33 / 34
【第四章】
時計塔の上で、思いを通わせて
しおりを挟む
駄猫、と苛立った声でジェラさんを呼ぶジャスティーンの声が、あっという間に遠くなる。
他人の指図など、魔力を取り戻したジェラさんが聞くわけがない。
「空、気持ちいいね。寒かったら、俺のローブ貸してあげる!」
リーズロッテとの接触で魔力を回復したジェラさんは、勢いよく空に飛び上がっていた。
(ジャスティーン、ごめんなさい! いまのジェラさんは少し興奮気味です! いったん二人は離れたほうがいいように思います!)
心の中で謝る。
みんなと合流する前に、ジェラさんには気持ちを落ち着かせてもらおう、と。
上へ上へと向かう中、耳元で風が鳴っていた。息苦しさを感じて、リーズロッテはジェラさんの胸元に額を寄せる。すぐに、リーズロッテを支える腕に力が込められた。決して、離すまいとするように。
その強さに、心が震える。
自分はここにいて良いのだと、安心できるのだ。足場もない空の上で、頼りになるのはいつ魔力が尽きるかわからない魔法使いひとりだというのに。
(これほど、わたくしでも誰かに大切にしてもらえるのだと感じることは、今までありませんでした)
ジェラさんは、頼りがいがあるように見えて、すぐに魔力が枯渇して猫の姿に戻ってしまう。リーズロッテがいなければ人間でいることすらできないと、ためらいなく甘えてすがってくる。
だが、ひとたび戦いとなれば、まったく容赦がない。
凶悪な美貌で挑発的な煽り文句を口にし、迫力のある存在感そのままに魔力を振るう。
うっすらと意識を保ちながら耳にした、先程の戦闘時の彼の言動を思い出して、リーズロッテは目を瞑った。
リーズロッテにとってジェラさんはかけがえのない存在であるが、決して「聖獣」という呼び名から連想されるような善性の持ち主ではない。むしろ何か邪悪に連なる存在だ。そうとわかっていても、リーズロッテはもう、彼の手を離すことはできないと確信していた。
彼が善ではないのなら、いっそう自分が気持ちを強くもってそばにいたいと思う。魔力を供給するのも絶つのも自分次第であるというのなら、大切なのはリーズロッテの心の在り方のように思うのだ。
「ジェラさん、勢いよく飛んでいますが、そんなにたくさん魔力を使って大丈夫ですか?」
「平気だって。リズがいるから。リズといると、俺は本当に、他には何もいらないんだって強く思うんだ。これほど大切な存在は今まで生きてきて何一つ、思いつかないから」
言葉のひとつひとつがまっすぐで、あたたかな光のようにリーズロッテの胸に降り注ぐ。
月と星が照らす中、リーズロッテはジェラさんを見上げた。
「わたくしも、いま同じことを考えていました」
「え?」
なぜか、びっくりしたような声をあげて、ジェラさんがリーズロッテを見下ろしてきた。
何にそこまで驚いているのかと、不思議に思いながらリーズロッテはその目を見つめ返す。
「あなたがいま口にしたのと、同じ思いです。わたくしも、今まで生きてきて、ジェラさん以上に大切だと思える存在には、出会っていません。その……、わたくしの何倍も生きているという、大魔導士さまとは言葉の重みが違うと思いますが」
離れてはいけない相手だと、自分の中で心が決まった。
「え、なに? どうしたの、リズ。俺をあんまり喜ばせないで? 俺そういうの弱いから、心が乱れて魔法がだめになるんだって……!! ああもう、危ない、どこかに下りる!!」
急にひとりで大騒ぎをはじめたジェラさんは、正面に迫っていた時計塔めがけて、加速した。
物見の部屋に穿たれた窓の枠に足をついて、勢いがついたまま中へと転がり込む。バランスを崩したジェラさんはしたたかに体を打ち付けていたが、リーズロッテを強く抱きしめたまま自分が下敷きになるように転んでいて、リーズロッテには傷一つつけまいとするようにしっかりと守っていた。
倒れたジェラさんにきつく抱きしめられたまま、リーズロッテは心臓の鼓動を聞いていた。どくどくと、激しく血が流れている音がして、これは本当に危なかったに違いない、と実感する。
(思いがけないことを言われると、集中力が切れるということでしょうか。間一髪でここにたどりついただけで、墜落の危険があったということですね……!)
魔法を行使しているときに、無闇に話しかけてはいけないと、リーズロッテは心に刻み込む。
一方、倒れたままのジェラさんは「は~~~~~~~~」と特大のため息をついていた。身動きもできないまま、リーズロッテは目を瞬く。心配になって、声をかけた。
「ジェラさん、あの、あまり落ち込まなくて良いと思いますよ。魔力枯渇のせいではないですか? 人間の姿を維持するのに魔力を使うのに、魔法戦でも大技を使ったばかりですよね? 私の痛みを取る癒やしの魔法も使ってくださいましたし、空まで飛んで」
あっ、とリーズロッテは小さな悲鳴を上げた。
下敷きになっていたジェラさんが体を起こして、体勢が変わったのだ。しっかり支えられていたのでずり落ちることこそなかったが、ジェラさんの上に座ったような状態になる。
正面から向き合ったジェラさんは、額を額にこつんとぶつけてきた。
ものすごく近い位置で、切々と語りかけてくる。
「そんなんじゃないよ。そんなの、全部忘れてた。そうじゃなくて、リズに必要だって言ってもらったのが、すごく嬉しかったんだ。俺、うまく伝えられているかわからないけど、リズに必要とされたかったんだよ。俺だけがリズのこと好きで、片思いなんだと思っていたから。好きってわかる?」
そうっと、リーズロッテは顔を離した。
近すぎてよく見えなかったジェラさんを正面から見る。ただでさえきらきらとした瞳が、いつにも増して強く輝いていた。辺りは暗いのに、そこには光があった。
「好きというのは……。わかって……いるか、自分でもわからないんですが。でも……、わかりたいとは思っています。『ジェラさんがわたくしといるのは、わたくしの魔力が必要なだけ』という理解とは、根本的に違うという意味ですよね?」
普段リーズロッテが考えがちなことだ。相手は、自分を利用したいだけだと理由をつけると、寂しいけど落ち着く。
ただ、真剣なジェラさんを見ていると、その言葉を言ってはならないということがわかる。
彼がリーズロッテに伝えたい思いは、それとは全然違うものなのだと。
「うん。そうだね、その理解とは違う。俺は欲張りだから、魔力は大切で、なくてもいいなんて本当は全然思っていない。でもリーズロッテが何かの理由で供給を絶つと言ったら、受け入れるよ。魔力だけが目的だと思われたくないから。俺の好きは、そういうんじゃないって、全身全霊をかけて示すために。それ以外のことも、たいていの無茶はきけると思う」
「あなたに、無茶を言うつもりは無いのですが……。わざわざ意地悪をして波風を立てて、ジェラさんを悲しませるようなことなんて、絶対にしたくないです。わたくしだって、ジェラさんのお役に立ちたいと思っていますし。魔法は適切に使って頂けたらと思います。それと……、離れたくないのは、好き、なので」
勇気を出して、リーズロッテは自分の思いを伝える。言ったそばから、うまく伝えるのは本当に難しいと思う。
(好き。伝わる?)
顔を上げると、視線の先でジェラさんは、凶暴なまでに鮮やかな美貌をくしゃっと歪めて、嬉しそうに笑っていた。
そして、低い声で「ありがとう」と囁きを落とし、リーズロッテを強く抱きしめて、唇に唇を重ねてきた。
他人の指図など、魔力を取り戻したジェラさんが聞くわけがない。
「空、気持ちいいね。寒かったら、俺のローブ貸してあげる!」
リーズロッテとの接触で魔力を回復したジェラさんは、勢いよく空に飛び上がっていた。
(ジャスティーン、ごめんなさい! いまのジェラさんは少し興奮気味です! いったん二人は離れたほうがいいように思います!)
心の中で謝る。
みんなと合流する前に、ジェラさんには気持ちを落ち着かせてもらおう、と。
上へ上へと向かう中、耳元で風が鳴っていた。息苦しさを感じて、リーズロッテはジェラさんの胸元に額を寄せる。すぐに、リーズロッテを支える腕に力が込められた。決して、離すまいとするように。
その強さに、心が震える。
自分はここにいて良いのだと、安心できるのだ。足場もない空の上で、頼りになるのはいつ魔力が尽きるかわからない魔法使いひとりだというのに。
(これほど、わたくしでも誰かに大切にしてもらえるのだと感じることは、今までありませんでした)
ジェラさんは、頼りがいがあるように見えて、すぐに魔力が枯渇して猫の姿に戻ってしまう。リーズロッテがいなければ人間でいることすらできないと、ためらいなく甘えてすがってくる。
だが、ひとたび戦いとなれば、まったく容赦がない。
凶悪な美貌で挑発的な煽り文句を口にし、迫力のある存在感そのままに魔力を振るう。
うっすらと意識を保ちながら耳にした、先程の戦闘時の彼の言動を思い出して、リーズロッテは目を瞑った。
リーズロッテにとってジェラさんはかけがえのない存在であるが、決して「聖獣」という呼び名から連想されるような善性の持ち主ではない。むしろ何か邪悪に連なる存在だ。そうとわかっていても、リーズロッテはもう、彼の手を離すことはできないと確信していた。
彼が善ではないのなら、いっそう自分が気持ちを強くもってそばにいたいと思う。魔力を供給するのも絶つのも自分次第であるというのなら、大切なのはリーズロッテの心の在り方のように思うのだ。
「ジェラさん、勢いよく飛んでいますが、そんなにたくさん魔力を使って大丈夫ですか?」
「平気だって。リズがいるから。リズといると、俺は本当に、他には何もいらないんだって強く思うんだ。これほど大切な存在は今まで生きてきて何一つ、思いつかないから」
言葉のひとつひとつがまっすぐで、あたたかな光のようにリーズロッテの胸に降り注ぐ。
月と星が照らす中、リーズロッテはジェラさんを見上げた。
「わたくしも、いま同じことを考えていました」
「え?」
なぜか、びっくりしたような声をあげて、ジェラさんがリーズロッテを見下ろしてきた。
何にそこまで驚いているのかと、不思議に思いながらリーズロッテはその目を見つめ返す。
「あなたがいま口にしたのと、同じ思いです。わたくしも、今まで生きてきて、ジェラさん以上に大切だと思える存在には、出会っていません。その……、わたくしの何倍も生きているという、大魔導士さまとは言葉の重みが違うと思いますが」
離れてはいけない相手だと、自分の中で心が決まった。
「え、なに? どうしたの、リズ。俺をあんまり喜ばせないで? 俺そういうの弱いから、心が乱れて魔法がだめになるんだって……!! ああもう、危ない、どこかに下りる!!」
急にひとりで大騒ぎをはじめたジェラさんは、正面に迫っていた時計塔めがけて、加速した。
物見の部屋に穿たれた窓の枠に足をついて、勢いがついたまま中へと転がり込む。バランスを崩したジェラさんはしたたかに体を打ち付けていたが、リーズロッテを強く抱きしめたまま自分が下敷きになるように転んでいて、リーズロッテには傷一つつけまいとするようにしっかりと守っていた。
倒れたジェラさんにきつく抱きしめられたまま、リーズロッテは心臓の鼓動を聞いていた。どくどくと、激しく血が流れている音がして、これは本当に危なかったに違いない、と実感する。
(思いがけないことを言われると、集中力が切れるということでしょうか。間一髪でここにたどりついただけで、墜落の危険があったということですね……!)
魔法を行使しているときに、無闇に話しかけてはいけないと、リーズロッテは心に刻み込む。
一方、倒れたままのジェラさんは「は~~~~~~~~」と特大のため息をついていた。身動きもできないまま、リーズロッテは目を瞬く。心配になって、声をかけた。
「ジェラさん、あの、あまり落ち込まなくて良いと思いますよ。魔力枯渇のせいではないですか? 人間の姿を維持するのに魔力を使うのに、魔法戦でも大技を使ったばかりですよね? 私の痛みを取る癒やしの魔法も使ってくださいましたし、空まで飛んで」
あっ、とリーズロッテは小さな悲鳴を上げた。
下敷きになっていたジェラさんが体を起こして、体勢が変わったのだ。しっかり支えられていたのでずり落ちることこそなかったが、ジェラさんの上に座ったような状態になる。
正面から向き合ったジェラさんは、額を額にこつんとぶつけてきた。
ものすごく近い位置で、切々と語りかけてくる。
「そんなんじゃないよ。そんなの、全部忘れてた。そうじゃなくて、リズに必要だって言ってもらったのが、すごく嬉しかったんだ。俺、うまく伝えられているかわからないけど、リズに必要とされたかったんだよ。俺だけがリズのこと好きで、片思いなんだと思っていたから。好きってわかる?」
そうっと、リーズロッテは顔を離した。
近すぎてよく見えなかったジェラさんを正面から見る。ただでさえきらきらとした瞳が、いつにも増して強く輝いていた。辺りは暗いのに、そこには光があった。
「好きというのは……。わかって……いるか、自分でもわからないんですが。でも……、わかりたいとは思っています。『ジェラさんがわたくしといるのは、わたくしの魔力が必要なだけ』という理解とは、根本的に違うという意味ですよね?」
普段リーズロッテが考えがちなことだ。相手は、自分を利用したいだけだと理由をつけると、寂しいけど落ち着く。
ただ、真剣なジェラさんを見ていると、その言葉を言ってはならないということがわかる。
彼がリーズロッテに伝えたい思いは、それとは全然違うものなのだと。
「うん。そうだね、その理解とは違う。俺は欲張りだから、魔力は大切で、なくてもいいなんて本当は全然思っていない。でもリーズロッテが何かの理由で供給を絶つと言ったら、受け入れるよ。魔力だけが目的だと思われたくないから。俺の好きは、そういうんじゃないって、全身全霊をかけて示すために。それ以外のことも、たいていの無茶はきけると思う」
「あなたに、無茶を言うつもりは無いのですが……。わざわざ意地悪をして波風を立てて、ジェラさんを悲しませるようなことなんて、絶対にしたくないです。わたくしだって、ジェラさんのお役に立ちたいと思っていますし。魔法は適切に使って頂けたらと思います。それと……、離れたくないのは、好き、なので」
勇気を出して、リーズロッテは自分の思いを伝える。言ったそばから、うまく伝えるのは本当に難しいと思う。
(好き。伝わる?)
顔を上げると、視線の先でジェラさんは、凶暴なまでに鮮やかな美貌をくしゃっと歪めて、嬉しそうに笑っていた。
そして、低い声で「ありがとう」と囁きを落とし、リーズロッテを強く抱きしめて、唇に唇を重ねてきた。
58
あなたにおすすめの小説
君は番じゃ無かったと言われた王宮からの帰り道、本物の番に拾われました
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ココはフラワーテイル王国と言います。確率は少ないけど、番に出会うと匂いで分かると言います。かく言う、私の両親は番だったみたいで、未だに甘い匂いがするって言って、ラブラブです。私もそんな両親みたいになりたいっ!と思っていたのに、私に番宣言した人からは、甘い匂いがしません。しかも、番じゃなかったなんて言い出しました。番婚約破棄?そんなの聞いた事無いわっ!!
打ちひしがれたライムは王宮からの帰り道、本物の番に出会えちゃいます。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
逃した番は他国に嫁ぐ
基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」
婚約者との茶会。
和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。
獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。
だから、グリシアも頷いた。
「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」
グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。
こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる