにも隊長というような金の鎧を着た男が立っていた

「私は護国騎士団゛十二士゛の1人、ランスだ!貴様が王国に楯突く敵と見なし、ここで成敗する!」

護国騎士団?十二士?敵?
え?

「あのー…状況が飲み込めないんですけども」
「問答無用!」


ランスは剣を取り出しイッセイに飛びかかり、イッセイは既のところでそれを避ける

「あぶな!何すんだよ!」
「ちっ…運が良かったな…反逆者!」

反逆者って…次から次へと情報を増やさないでほしいな!

「ランス様!」
「なんだ?」
「そいつ…異世界からやってきた゛職無し゛です!」

それを聞いた瞬間ランスの動きがピクリと止まる

「お前か…我々の恥晒しというやつは。」
「は?」

我々?
ってことはこいつも地球から召喚されたやつの1人か

「まぁよく今まで生きれていたなと褒めてやろう。褒美に何かくれてやりたいところだが…あいにくそのような物は持ち合わせていなくてな。」
「はぁ。」
「なので貴様には今唯一渡せる最高の褒美である゛死゛をプレゼントしてやろう!」
「よく元地球人のくせにいきがれるな…」
「なに!?」

あ、思ってたこと口に出ちゃったか

「゛職無し゛のゴミのくせに生意気な!」
「どうせそのランスって名前だってこっちに来て変えたんだろ?そんな名前にするんだったら槍使えよなー。」
「…ッ調子に乗るなよ!」

ランスが振りかざす剣をすんでのところで躱す
生まれつき動体視力だけはいい
剣の動きに合わせてブースターで移動すればこの通り


「はぁ…はぁ…なぜ当たらん!スキルも職も何もないくせに!」
「はいはい…このままでもただ疲れるだけだと思うんでこの場はここでお開き…でどうです?」

ここで引いてくれれば楽なんだけどな
精神年齢は間違いなく俺より低そうだからな、この人

「ふざっ…けるな!」

ランスがそう言って剣を空に向かって突き出す
すると周りから光の粒子が剣の元へと集まり出す

「あ、あれは…」
「ランス様のスキル!」
「今までこれで倒せなかった魔物はいないと言うあの…」

これがスキルってやつか…
他人が使うのを見るのは初めてか

「滅びるがいい゛職無し゛!゛ホーリライトセイバー゛!!」

光の剣が振り下ろされ、イッセイに向かう
普通の剣ならともかくこれなら俺は塵も残らないだろうな

辺り一面が光に包まれ、大地が割れた

「やったか!?」
「流石ランス様だ!」

周りの騎士達の歓声が上がる

「はぁ…はぁ…どうだ゛職無し゛…と言ってももう聞こえないだろうが」
「いやー危なかったわ。」
「な、貴様…」

ボーン・サーペントを縦にしたらふつーに防げたんだけど地面割れて足場無くなって…
ブースターでその場から脱出出来たんだけども

「いやーブースター様様だよ。」
「き、貴様…私の…私の!」

自慢のスキルだったんだろう
余程ショックみたいだ

「なぁ魔力量抑えれば雷鳴撃っても平気かな?」
『雷弾ならば平気かと。』
「そっか。」

そうナビちゃんからの答えも得たところで゛雷鳴゛のダイヤルを雷に変え、騎士達に向け構える

「反逆罪とかやなんだけど…正当防衛だから大丈夫だよね?」
「や、やめ…」
「王様によろしく。」

ズダン!

王国の外の平原が光に包まれ、雷のような音が一瞬した
目を開けて見てみると目の前の騎士達はまっ黒焦げ
まあ生きてるみたいだし問題無かろう

「さて…帰ろうか。」
『ええ。』

イッセイはその後何事もなく帰ったが、宿屋の前で待ち構えていた女将さんにみっちり絞られたのは言うまでもない

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