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五
42話 カミングアウト
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「あら、恋くん~!来てくれてありがとう!相変わらず可愛いわね~。」
店に着くとすぐに赤城の母親は二人に気付き近寄って声をかけた。
「これ今日作ったの!よかったら貰ってくれる?」
「はい、もちろんです!ありがとうございます!...綺麗なお花ですね。」
嬉しそうに花を見て微笑む恋に赤城の母親は満面の笑みを浮かべてお店の中を案内した。
早く帰りたそうにする赤城を気にも留めず、赤城の母親は恋の手を引いてお店の中を回った。
「素敵なお店ですね。」
「そう言ってもらえて嬉しい。恋くんのお家もここの最寄りが乗り換えなんでしょ?今度時間空いた時はいつでも来てね!」
「もういいから。用済んだなら俺らもう行くよ、この後行くところあるんだわ。」
「あらそうだったの!引き止めてごめんなさいね。また泊まりにもきてね!」
赤城は恋の肩を掴んで自身の方に寄せてそのまま足速に店を出た。
「赤城?この後どこ行くの?」
「んー...どこ行きたい?」
恋は赤城の返答に驚いて困惑した。そんな様子を見て赤城は悪戯に笑って恋の頬を優しく撫でた。
「予定はないよ。二人で話がしたかっただけ。」
そう言う赤城の顔を見て恋は恥ずかしそうに顔を赤くした。
「僕も...赤城と二人で話したかったから、嬉しい。」
恋が言葉を聞いた赤城は笑って「そっか。」と言い、恋を連れて家に向かった。
「ねぇね赤城、このお花ってなんて言うお花なの?」
部屋着に着替えて戻って来た赤城に、貰ったドライフラワーを嬉しそうに眺めながら恋が聞いた。
「あー、それはスターチスって言う花だよ。」
「へぇー!初めて聞いた......。これはどんな意味があるお花なの?」
「変わらない気持ちとかそんな感じの意味だった気がする。んでピンクは永久に、みたいな意味もってた気がするよ。」
説明する赤城の顔を見て、恋は頷いて真剣に話を聞いた。
「そ...っか。」
少し悩むような仕草を見せる恋を見て赤城は隣に座って手を握った。
「どうかしたの?」
「あ...いや、えっと......。僕さ、赤城のこと家族だと姉ちゃんにしか言ってなくて...でも赤城は家族に僕のこと紹介してくれてるでしょ?だから僕も...家族に言ってみようかなって......。」
不安そうに話す恋のことを優しい目で見ていた赤城は「上乗って。」と言って、恋を自分の膝の上に乗せた。そして下を向く恋の顎を持ってそのまま軽いキスを交わした。
「そんなこと考えてくれてたの?嬉しい。」
「うん......でも前も言ったけど家族あんな感じだから。もしかしたら受け入れてもらえないかも。もしそうなったら僕...。」
悲しそうな顔で話をする恋を安心させるように赤城が恋の頭を撫でて「大丈夫だよ。」と宥めた。
「そん時は認めてもらえるように俺がなんとかすればいいんだから。恋が気にするようなことじゃないよ。」
その赤城の言葉を聞いて恋は深い呼吸をしてそのまま赤城の身体に身を委ねた。
「ありがと...赤城、すき。」
「うん。俺も好きだよ。可愛いね、いい子だねぇ。」
赤城は恋のワイシャツのボタンを一つ開けて首元に残る痕を嬉しそうに見つめた。
「あんまこうやってキスマーク残される嫌?」
「んーん、嫌じゃないそれに...。」
「それに?」
耳を赤くして羞じらう恋の顔を一直線に見た。
「...お風呂で鏡見た時とか映るの見て嬉しいの。赤城のって感じがしてニヤけちゃう。」
「びっくりした...突然可愛いの辞めてよ、心臓に悪い。そんな風に思ってくれてたの。」
「うん...だからまた消えちゃったらつけて欲しい。消えちゃうのやだ。」
赤城は恋の発言に頭を抱えた。
「赤城、ごめん嫌だった?」
「いや違うそうじゃない。正直になってほしいって言ったの紛れもなく俺なんだけど、いざ本当に素直な恋を目の前にしたらやばい。悶死しそう。破壊力ありすぎる...可愛いが過ぎるわ。」
赤城の言葉に困惑しつつも恋は小っ恥ずかしそうに笑った。
赤城に最寄り駅まで送ってもらい家に帰ると、恋は自分の部屋に赤城の母親からもらったドライフラワーを飾った。
うっとり眺めているとドアをノックして美鈴が入って来た。
「れんれん~!赤城くんから聞いたけど体調は大丈夫!?もう治ったの?」
「あ、姉ちゃん。ただいま...うん、もう大丈夫。赤城と色々あってね......その事で考えすぎて出た熱だったの。だから解決したらすぐ治ったよ。」
「そうだったの?何があったー!」
積極的に話を聞きたそうに美鈴が恋の部屋に入ってくると恋は渋々、事のあらましを話した。
「......って感じで僕が悪かったんだけど赤城は全然怒ることなく許してくれたし、それがきっかけなのかはわからないけど赤城と仲良い友達のことも知れたから...嬉しかった。」
「へぇ~、そんなことがあったんだ!でもちゃんと話し合えて良かったね!それに~?」
美鈴はニヤニヤしながら恋の首元を見ると首を傾げる恋のそばに寄って耳元で囁いた。
「昨日はアツアツだったみたいだし~?」
そう言って恋の首をツンツンするとハッとし、恋が顔を真っ赤にして美鈴を見た。そのタイミングで母に声をかけられて恋は慌てて首を隠した。
「れんちゃん帰ってきたの?おかえりなさい...あれ、そのお花どうしたの?」
「ただいま...あ、これは......。」
恋と母の顔を交互に見る美鈴を横目で見てから恋は決心したように小さく頷いて口を開いた。
「今付き合ってる人のお母さんから頂いたんだ。」
恋の言葉に美鈴は驚いた。しかしすぐに恋の意図を理解し少し微笑んで母の方を見た。それに合わせるように恋もまた美鈴を見た。
その一瞬で母になんと言われるか色々考えた。否定されるか...でももしかしたらもう前ほどは僕に対して恋愛をしてほしくないと思っていなくて受け入れてもらえるかもしれない。
そんなことも思いながらゆっくり顔を向けるとそこには何も言わずただ僕の顔を軽蔑したように見る母の姿があった。そして少しの間三人の中には沈黙が流れてその後母は何も言うことなく無言で部屋から出ていった。
落ち込む恋を見て美鈴は心配そうに顔を曇らせ「れんれん大丈夫...!お姉ちゃんがなんとかするから、気にしないんだよ!」と声をかけて部屋から出ていった。
二人が出ていくと恋はベットに座りそのまま横に倒れた。そして携帯を開くと赤城にL◯NEをした。赤城からはすぐに連絡が返ってきて、その赤城からの提案で電話をすることになり、寝る前に話をした。
正直、この赤城の心遣いにめちゃくちゃ安心した。
と言うのも、あの後の夜ご飯の時もリビングで過ごしている時も一度も母は僕に声をかけて来なかった。それどころか僕と過ごす時間を避けているようにも思えた。よほど僕のことが許せないんだろう。
でも今の僕はそれで折れてしまうほど弱い人間じゃない。それに姉ちゃんだって僕の味方でいてくれている、もちろん赤城も。
認めてもらえるかわからない。でも隠して付き合っているのは悪いことなんて何もしていないのにしているようで嫌な気がするから...。
赤城の母親から貰ったあの花はきっとそう言う意味でもあると僕は思う。
母がどう思うかはわからないけど、どう言われたとしても僕の赤城への気持ちは変わらない。永久に。
だから今は胸を張って赤城のことを僕は紹介できるよ。
とても素敵な僕の恋人だって。
------------------------------------------------------------------
※ここからは物語とは異なる内容となります。ご了承ください。
☑︎お知らせ
明日からこの物語のスピンオフストーリーとなります“ノンフィクション”の投稿を始めます。それに伴い、こちらの物語の更新が1日空いたりすることもありますが、引き続き描いていきますのでよろしくお願いします。
併せまして、スピンオフストーリーも是非見て頂けると嬉しいです。
店に着くとすぐに赤城の母親は二人に気付き近寄って声をかけた。
「これ今日作ったの!よかったら貰ってくれる?」
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嬉しそうに花を見て微笑む恋に赤城の母親は満面の笑みを浮かべてお店の中を案内した。
早く帰りたそうにする赤城を気にも留めず、赤城の母親は恋の手を引いてお店の中を回った。
「素敵なお店ですね。」
「そう言ってもらえて嬉しい。恋くんのお家もここの最寄りが乗り換えなんでしょ?今度時間空いた時はいつでも来てね!」
「もういいから。用済んだなら俺らもう行くよ、この後行くところあるんだわ。」
「あらそうだったの!引き止めてごめんなさいね。また泊まりにもきてね!」
赤城は恋の肩を掴んで自身の方に寄せてそのまま足速に店を出た。
「赤城?この後どこ行くの?」
「んー...どこ行きたい?」
恋は赤城の返答に驚いて困惑した。そんな様子を見て赤城は悪戯に笑って恋の頬を優しく撫でた。
「予定はないよ。二人で話がしたかっただけ。」
そう言う赤城の顔を見て恋は恥ずかしそうに顔を赤くした。
「僕も...赤城と二人で話したかったから、嬉しい。」
恋が言葉を聞いた赤城は笑って「そっか。」と言い、恋を連れて家に向かった。
「ねぇね赤城、このお花ってなんて言うお花なの?」
部屋着に着替えて戻って来た赤城に、貰ったドライフラワーを嬉しそうに眺めながら恋が聞いた。
「あー、それはスターチスって言う花だよ。」
「へぇー!初めて聞いた......。これはどんな意味があるお花なの?」
「変わらない気持ちとかそんな感じの意味だった気がする。んでピンクは永久に、みたいな意味もってた気がするよ。」
説明する赤城の顔を見て、恋は頷いて真剣に話を聞いた。
「そ...っか。」
少し悩むような仕草を見せる恋を見て赤城は隣に座って手を握った。
「どうかしたの?」
「あ...いや、えっと......。僕さ、赤城のこと家族だと姉ちゃんにしか言ってなくて...でも赤城は家族に僕のこと紹介してくれてるでしょ?だから僕も...家族に言ってみようかなって......。」
不安そうに話す恋のことを優しい目で見ていた赤城は「上乗って。」と言って、恋を自分の膝の上に乗せた。そして下を向く恋の顎を持ってそのまま軽いキスを交わした。
「そんなこと考えてくれてたの?嬉しい。」
「うん......でも前も言ったけど家族あんな感じだから。もしかしたら受け入れてもらえないかも。もしそうなったら僕...。」
悲しそうな顔で話をする恋を安心させるように赤城が恋の頭を撫でて「大丈夫だよ。」と宥めた。
「そん時は認めてもらえるように俺がなんとかすればいいんだから。恋が気にするようなことじゃないよ。」
その赤城の言葉を聞いて恋は深い呼吸をしてそのまま赤城の身体に身を委ねた。
「ありがと...赤城、すき。」
「うん。俺も好きだよ。可愛いね、いい子だねぇ。」
赤城は恋のワイシャツのボタンを一つ開けて首元に残る痕を嬉しそうに見つめた。
「あんまこうやってキスマーク残される嫌?」
「んーん、嫌じゃないそれに...。」
「それに?」
耳を赤くして羞じらう恋の顔を一直線に見た。
「...お風呂で鏡見た時とか映るの見て嬉しいの。赤城のって感じがしてニヤけちゃう。」
「びっくりした...突然可愛いの辞めてよ、心臓に悪い。そんな風に思ってくれてたの。」
「うん...だからまた消えちゃったらつけて欲しい。消えちゃうのやだ。」
赤城は恋の発言に頭を抱えた。
「赤城、ごめん嫌だった?」
「いや違うそうじゃない。正直になってほしいって言ったの紛れもなく俺なんだけど、いざ本当に素直な恋を目の前にしたらやばい。悶死しそう。破壊力ありすぎる...可愛いが過ぎるわ。」
赤城の言葉に困惑しつつも恋は小っ恥ずかしそうに笑った。
赤城に最寄り駅まで送ってもらい家に帰ると、恋は自分の部屋に赤城の母親からもらったドライフラワーを飾った。
うっとり眺めているとドアをノックして美鈴が入って来た。
「れんれん~!赤城くんから聞いたけど体調は大丈夫!?もう治ったの?」
「あ、姉ちゃん。ただいま...うん、もう大丈夫。赤城と色々あってね......その事で考えすぎて出た熱だったの。だから解決したらすぐ治ったよ。」
「そうだったの?何があったー!」
積極的に話を聞きたそうに美鈴が恋の部屋に入ってくると恋は渋々、事のあらましを話した。
「......って感じで僕が悪かったんだけど赤城は全然怒ることなく許してくれたし、それがきっかけなのかはわからないけど赤城と仲良い友達のことも知れたから...嬉しかった。」
「へぇ~、そんなことがあったんだ!でもちゃんと話し合えて良かったね!それに~?」
美鈴はニヤニヤしながら恋の首元を見ると首を傾げる恋のそばに寄って耳元で囁いた。
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「れんちゃん帰ってきたの?おかえりなさい...あれ、そのお花どうしたの?」
「ただいま...あ、これは......。」
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恋の言葉に美鈴は驚いた。しかしすぐに恋の意図を理解し少し微笑んで母の方を見た。それに合わせるように恋もまた美鈴を見た。
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そんなことも思いながらゆっくり顔を向けるとそこには何も言わずただ僕の顔を軽蔑したように見る母の姿があった。そして少しの間三人の中には沈黙が流れてその後母は何も言うことなく無言で部屋から出ていった。
落ち込む恋を見て美鈴は心配そうに顔を曇らせ「れんれん大丈夫...!お姉ちゃんがなんとかするから、気にしないんだよ!」と声をかけて部屋から出ていった。
二人が出ていくと恋はベットに座りそのまま横に倒れた。そして携帯を開くと赤城にL◯NEをした。赤城からはすぐに連絡が返ってきて、その赤城からの提案で電話をすることになり、寝る前に話をした。
正直、この赤城の心遣いにめちゃくちゃ安心した。
と言うのも、あの後の夜ご飯の時もリビングで過ごしている時も一度も母は僕に声をかけて来なかった。それどころか僕と過ごす時間を避けているようにも思えた。よほど僕のことが許せないんだろう。
でも今の僕はそれで折れてしまうほど弱い人間じゃない。それに姉ちゃんだって僕の味方でいてくれている、もちろん赤城も。
認めてもらえるかわからない。でも隠して付き合っているのは悪いことなんて何もしていないのにしているようで嫌な気がするから...。
赤城の母親から貰ったあの花はきっとそう言う意味でもあると僕は思う。
母がどう思うかはわからないけど、どう言われたとしても僕の赤城への気持ちは変わらない。永久に。
だから今は胸を張って赤城のことを僕は紹介できるよ。
とても素敵な僕の恋人だって。
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