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三
32話 恋人の家族
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初めて踏み入る新山さんの家と今日初めて会うであろう新山さんの家族。元より兼ね備えている人見知りの短所も相まって胸が高鳴った。
そんなおれとは反対に、新山さんはコンビニで買い物をしている時から終始機嫌がいい。
不思議に思ったおれがなんでそんなに楽しそうなのか、と聞くと新山さんは「帰るのは憂鬱だったけど千隼くんがいてくれるなら嬉しいが勝る。」と子供みたいにはしゃいで言っていた。
鍵を開けて家に入ると一番奥の部屋が明るく電気がついているのが見えた。恐らくあそこがリビングなんだろうと考えていると新山さんはおれの手を引いてその部屋に入っていった。
ソファに腰をかけていたお父さんはおれと新山さんを見て驚いた顔をしたけれどすぐに状況を理解したのかおれに向かって「いらっしゃい、ゆっくりしていってね。」と優しい声をかけた。
「って事だから今日は話し合い無理。また明日以降で時間ある時にすればいいっしょ?」
ぎこちない新山さん問いかけに父親は、パッと顔を上げて嬉しそうに「そうかそうか!明日以降...そうだな!」と返していた。きっとしばらく帰ってこなかった新山さんが遠回しに明日以降は帰ってくるを言うことを言ったのに対しての反応なんだろうとおれは思った。
そしてなんとなく話しておいた方がいい気がして自分の部屋に行こうと言った新山さんを止めて父親に話しかけた。
「あ、あの...ここ数日、新山さんおれ家に泊まってたんです。その...言うの遅くなってすみません。いつも新山さんに良くして頂いてる佐々木千隼って言います。」
千隼が小さくお辞儀をすると驚いた様子で父親はぽかんと口を開けたまま動きを止めた。そこにお風呂から上がった愛美がリビングに入ってくると、その静まり返った空気に理解ができないまま父親の隣にそっと座った。
「え、何...どう言う感じなにこれ。...っと...、その人お兄ちゃんの友達?」
全員が黙っている雰囲気に耐えきれず愛美がそう聞くと新山は「違うよ。」とだけ返した。
その返答に愛美が首を傾げながら難しい顔をしているとしばらく黙っていた父親が口を開いた。
「いや、申し訳ない...。秋冬の友達...知り合いにしては随分と礼儀がしっかりしていて驚いて言葉が出なかったんだ。君とてもいい子だね、私は秋冬の父親だ、そう畏まらないでくれ。」
申し訳なさそうに頭を掻きながら笑みを浮かべる父親の言葉を聞いて安心したように千隼は肩の力を抜いた。その後で思い出したように隣で呑気にコンビニで買ったお茶を飲んでいた新山に千隼は話しかけた。
「...挨拶しただけでいい子って言ってもらえたんだけど新山さん、普段どんな人たちと仲良くしてるの...。普通に心配になるわ。」
「いやいや、マジに普通の友達としかおれ絡んでないよ。君のお兄さんみたいな感じの面ばっかりよ。」
「なら余計心配だわ。あれの同族って結構重傷だよ、今すぐに縁切るのおすすめするわ。」
緊張が解けたのか、素で話をし始めた千隼に思わず新山がクスッと笑うとその様子を見ていた父親と愛美は温かい顔で二人を見守った。
「別に縁を切るのは全然いいけどその場合千隼くんがそいつらの分、俺のそばにいてもらう感じになるけど大丈夫そう?」
「...今でもおれの中では歴代最高で会ってる頻度多い方だけどこれ以上ってこと?おれはいいけど新山さん飽きそうじゃん。」
「本気で全然、全く。微塵も飽きるとかないし毎日会いたいしむしろ日に日に愛増してく一方すぎて困ってr...。」
ここまできてやっと冷静になった千隼は近くに恋人の父親と妹がいる事を思い出し顔を赤くしながら新山の口に手を当てた。しかし時既に遅く、目を丸くして見ていた父親と愛美は顔を見合わせた。
やってしまったと後悔していた千隼を見て新山は口に当てられた千隼の手を握って「俺の部屋行こう?」と声をかけた。
今この状況に耐えるよりもそっちの方がマシだと思った千隼が小さく頷くと新山は千隼を連れてリビングから去ろうとした。入り口付近で一度立ち止まるとそっと後ろを振り返り父親と愛美に話しかけた。
「あ、そうそう。これから自室で恋人と仲良くしてるんで...部屋開ける時はちゃんとノックしてからにしてね。」
その問いかけに対して愛美は「はいよー!」と普通に返事を返し、父親は無言で頷いた。
部屋に着くと千隼は興奮状態が抑えきれず、身振り手振りを激しく動かした。
「なんで!!なんでそんなにしれっと家族に言えちゃうの!今気まずい雰囲気だって感じあったじゃん!絶対引かれただろうし反応困ってたし...気使ってくれたのかもだけど、おれは全然友達って紹介してくれても良かったのに。」
二人になった途端に感情をわかりやすく表に出した千隼を見て新山は笑った。
「嫌だった?家族に言われんの。だとしたらごめん。」
「いやっ!そうじゃなくてさ...。おれは全然いいんだって、むしろ言ってくれて嬉しかったし。でもこれから毎日顔合わせる新山さんからしたら嫌じゃない...?みんながみんな受け入れてくれると限らないし、もし家族がそのパターンだったら...。」
語尾をモゴモゴと濁らせながら話した千隼のことをベットに誘うと、千隼は手を引かれて一緒にベットに座った。
「千隼が嫌じゃないならよかった。俺は全然嫌じゃない。むしろ付き合ってるのを周りに隠しておきたくないと思ってるし何もやましいことないじゃん。だからガンガン俺の恋人だって紹介していきたいと思ってるよ。もちろん、千隼が嫌だって言うなら行動控えるけどさ。」
優しい声と優しい口調で話す新山に千隼は落ち着きを取り戻した。新山の方に顔を向けた千隼は無言でそっと新山の膝の上に跨ると首に手を回してキスをした。
「......する。」
大胆な千隼の行動に驚きつつも新山は「うん。」と返すと千隼をベットに寝かせた後で部屋の鍵を閉めた。
「で、でもっ...家族まだ起きてるからもう少し後でも...。」
「俺の向かい母さんの部屋だけど、母さんもう寝てるし隣の部屋の妹はこの時間いつもイヤホンで音楽聴きながら漫画読んでるよ。」
低く冷たい声でそう言った新山のことをまっすぐに見ていた千隼は、防御として抑えていた服のボタンから手を離した。そんな千隼のこと愛おしそうな目で見た新山は服にボタンを外しながら千隼の首筋にキスをし千隼の腰を軽く浮かせお尻辺りに手を当てた。
「今日はこっちも良くしたいんだけどいい?」
そんなおれとは反対に、新山さんはコンビニで買い物をしている時から終始機嫌がいい。
不思議に思ったおれがなんでそんなに楽しそうなのか、と聞くと新山さんは「帰るのは憂鬱だったけど千隼くんがいてくれるなら嬉しいが勝る。」と子供みたいにはしゃいで言っていた。
鍵を開けて家に入ると一番奥の部屋が明るく電気がついているのが見えた。恐らくあそこがリビングなんだろうと考えていると新山さんはおれの手を引いてその部屋に入っていった。
ソファに腰をかけていたお父さんはおれと新山さんを見て驚いた顔をしたけれどすぐに状況を理解したのかおれに向かって「いらっしゃい、ゆっくりしていってね。」と優しい声をかけた。
「って事だから今日は話し合い無理。また明日以降で時間ある時にすればいいっしょ?」
ぎこちない新山さん問いかけに父親は、パッと顔を上げて嬉しそうに「そうかそうか!明日以降...そうだな!」と返していた。きっとしばらく帰ってこなかった新山さんが遠回しに明日以降は帰ってくるを言うことを言ったのに対しての反応なんだろうとおれは思った。
そしてなんとなく話しておいた方がいい気がして自分の部屋に行こうと言った新山さんを止めて父親に話しかけた。
「あ、あの...ここ数日、新山さんおれ家に泊まってたんです。その...言うの遅くなってすみません。いつも新山さんに良くして頂いてる佐々木千隼って言います。」
千隼が小さくお辞儀をすると驚いた様子で父親はぽかんと口を開けたまま動きを止めた。そこにお風呂から上がった愛美がリビングに入ってくると、その静まり返った空気に理解ができないまま父親の隣にそっと座った。
「え、何...どう言う感じなにこれ。...っと...、その人お兄ちゃんの友達?」
全員が黙っている雰囲気に耐えきれず愛美がそう聞くと新山は「違うよ。」とだけ返した。
その返答に愛美が首を傾げながら難しい顔をしているとしばらく黙っていた父親が口を開いた。
「いや、申し訳ない...。秋冬の友達...知り合いにしては随分と礼儀がしっかりしていて驚いて言葉が出なかったんだ。君とてもいい子だね、私は秋冬の父親だ、そう畏まらないでくれ。」
申し訳なさそうに頭を掻きながら笑みを浮かべる父親の言葉を聞いて安心したように千隼は肩の力を抜いた。その後で思い出したように隣で呑気にコンビニで買ったお茶を飲んでいた新山に千隼は話しかけた。
「...挨拶しただけでいい子って言ってもらえたんだけど新山さん、普段どんな人たちと仲良くしてるの...。普通に心配になるわ。」
「いやいや、マジに普通の友達としかおれ絡んでないよ。君のお兄さんみたいな感じの面ばっかりよ。」
「なら余計心配だわ。あれの同族って結構重傷だよ、今すぐに縁切るのおすすめするわ。」
緊張が解けたのか、素で話をし始めた千隼に思わず新山がクスッと笑うとその様子を見ていた父親と愛美は温かい顔で二人を見守った。
「別に縁を切るのは全然いいけどその場合千隼くんがそいつらの分、俺のそばにいてもらう感じになるけど大丈夫そう?」
「...今でもおれの中では歴代最高で会ってる頻度多い方だけどこれ以上ってこと?おれはいいけど新山さん飽きそうじゃん。」
「本気で全然、全く。微塵も飽きるとかないし毎日会いたいしむしろ日に日に愛増してく一方すぎて困ってr...。」
ここまできてやっと冷静になった千隼は近くに恋人の父親と妹がいる事を思い出し顔を赤くしながら新山の口に手を当てた。しかし時既に遅く、目を丸くして見ていた父親と愛美は顔を見合わせた。
やってしまったと後悔していた千隼を見て新山は口に当てられた千隼の手を握って「俺の部屋行こう?」と声をかけた。
今この状況に耐えるよりもそっちの方がマシだと思った千隼が小さく頷くと新山は千隼を連れてリビングから去ろうとした。入り口付近で一度立ち止まるとそっと後ろを振り返り父親と愛美に話しかけた。
「あ、そうそう。これから自室で恋人と仲良くしてるんで...部屋開ける時はちゃんとノックしてからにしてね。」
その問いかけに対して愛美は「はいよー!」と普通に返事を返し、父親は無言で頷いた。
部屋に着くと千隼は興奮状態が抑えきれず、身振り手振りを激しく動かした。
「なんで!!なんでそんなにしれっと家族に言えちゃうの!今気まずい雰囲気だって感じあったじゃん!絶対引かれただろうし反応困ってたし...気使ってくれたのかもだけど、おれは全然友達って紹介してくれても良かったのに。」
二人になった途端に感情をわかりやすく表に出した千隼を見て新山は笑った。
「嫌だった?家族に言われんの。だとしたらごめん。」
「いやっ!そうじゃなくてさ...。おれは全然いいんだって、むしろ言ってくれて嬉しかったし。でもこれから毎日顔合わせる新山さんからしたら嫌じゃない...?みんながみんな受け入れてくれると限らないし、もし家族がそのパターンだったら...。」
語尾をモゴモゴと濁らせながら話した千隼のことをベットに誘うと、千隼は手を引かれて一緒にベットに座った。
「千隼が嫌じゃないならよかった。俺は全然嫌じゃない。むしろ付き合ってるのを周りに隠しておきたくないと思ってるし何もやましいことないじゃん。だからガンガン俺の恋人だって紹介していきたいと思ってるよ。もちろん、千隼が嫌だって言うなら行動控えるけどさ。」
優しい声と優しい口調で話す新山に千隼は落ち着きを取り戻した。新山の方に顔を向けた千隼は無言でそっと新山の膝の上に跨ると首に手を回してキスをした。
「......する。」
大胆な千隼の行動に驚きつつも新山は「うん。」と返すと千隼をベットに寝かせた後で部屋の鍵を閉めた。
「で、でもっ...家族まだ起きてるからもう少し後でも...。」
「俺の向かい母さんの部屋だけど、母さんもう寝てるし隣の部屋の妹はこの時間いつもイヤホンで音楽聴きながら漫画読んでるよ。」
低く冷たい声でそう言った新山のことをまっすぐに見ていた千隼は、防御として抑えていた服のボタンから手を離した。そんな千隼のこと愛おしそうな目で見た新山は服にボタンを外しながら千隼の首筋にキスをし千隼の腰を軽く浮かせお尻辺りに手を当てた。
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