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第一章 出会い
成長しました
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獣人に拾われ早十七年。
ヴィリロスに住みながらも親元を離れ、一人で暮らしている俺は、
「ネロー!尻尾が濡れたー!」
「川で遊んでんだから濡れるに決まってんだろ」
「後で魔法で乾かしてー!」
「はいはい。わかってるよ」
面倒見のいいお兄ちゃんというポディションについていた。
仕事の合間を縫っては、実家近くの子供達と川で遊ぶ日々。
日本のように共働きが主流の家庭では、こうして子供達を連れ出してくれる人がいるのはとても助かるのだという。
「魚!ネロ!魚取れた!」
「おー。爪で串刺しだな。すげー」
「だろー!母ちゃんに持って帰ってやろーっと!」
濡れた尻尾を左右に振り、川辺で足だけ水に入れている俺に仕留めた魚を見せてくる。
子供達とはいえ獣人。
成長とともに爪は鋭くなり、後数年もすれば俺なんて一瞬で殺せるほど強くなるのだろう。
そうなったら、近所付き合いの一環で一緒に遊んでいる好として、魔物から守ってもらおう。
この十七年でプライドというものを捨てた俺は、目の前で水遊びをしている子供達を見ながらそんなことを考えていた。
「ふぃー。濡れた濡れたー」
「ネロー。お洋服びちょびちょー」
「こらこら。女の子なんだからスカート捲らないの」
「はーい」
ここにくる前が二十三歳で、転生して十七年。
トータルするともう四十年生きている
おじさんになったな……と、最近思う。
見た目は十七歳で中身は二十三歳のはずだが、こう……なんていうのかな。
同じ年齢の人と出会っても、“子供だなー”と思ってしまうんですよ。
これをおっさんと言わずして何と言う。
だがしかし!
人魚さんの男性版という素晴らしい容姿で転生させてくれたからか、俺は晴れて処女を卒業した。
もちろん男でな。
だってゲイだし。
当たり前じゃないか。
でも現実はそんなに甘くなく、気持ちいいと思っていたセックスは予想を反していいものではなく、行為そのものに興味がなくなってしまった。
初めての相手が雑だったのか、相性が良くなかったのか、最後まですることはできたが物凄く痛かったのだ。
トラウマになるほどに。
相手の獣人は気持ちよさそうにしていたけどな。
自分だけよくなるなんてずるい。
そんな事があり、日本では性欲が強いと言われている年齢のはずだというのに、全くヤりたいという気持ちにならなくなってしまった。
未だに童貞は卒業できていないが、処女は卒業できたしもう悔いはない。
ヴィリロスは同性愛に対してとても寛大だ。
偏見もなければ迫害されることもない。
公にしている者が多いとは言え、BL小説のように全てが上手くいくなんてことはなく。
今現在、主人公総受けという最高にハッピーな状況にはなっていない。
兆候がなかったわけではない。
俺の性欲がなくなってしまったから、相手からのアプローチに答えることができていないというだけ。
人魚さんの男性版だというのに、モテないはずがないではないか。
人魚さんに失礼だぞ。
子供達の服を脱がせ、順番に水避という水を弾く魔法をかけながら、今までにあった己の性事情やらを思い返していた。
子供を目の前にして何を考えているんだか。
ダメな大人だな。
「よーし終わり。こっちがレイ。こっちがバリーの着替えな。家帰って母ちゃんに採った魚見せてやろうな」
「うん!俺、三匹採った!」
「あたしも二匹採れたー!ママに見せるー!」
それぞれの母親から預かった服を手渡し、二人は自分が採った魚を見つめながら着替えた。
川の水を魔法で丸い形で取り出し、そこに採った魚を入れている。
バケツを持ってくるのを忘れた二人に泣きつかれ、仕方なく魔法を使って家まで運んでやるといってなんとか泣き止ませたのだ。
丸い形をした水の塊は、位置指定をしてしまえば、
「ネロー!おてて繋ご?」
「俺もつなぐー」
「はいよ」
こうして二人と手を繋ぎながらでも、俺の後をペットのようについてくる。
魔法って素晴らしい。
ヴィリロスに住みながらも親元を離れ、一人で暮らしている俺は、
「ネロー!尻尾が濡れたー!」
「川で遊んでんだから濡れるに決まってんだろ」
「後で魔法で乾かしてー!」
「はいはい。わかってるよ」
面倒見のいいお兄ちゃんというポディションについていた。
仕事の合間を縫っては、実家近くの子供達と川で遊ぶ日々。
日本のように共働きが主流の家庭では、こうして子供達を連れ出してくれる人がいるのはとても助かるのだという。
「魚!ネロ!魚取れた!」
「おー。爪で串刺しだな。すげー」
「だろー!母ちゃんに持って帰ってやろーっと!」
濡れた尻尾を左右に振り、川辺で足だけ水に入れている俺に仕留めた魚を見せてくる。
子供達とはいえ獣人。
成長とともに爪は鋭くなり、後数年もすれば俺なんて一瞬で殺せるほど強くなるのだろう。
そうなったら、近所付き合いの一環で一緒に遊んでいる好として、魔物から守ってもらおう。
この十七年でプライドというものを捨てた俺は、目の前で水遊びをしている子供達を見ながらそんなことを考えていた。
「ふぃー。濡れた濡れたー」
「ネロー。お洋服びちょびちょー」
「こらこら。女の子なんだからスカート捲らないの」
「はーい」
ここにくる前が二十三歳で、転生して十七年。
トータルするともう四十年生きている
おじさんになったな……と、最近思う。
見た目は十七歳で中身は二十三歳のはずだが、こう……なんていうのかな。
同じ年齢の人と出会っても、“子供だなー”と思ってしまうんですよ。
これをおっさんと言わずして何と言う。
だがしかし!
人魚さんの男性版という素晴らしい容姿で転生させてくれたからか、俺は晴れて処女を卒業した。
もちろん男でな。
だってゲイだし。
当たり前じゃないか。
でも現実はそんなに甘くなく、気持ちいいと思っていたセックスは予想を反していいものではなく、行為そのものに興味がなくなってしまった。
初めての相手が雑だったのか、相性が良くなかったのか、最後まですることはできたが物凄く痛かったのだ。
トラウマになるほどに。
相手の獣人は気持ちよさそうにしていたけどな。
自分だけよくなるなんてずるい。
そんな事があり、日本では性欲が強いと言われている年齢のはずだというのに、全くヤりたいという気持ちにならなくなってしまった。
未だに童貞は卒業できていないが、処女は卒業できたしもう悔いはない。
ヴィリロスは同性愛に対してとても寛大だ。
偏見もなければ迫害されることもない。
公にしている者が多いとは言え、BL小説のように全てが上手くいくなんてことはなく。
今現在、主人公総受けという最高にハッピーな状況にはなっていない。
兆候がなかったわけではない。
俺の性欲がなくなってしまったから、相手からのアプローチに答えることができていないというだけ。
人魚さんの男性版だというのに、モテないはずがないではないか。
人魚さんに失礼だぞ。
子供達の服を脱がせ、順番に水避という水を弾く魔法をかけながら、今までにあった己の性事情やらを思い返していた。
子供を目の前にして何を考えているんだか。
ダメな大人だな。
「よーし終わり。こっちがレイ。こっちがバリーの着替えな。家帰って母ちゃんに採った魚見せてやろうな」
「うん!俺、三匹採った!」
「あたしも二匹採れたー!ママに見せるー!」
それぞれの母親から預かった服を手渡し、二人は自分が採った魚を見つめながら着替えた。
川の水を魔法で丸い形で取り出し、そこに採った魚を入れている。
バケツを持ってくるのを忘れた二人に泣きつかれ、仕方なく魔法を使って家まで運んでやるといってなんとか泣き止ませたのだ。
丸い形をした水の塊は、位置指定をしてしまえば、
「ネロー!おてて繋ご?」
「俺もつなぐー」
「はいよ」
こうして二人と手を繋ぎながらでも、俺の後をペットのようについてくる。
魔法って素晴らしい。
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