21 / 50
20話 防犯カメラ2
しおりを挟む
北条さんは持っていたタブレットを私たちの前に差し出し、画面操作を行った。
タブレットの画面には、会場の天井から映した防犯カメラ映像が映し出されていた。人々が談笑し、ワインを手にしながら行き交っている。
「この映像は、ステージ裏に向かう通路の防犯カメラよ」
香澄がピアノの席を離れ、会場中央へ向かって歩き出す姿が映る。
「ここからです」
画面を操作しながら、北条さんが静かに言った。
映像の端、少し離れた場所で、香澄の動きをじっと目で追っている玲奈がいる。
まるで次の一手を計算しているような、落ち着いた視線だった。
「彼女、ずっと香澄さんの動きを目で追っています。偶然じゃなくて、完全に狙ってますね。」
その言葉を裏付けるように、玲奈はすぐそばにいるウエイターを呼び止め、ワイングラスを受けとる。その後香澄の進行方向を指さした。
「この時、『あちらに、手を上げてワインを待っている方がいた』と彼女に言われました」
一緒に見ていたウエイターがポツリと言った。
映像のウエイターは指示された方向へと歩き、結果的に香澄のすぐ背後を歩き出した。
「それは、水城さんの真後ろにウエイターを立たせるための誘導でしょう」
ウエイターの後ろには、当然のような顔でその後をついていく玲奈。
途中、テーブルに持っていたワインを置き、人を押し退けて、足早に再度ウエイターの真後ろにつく。
そして──
「ここです」
北条さんが映像をスローモーションに切り替えた。
画面の中で、玲奈が足をもつらせた『ふり』をして、よろけながら──迷いなく、手の平でウェイターの背中を押している。
その反動でウェイターが前につんのめり、香澄に激突。トレーのワイングラスが派手に砕け散り、ふたりが同時に倒れ込んだ。
「普通なら、倒れそうになった瞬間、人は反射的に『何かを掴もうとする』んです」
北条さんは淡々と続ける。
「でも、彼女は掴まなかった。支えを求めるのではなく、真っすぐ“押した”。これは防御ではなく“加害の動作”です。つまり──故意と判断できます」
北条さんは冷静に分析した結果を話す。
映像の中で、倒れた2人を見下ろしながら、玲奈の口元がほんの一瞬だけ、ゆるむ。
「悪質ですね」
北条さんが言う。
「水城さんが倒れたことを喜んでいるようです」
その声に静かな怒りを感じた。
北条さんがタブレットの画面をしまい、深く息を吐く。ウェイターの顔は青ざめ、上司は震える手を握りしめている。香澄は目に怒りを宿していたが、口から出た言葉は冷静であった。
「私は……この件を大事にしたくない。岸谷様にも迷惑をかけたくない。岸谷様は私の後ろ盾みたいなものだから、彼の名を汚すわけにはいかないわ」
「あの……」
ウェイターの上司が、深々と頭を下げた。
「ホテル側としましては、今回の件が故意によるものだと判断された場合、対象のお客様に『絨毯等のクリーニング費用』や『破損したグラスの弁償』、それから『スタッフ対応に伴う損害』について、民事のかたちで請求させていただく方向で検討しております」
言葉を選ぶように、上司は続けた。
「お客様が『大事にしたくない』とお考えなのは、私どもも十分承知しております。ホテルとしても、不要に騒ぎ立てて信用を損なうことは避けたい。そのため、警察ではなく、あくまで『民事での対応』というのが、支配人および本社の意向です」
ホテル側として当然の対応だろう。
「会社としても、ホテル側と同じ方針よ」
北条さんは毅然とした態度で言った。
「責任者として、パーティーを台無しにしようとした行為は看過できないわ。故意と判断できる以上、相応の対応を取るつもりよ」
それは暗に、香澄が事を大きくしないようにしても無駄だということを意味していた。
それなら──
「香澄。黙って泣き寝入りなんて絶対にダメ。現にこの怪我でペダルが今、踏めないじゃない。それに、この怪我でピアノバーだって営業できなくなるかもしれない。そんなの許せないよ!」
私は香澄に玲奈と戦うように勧めた。
すると香澄は私を見つめ、小さく笑った。
笑いの中に迷いはない。
「ありがとう、美咲。大丈夫、泣き寝入りはしない。私は私のやり方でやる」
香澄が不敵な笑みを浮かべる。
「浅野玲奈が望んでいることは、要するに私たちを舞台から降ろしたい、目立たせたくないってことでしょ。だったら、玲奈が悔しがるような素晴らしい連弾を披露してやるわ」
香澄の言葉に胸が熱くなった。
「音楽で最低女のプライドをへし折ってやるってことね!いいよ。私、ペダルも全部やってやる。香澄の音、私が守るから!」
やる気でたー!
絶対成功させてやる!
「では」
北条さんの声が響いた。
「お二人の連弾が終わったのち、『浅野玲奈』という女性と、個室でキッチリ話をするということでよろしいかしら?」
全員がその場で頷いた。
「そうそう、防犯映像のマスターデータはホテル側でしっかり保全してちょうだい。浅野玲奈さんに説明の機会は与えますが、誠意が見られなければ、賠償金だけでなく、彼女の会社にも情報をリークし、誠実な対応をしてもらいましょう。それでいいですね?」
「あ、彼女は会社員ではないです」
香澄が言った。
「彼女はノーブル管弦楽団の団員です」
「ノーブル管弦楽団……」
北条さんが綺麗だけど怖い笑顔をした。
「個別の話し合いが楽しみになったわ。では、私は会社の顧問弁護士に連絡をして、準備しておきます。それから、二人の出番は一番最後に回すわ。華々しくクライマックスを飾って。浅野玲奈の鼻を
あかせてやりましょう」
「「はい!」」
「ホテル側は彼女を逃がさないように、他のスタッフに伝達を」
「わかりました」
「それから……うん」
北条さんは何かに気がついたように、部屋のドアを開けてスタッフを呼び寄せた。
「水城さん、立花さん。こちらのドレスを使ってちょうだい」
マネキンが5体運び込まれた。各々見るからに質が良さそうなドレスだ。思わず「すごい……」と言葉がこぼれた。
「このような素敵なドレスをお借りするのは気が引けます……」
香澄がそういうと、北条さんが香澄の手を握った。
「水城さん。いえ、香澄さんと呼ばせてもらえないかしら」
「え?あっ、はい」
「香澄さん。私、あなたの演奏に惚れてしまったの。オープニングの曲。とても良かったわ。本当に素敵だった。それなのに、こんな卑怯な手を使う人に腹が立っているの。あなたたちの『音楽でぶん殴る』は最高にカッコいいわ!私のドレスがあなたたちの演奏に花を添えることができるなら、こんなに嬉しいことはないの。お願い」
真剣な北条さんに気圧された香澄は、少し驚いた表情をしたが、ニコッと笑って「そう言っていただけて嬉しいです。わかりました。ドレス、お借りします」と答えた。
一見冷たく見える北条さんは、雪解けに咲く花のように、素敵な微笑みを浮かべた。
「心を込めて弾きます。ね、美咲」
「はい。二人で最高の演奏を奏でます」
北条さんが用意してくれたドレスは、ただの衣装じゃない。「私があなたたちの味方よ」という宣言だった。
支えてくれる人がいる。信じてくれる人がいる。
だったら、負ける理由なんてどこにもない。
玲奈が仕掛けた一手は、人としていちばん安っぽい。
私たちが返すのは、音で作る“本物の一撃”だ。
タブレットの画面には、会場の天井から映した防犯カメラ映像が映し出されていた。人々が談笑し、ワインを手にしながら行き交っている。
「この映像は、ステージ裏に向かう通路の防犯カメラよ」
香澄がピアノの席を離れ、会場中央へ向かって歩き出す姿が映る。
「ここからです」
画面を操作しながら、北条さんが静かに言った。
映像の端、少し離れた場所で、香澄の動きをじっと目で追っている玲奈がいる。
まるで次の一手を計算しているような、落ち着いた視線だった。
「彼女、ずっと香澄さんの動きを目で追っています。偶然じゃなくて、完全に狙ってますね。」
その言葉を裏付けるように、玲奈はすぐそばにいるウエイターを呼び止め、ワイングラスを受けとる。その後香澄の進行方向を指さした。
「この時、『あちらに、手を上げてワインを待っている方がいた』と彼女に言われました」
一緒に見ていたウエイターがポツリと言った。
映像のウエイターは指示された方向へと歩き、結果的に香澄のすぐ背後を歩き出した。
「それは、水城さんの真後ろにウエイターを立たせるための誘導でしょう」
ウエイターの後ろには、当然のような顔でその後をついていく玲奈。
途中、テーブルに持っていたワインを置き、人を押し退けて、足早に再度ウエイターの真後ろにつく。
そして──
「ここです」
北条さんが映像をスローモーションに切り替えた。
画面の中で、玲奈が足をもつらせた『ふり』をして、よろけながら──迷いなく、手の平でウェイターの背中を押している。
その反動でウェイターが前につんのめり、香澄に激突。トレーのワイングラスが派手に砕け散り、ふたりが同時に倒れ込んだ。
「普通なら、倒れそうになった瞬間、人は反射的に『何かを掴もうとする』んです」
北条さんは淡々と続ける。
「でも、彼女は掴まなかった。支えを求めるのではなく、真っすぐ“押した”。これは防御ではなく“加害の動作”です。つまり──故意と判断できます」
北条さんは冷静に分析した結果を話す。
映像の中で、倒れた2人を見下ろしながら、玲奈の口元がほんの一瞬だけ、ゆるむ。
「悪質ですね」
北条さんが言う。
「水城さんが倒れたことを喜んでいるようです」
その声に静かな怒りを感じた。
北条さんがタブレットの画面をしまい、深く息を吐く。ウェイターの顔は青ざめ、上司は震える手を握りしめている。香澄は目に怒りを宿していたが、口から出た言葉は冷静であった。
「私は……この件を大事にしたくない。岸谷様にも迷惑をかけたくない。岸谷様は私の後ろ盾みたいなものだから、彼の名を汚すわけにはいかないわ」
「あの……」
ウェイターの上司が、深々と頭を下げた。
「ホテル側としましては、今回の件が故意によるものだと判断された場合、対象のお客様に『絨毯等のクリーニング費用』や『破損したグラスの弁償』、それから『スタッフ対応に伴う損害』について、民事のかたちで請求させていただく方向で検討しております」
言葉を選ぶように、上司は続けた。
「お客様が『大事にしたくない』とお考えなのは、私どもも十分承知しております。ホテルとしても、不要に騒ぎ立てて信用を損なうことは避けたい。そのため、警察ではなく、あくまで『民事での対応』というのが、支配人および本社の意向です」
ホテル側として当然の対応だろう。
「会社としても、ホテル側と同じ方針よ」
北条さんは毅然とした態度で言った。
「責任者として、パーティーを台無しにしようとした行為は看過できないわ。故意と判断できる以上、相応の対応を取るつもりよ」
それは暗に、香澄が事を大きくしないようにしても無駄だということを意味していた。
それなら──
「香澄。黙って泣き寝入りなんて絶対にダメ。現にこの怪我でペダルが今、踏めないじゃない。それに、この怪我でピアノバーだって営業できなくなるかもしれない。そんなの許せないよ!」
私は香澄に玲奈と戦うように勧めた。
すると香澄は私を見つめ、小さく笑った。
笑いの中に迷いはない。
「ありがとう、美咲。大丈夫、泣き寝入りはしない。私は私のやり方でやる」
香澄が不敵な笑みを浮かべる。
「浅野玲奈が望んでいることは、要するに私たちを舞台から降ろしたい、目立たせたくないってことでしょ。だったら、玲奈が悔しがるような素晴らしい連弾を披露してやるわ」
香澄の言葉に胸が熱くなった。
「音楽で最低女のプライドをへし折ってやるってことね!いいよ。私、ペダルも全部やってやる。香澄の音、私が守るから!」
やる気でたー!
絶対成功させてやる!
「では」
北条さんの声が響いた。
「お二人の連弾が終わったのち、『浅野玲奈』という女性と、個室でキッチリ話をするということでよろしいかしら?」
全員がその場で頷いた。
「そうそう、防犯映像のマスターデータはホテル側でしっかり保全してちょうだい。浅野玲奈さんに説明の機会は与えますが、誠意が見られなければ、賠償金だけでなく、彼女の会社にも情報をリークし、誠実な対応をしてもらいましょう。それでいいですね?」
「あ、彼女は会社員ではないです」
香澄が言った。
「彼女はノーブル管弦楽団の団員です」
「ノーブル管弦楽団……」
北条さんが綺麗だけど怖い笑顔をした。
「個別の話し合いが楽しみになったわ。では、私は会社の顧問弁護士に連絡をして、準備しておきます。それから、二人の出番は一番最後に回すわ。華々しくクライマックスを飾って。浅野玲奈の鼻を
あかせてやりましょう」
「「はい!」」
「ホテル側は彼女を逃がさないように、他のスタッフに伝達を」
「わかりました」
「それから……うん」
北条さんは何かに気がついたように、部屋のドアを開けてスタッフを呼び寄せた。
「水城さん、立花さん。こちらのドレスを使ってちょうだい」
マネキンが5体運び込まれた。各々見るからに質が良さそうなドレスだ。思わず「すごい……」と言葉がこぼれた。
「このような素敵なドレスをお借りするのは気が引けます……」
香澄がそういうと、北条さんが香澄の手を握った。
「水城さん。いえ、香澄さんと呼ばせてもらえないかしら」
「え?あっ、はい」
「香澄さん。私、あなたの演奏に惚れてしまったの。オープニングの曲。とても良かったわ。本当に素敵だった。それなのに、こんな卑怯な手を使う人に腹が立っているの。あなたたちの『音楽でぶん殴る』は最高にカッコいいわ!私のドレスがあなたたちの演奏に花を添えることができるなら、こんなに嬉しいことはないの。お願い」
真剣な北条さんに気圧された香澄は、少し驚いた表情をしたが、ニコッと笑って「そう言っていただけて嬉しいです。わかりました。ドレス、お借りします」と答えた。
一見冷たく見える北条さんは、雪解けに咲く花のように、素敵な微笑みを浮かべた。
「心を込めて弾きます。ね、美咲」
「はい。二人で最高の演奏を奏でます」
北条さんが用意してくれたドレスは、ただの衣装じゃない。「私があなたたちの味方よ」という宣言だった。
支えてくれる人がいる。信じてくれる人がいる。
だったら、負ける理由なんてどこにもない。
玲奈が仕掛けた一手は、人としていちばん安っぽい。
私たちが返すのは、音で作る“本物の一撃”だ。
87
あなたにおすすめの小説
私と幼馴染と十年間の婚約者
川村 あかり
恋愛
公爵令嬢ロゼリアは、王子アルベルトとの婚約を結んでいるが、彼の心は無自覚に幼馴染のミナに奪われていた。ミナの魔法【魅了】が無意識に周りの男性を狂わせ、アルベルトもその例外ではない。
それぞれが生まれつき得意な魔法があり、ロゼリアは見たものや聞いたものを完璧に記録できる【記録・再生】の魔法を持ち、二人の関係に耐えきれず胃の痛みに悩む日々。そんな中、彼女の唯一の理解者の冷静沈着なキースや毒舌のマリーが心の支えとなる。
アルベルトの側近であるガストンは、魔法【増幅】で騒動を盛り上げる一方、ミナの友人リリィは【幻影】の魔法を使ってロゼリアを貶めようと画策する。
婚約者と幼馴染の行動に振り回されるロゼリア。魔法が絡んだ恋愛模様の中で、彼女は本当の愛を見つけられるのか?
侯爵令嬢ソフィアの結婚
今野綾
恋愛
ソフィアは希少なグリーンアイを持つヴィンセントと結婚した。これは金が欲しい父の思惑と、高い爵位が欲しいヴィンセントの思惑が一致したからに過ぎない。
そもそもヴィンセントには恋人がいて、その恋人は身分に大きな差があるために結婚することは叶わないのだ。
結婚して早々、ソフィアは実家から連れてきた侍女夫婦とあばら屋に住むように言われて……
表紙はかなさんのファンアートです✨
ありがとうございます😊
2024.07.05
悪役令嬢と誤解され冷遇されていたのに、目覚めたら夫が豹変して求愛してくるのですが?
いりん
恋愛
初恋の人と結婚できたーー
これから幸せに2人で暮らしていける…そう思ったのに。
「私は夫としての務めを果たすつもりはない。」
「君を好きになることはない。必要以上に話し掛けないでくれ」
冷たく拒絶され、離婚届けを取り寄せた。
あと2週間で届くーーそうしたら、解放してあげよう。
ショックで熱をだし寝込むこと1週間。
目覚めると夫がなぜか豹変していて…!?
「君から話し掛けてくれないのか?」
「もう君が隣にいないのは考えられない」
無口不器用夫×優しい鈍感妻
すれ違いから始まる両片思いストーリー
夫と愛し合った翌朝、一方的に離縁されました【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
美しい公爵夫人マルグリートは、冷徹な夫ディートリヒと共に、王国の裏で密かに任務をこなす“悪女”。
だがある日、突然夫から離婚を言い渡される。しかもその裏には、平民の愛人の存在が──。
失意の中、王命で新たな婚約者・エルンストと結ばれることに。
どうやら今回の離婚再婚は、王家の陰謀があるよう。
「悪女に、遠慮はいらない」
そう決意した彼女は、華やかな舞踏会で王に真っ向から言い放つ。
「わたくし、人の家庭を壊しておきながら悪びれない方に、下げる頭は持っていませんの。
王族であられる前に、人におなりくださいませ。……失礼」
愛も、誇りも奪われたなら──
今度はこの手で、すべてを取り戻すだけ。
裏切りに燃える、痛快リベンジ・ロマンス!
⚠️本作は AI の生成した文章を一部に使っています。タイトル変えました。コメディーです。主人公は悪女です。
その眼差しは凍てつく刃*冷たい婚約者にウンザリしてます*
音爽(ネソウ)
恋愛
義妹に優しく、婚約者の令嬢には極寒対応。
塩対応より下があるなんて……。
この婚約は間違っている?
*2021年7月完結
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
その結婚は、白紙にしましょう
香月まと
恋愛
リュミエール王国が姫、ミレナシア。
彼女はずっとずっと、王国騎士団の若き団長、カインのことを想っていた。
念願叶って結婚の話が決定した、その夕方のこと。
浮かれる姫を前にして、カインの口から出た言葉は「白い結婚にとさせて頂きたい」
身分とか立場とか何とか話しているが、姫は急速にその声が遠くなっていくのを感じる。
けれど、他でもない憧れの人からの嘆願だ。姫はにっこりと笑った。
「分かりました。その提案を、受け入れ──」
全然受け入れられませんけど!?
形だけの結婚を了承しつつも、心で号泣してる姫。
武骨で不器用な王国騎士団長。
二人を中心に巻き起こった、割と短い期間のお話。
【完結】本日、私の妹のことが好きな婚約者と結婚いたしました
音芽 心
恋愛
私は今日、幼い頃から大好きだった人と結婚式を挙げる。
____私の妹のことが昔から好きな婚約者と、だ。
だから私は決めている。
この白い結婚を一年で終わらせて、彼を解放してあげることを。
彼の気持ちを直接聞いたことはないけれど……きっとその方が、彼も喜ぶだろうから。
……これは、恋を諦めていた令嬢が、本当の幸せを掴むまでの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる