また逢える日まで

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また逢える日まで

頼み

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道路は血まみれでユウは頭から血を流し意識なくぐったりしていて、カナも頭や腕や足からも血が流れてはいたものの、意識ははっきりしていた。
思考回復したレンがカナの肩をつかみ、問いかけた。
「カナ、ユウのこと揺さぶってないよな?」
レンの問いかけに、カナは頷いた。
「救急車も呼んだ」
カナは至極冷静で的確な行動をとっていたが、その目はレンを見ていなかった。ユウをずっと見つめ、ずっと、ユウ…とユウの名を呼んでいた。
救急車が到着し、ユウは救急車に乗せられた。カナの傷は浅く、手当てをしてもらっただけで済んだ。彼の付き添いはと救急隊員に聞かれ、レンが俺が行きますと答えた。カナもついていくと言ったが、レンにそんな状態のやつ連れていけないと拒否されてしまった。レンが乗り込むと救急車は病院へと向かった。救急車が見えなくなった途端、カナがその場に崩れ落ち、泣き始めた。
「カナ…」
ユミが涙目でカナに近づき、力強く抱きしめ、安心させるように背中を撫でた。ミキもリュウも涙をこらえるのに精いっぱいでカナに声をかけられなかった。
                  
救急車に乗り込んだレンは、意識のないユウを見つめ、起きろよと呟いた。その瞬間、のろのろとユウが目を開けた。
「ユウ、大丈夫か?」
レンがユウの顔を覗き込んで、問いかける。
「カナは…無事?」
「ああ。無事だよ。お前が体張って守ったからな」
問いかけには答えず、カナの心配をするユウにレンは苦笑しながら、カナの無事を伝えた。
「良かった…。あのさ、レンにお願いがある…」
「ん、なんだ。なんでも言え」
絞り出すような声で喋るユウのそばに近づき、レンが答える。
「カナのこと頼む…。レンに好きな子いるのは知ってるから…様子見ぐらいでいいから」
「何言ってんだよ…」
真剣な声で頼むユウにレンは痛みを堪えるような顔をした…。
「俺はもうだめだから…」
「諦めんなよ!お前、カナと両想いだってわかって、しかも、付き合えたじゃんか!」
弱気なことを口にするユウにレンは怒鳴った。
「俺だって、もっと生きたい…。けど、もう体がだめみたいだ…。お願い、時間がない。お前にしか頼めないんだ…。カナが笑顔でいられるようにしてやってくれ…」
「あいつはお前が居なきゃ笑えねーよ…!あの!まだ、病院つかないんですか!」
ユウのお願いに対し、反論し続けるレンは救急隊員にまだかと問いかけた。
「着きました!」
救急車が、病院に止まり、ユウは、手術室へと運ばれて行った。手術室に入るまで付き添ってたレンに、ユウは、もう一度言った。
「レン…カナをよろしくお願いします」
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