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二
12話 モテる彼氏
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あれから新山さんは本当に変わってくれた。
前はよく心が読めなかったときあったけど最近はちゃんと表情と発言が一致してるし、何よりよそよそしい感じが消えて嬉しい。連絡を取っていた女の人も多かったけどおれが嫌だと言ったら新山さんは連絡頻度を抑えてくれるようになった。
......のに。
「上城高校の新山くん、最近素っ気ないらしいし前より対応もサバサバしてるらしいよ~。けどそれもまたいいよね!」
「わかる~!Sっぽさあって萌える!今までは周りに気使ってたのかもね!」
溢れかえる同じ学校の女子生徒たちの話題に耳を傾けるとそこにはおれの恋人の話も詰められていた。
「あら~、ちーちゃんの彼氏人気だね~。この前話し合って性格戻したって聞いてたけどむしろ元の性格の方がモテたんじゃないこれ。」
「...ってことだろうね。」
浮かない表情で有馬の話に返すとそれを見ていた内田が隣で笑った。
「まぁでも仕方ないって、それもモテる相手と付き合った宿命だよ。ほとぼり冷めたら落ち着くだろうしそれまで待つしかないでしょ。」
「うん、そのつもりでいるよ。」
わかりやすく飲んでいたバナナオレのストローを歯で噛むと千隼は大きなため息を吐いた。
「でもさ?他校でこんだけ広まってるってことは学校ではもっと話題になってるんじゃない?彼。大丈夫そ?」
「大丈夫。色々あってしばらく帰れないって言われたけど全然大丈夫。昨日の帰り、家の近くの公園で女子に告られてる現場を現行犯で見たけどマジで余裕。」
「わぁ~お...規模でかすぎ。」
「やば!おもろ過ぎだろ!」
千隼の話を聞いて笑い出す二人に「全然笑えない。」と千隼が声をあげた。
内田と有馬を置いて千隼が先に屋上から教室に戻っていた時、携帯が鳴った。見ると新山からで「今日バイトのあと家行く。」と来ていた。一瞬嬉しくて笑顔を見せた千隼だったけど先程の話を思い出してすぐに表情を戻して冷静になった。
「寝てるかも。」
そう返すとすぐに返事があり「寝顔チャンス。」と、明らかに折れていない返信をしてきた新山に千隼はクスッと笑った。
「めちゃめちゃポジティブ男じゃん、新山さん。」
引き上げた口角を隠しながらそう呟くと千隼が明るい気持ちで教室に入った。
「え、それほんと!?」
「シー!今結構いい感じだからあんまり変に刺激したくなくて...だから絶対周りには言わないでね!」
席で寝ていると、前の席の女子が友達とヒソヒソ話をしていた。
......おいおい聞かれたくない話めちゃくちゃ聞こえちゃってますがな、おれは空気か何かか?
心の中でそう思いながら何の話か気になり耳を傾けていた。
「最近前に比べて返事は遅くなっちゃったけどそれでもちゃんと返してくれててね、この前髪切ったから思い切って写真送ったら似合うって言ってくれたの。最寄り駅聞いたら近かったしもし付き合えたら会いやすい距離かも!」
...いるいる。そう言う男。自分は意識してません感出しといて相手にめっちゃその気にさせるタイプのやつな?まぁ確かに家近いのは...大事だよな。
「それでね、もう少し踏み込んでみようって思って...前に近くにできた豆乳ドーナツが有名なカフェに行ってみたいって言ってたからそこに誘ってみようかなって思って...!」
...うわぁ、めっちゃその気になっちゃってるよこの子。おい相手の男...ここまで本気にさせといてこれで付き合わなかったらマジでくそだぞ。
ソワソワしながら彼女たちの話を聞いていると、次にその女子が口を開いた時千隼は一気に血の気が引いた。
「でも勇気出して電車で連絡先聞いて本当よかった~!新山くん彼女いないって言ってたしもしかしたらの可能性にかけて出かけた時告白するつもり!」
......ん?あ、あれか。おれの知ってるあの新山さんじゃなくてまた別の新山さんだったりするやつか。確かになそんな珍しい苗字じゃないしな、焦ったわーあー冷や汗冷や汗。
「付き合えたらしゅうとくんって呼んでみたいなー!みんな苗字で呼んでるからなんか自分だけって感じで特別感あるじゃん!?」
にいやましゅうと。同姓同名説......いや、もしくは同一人物説。これはかなり香ばしいわ。てかもしこれ本人ならマジで謝罪もんでしょ。何、彼女いないって。そりゃおれは女じゃないし彼女でもないけどなんか他に言い方あっただろ。
「...普通にねぇわ。」
苛つきながら席を立ち上がると千隼はトイレに向かった。
「...いきなり起きたと思ったら佐々木くん機嫌悪いね...嫌な夢でもみたのかな。」
「あり得るよね。」
好きな人の話で盛り上がっていた彼女たちは驚いたように千隼の背中を見ながら話をすると切り替えてまた話をし始めた。
「......はやくん...千隼くん...。」
名前を呼ばれた気がして目を開けると目の前には新山さんが立っていた。
おれはあの話を聞いて以降、ほぼ上の空で午後の授業を聞いていた。予習をしていたからかそんな中でも先生に指名され答えることとなってもスラスラと答えることができた。こんなところは無駄に器用で準備周到な自分に何となくむかついた。そしてぼーっと下校しぼーっと部屋で過ごしぼーっとしていたら気づいたらベットで寝てしまっていた。
新山さんに声をかけられ携帯で時間を確認すると時刻は22時半だった。
「おはよ、起こしてごめん。佐々木が千隼くん風呂まだだから行くついでに起こしてやってって言ってたからさ。気持ち良さそうに寝てたけど起こしちゃったよ。金曜って疲れでるよな~お疲れさん。」
笑って炭酸飲用をおれに渡す新山さんにおれは拍子抜けしたような顔をして飲み物を受け取った。
「...ん?どうかした?」
無反応のおれを見て首を傾げる新山さんにおれは悩んだ末、手を伸ばした。
「携帯、貸して。ちょっと確認したいことあるから。」
突然のことでぽかんと口を開けていた新山さんは五秒くらいしてやっと状況が理解できたのか動き出した。
「ごめんごめん、いきなりすぎて頭追いつかんかったわ。携帯ね、いいよーどうぞどうぞ。」
ヘラヘラ笑いながら手渡すと新山さんはおれの隣に座った。思っていたよりもあっさりしていて逆におれの方が反応に困った。
「...断らないの?」
「ん?何を?」
「いや、携帯見せるの普通嫌でしょ。」
「あー...まぁ、検索履歴とかズリネタ見られんのは流石に恥ずいけどそれ以外なら特に......え、なに。まさか目的そっち?」
冷静に話を進める新山を遠い目で見ると「違う。」と言って千隼は黙々とL◯NEのトーク履歴を漁った。新山が真剣に携帯を見る千隼を観察しているとその視線に気づいた千隼が目を合わせた。
「電車でL◯NE聞いてきた女どの人?」
「......待って全然話が読めないんだけど。」
「...今日学校で聞いたの。新山さんがその女子に今彼女いないって言ったって言うの。」
漠然と話をする千隼に困ったような顔をして携帯を受け取り探した。
「えー、どの子だろ。なんか他に言ってた事ない?」
「...新しくできたカフェに行ってみたいって新山さんが言ってたらしいよ。」
「あ?...あー、あー!わかったわかった、この子じゃない?」
L◯NEのアイコンを見せられた千隼は写っている顔を見て頷いた。
「そう、この子。...とのトーク見せて。」
「?全然いいけど。どした?」
「いや...ちょっと。」
トークを見ると確かに返信速度が極端に遅くなっていた。日によっては数日空いてる時もあるし返信の感じもちょっと素っ気なくなってる気がする。
問題だった彼女いないってやつもおれと付き合う前に聞かれてたことだったし、話してた髪切った時に送った自撮りの件も「今日髪切ってきたんだけど似合わないよね...?」ってきていた。そりゃこんなこと聞かれたらお世辞でも「似合う。」って返すだろうし......なんか変に振り回された気分だ。
「......もういい。」
「ん?あ、もーいいの?その子がどうかしたの?」
「...こいつおれのクラスの前の席のやつなの。新山さんのことここで話してるカフェに行こうって誘ってその時に新山さんに告白するって言ってたよ。」
淡々と答える千隼に驚いた顔をして「そうなんだ。」と小さな声で言った。
暗い顔をする千隼を見て新山は薄く笑みを浮かべ隣に座り、肩に頭を乗せた。
「それは...嫌なこと聞かせちゃったね、ごめんね。当たり前に行かないし告白されても断るから。安心してね。」
「別に心配してない...けど、ちょっとうざい。連絡来てる人いっぱい居たしみんな新山さん気がある人だし。現にさっき電車で連絡先聞いた人っておれが聞いた時悩んでたし...そんなしょっちゅう聞かれてんだ。」
臍を曲げる千隼の声を噛み締めながら聞いた新山は千隼の事を抱きしめながらベットに倒れた。
「っ、び...っくりした。」
「カフェ。千隼くんが一緒に行ってよ。」
「え...?」
新山の上に重なるように倒れ込んだ千隼が驚いて新山の顔を見ると、新山が優しく笑いかけた。
「俺あんま甘いの得意じゃないけど千隼くんは好きじゃん?イメージ的にカフェって甘いの多い感じしてたから抵抗あったけどそこのカフェなら甘すぎないのも揃えてるっぽいからさ。だから千隼くんと行ってみたいって思ってたんだけど...俺と行ってくれない?」
サラッとデートに誘う新山を見て千隼は新山の頬を思いっきりつねった。
「っ...痛っっった!」
「いいよ。」
「...あ?...え、あ、いいの?まじ!?嬉し。」
「いい...けど......その代わり条件ある。」
嬉しそうに笑って千隼の頭を撫でた新山が「なんでも言って。」と軽く言うと千隼は顔を赤くして口を開いた。
「......今日、泊まってって。」
前はよく心が読めなかったときあったけど最近はちゃんと表情と発言が一致してるし、何よりよそよそしい感じが消えて嬉しい。連絡を取っていた女の人も多かったけどおれが嫌だと言ったら新山さんは連絡頻度を抑えてくれるようになった。
......のに。
「上城高校の新山くん、最近素っ気ないらしいし前より対応もサバサバしてるらしいよ~。けどそれもまたいいよね!」
「わかる~!Sっぽさあって萌える!今までは周りに気使ってたのかもね!」
溢れかえる同じ学校の女子生徒たちの話題に耳を傾けるとそこにはおれの恋人の話も詰められていた。
「あら~、ちーちゃんの彼氏人気だね~。この前話し合って性格戻したって聞いてたけどむしろ元の性格の方がモテたんじゃないこれ。」
「...ってことだろうね。」
浮かない表情で有馬の話に返すとそれを見ていた内田が隣で笑った。
「まぁでも仕方ないって、それもモテる相手と付き合った宿命だよ。ほとぼり冷めたら落ち着くだろうしそれまで待つしかないでしょ。」
「うん、そのつもりでいるよ。」
わかりやすく飲んでいたバナナオレのストローを歯で噛むと千隼は大きなため息を吐いた。
「でもさ?他校でこんだけ広まってるってことは学校ではもっと話題になってるんじゃない?彼。大丈夫そ?」
「大丈夫。色々あってしばらく帰れないって言われたけど全然大丈夫。昨日の帰り、家の近くの公園で女子に告られてる現場を現行犯で見たけどマジで余裕。」
「わぁ~お...規模でかすぎ。」
「やば!おもろ過ぎだろ!」
千隼の話を聞いて笑い出す二人に「全然笑えない。」と千隼が声をあげた。
内田と有馬を置いて千隼が先に屋上から教室に戻っていた時、携帯が鳴った。見ると新山からで「今日バイトのあと家行く。」と来ていた。一瞬嬉しくて笑顔を見せた千隼だったけど先程の話を思い出してすぐに表情を戻して冷静になった。
「寝てるかも。」
そう返すとすぐに返事があり「寝顔チャンス。」と、明らかに折れていない返信をしてきた新山に千隼はクスッと笑った。
「めちゃめちゃポジティブ男じゃん、新山さん。」
引き上げた口角を隠しながらそう呟くと千隼が明るい気持ちで教室に入った。
「え、それほんと!?」
「シー!今結構いい感じだからあんまり変に刺激したくなくて...だから絶対周りには言わないでね!」
席で寝ていると、前の席の女子が友達とヒソヒソ話をしていた。
......おいおい聞かれたくない話めちゃくちゃ聞こえちゃってますがな、おれは空気か何かか?
心の中でそう思いながら何の話か気になり耳を傾けていた。
「最近前に比べて返事は遅くなっちゃったけどそれでもちゃんと返してくれててね、この前髪切ったから思い切って写真送ったら似合うって言ってくれたの。最寄り駅聞いたら近かったしもし付き合えたら会いやすい距離かも!」
...いるいる。そう言う男。自分は意識してません感出しといて相手にめっちゃその気にさせるタイプのやつな?まぁ確かに家近いのは...大事だよな。
「それでね、もう少し踏み込んでみようって思って...前に近くにできた豆乳ドーナツが有名なカフェに行ってみたいって言ってたからそこに誘ってみようかなって思って...!」
...うわぁ、めっちゃその気になっちゃってるよこの子。おい相手の男...ここまで本気にさせといてこれで付き合わなかったらマジでくそだぞ。
ソワソワしながら彼女たちの話を聞いていると、次にその女子が口を開いた時千隼は一気に血の気が引いた。
「でも勇気出して電車で連絡先聞いて本当よかった~!新山くん彼女いないって言ってたしもしかしたらの可能性にかけて出かけた時告白するつもり!」
......ん?あ、あれか。おれの知ってるあの新山さんじゃなくてまた別の新山さんだったりするやつか。確かになそんな珍しい苗字じゃないしな、焦ったわーあー冷や汗冷や汗。
「付き合えたらしゅうとくんって呼んでみたいなー!みんな苗字で呼んでるからなんか自分だけって感じで特別感あるじゃん!?」
にいやましゅうと。同姓同名説......いや、もしくは同一人物説。これはかなり香ばしいわ。てかもしこれ本人ならマジで謝罪もんでしょ。何、彼女いないって。そりゃおれは女じゃないし彼女でもないけどなんか他に言い方あっただろ。
「...普通にねぇわ。」
苛つきながら席を立ち上がると千隼はトイレに向かった。
「...いきなり起きたと思ったら佐々木くん機嫌悪いね...嫌な夢でもみたのかな。」
「あり得るよね。」
好きな人の話で盛り上がっていた彼女たちは驚いたように千隼の背中を見ながら話をすると切り替えてまた話をし始めた。
「......はやくん...千隼くん...。」
名前を呼ばれた気がして目を開けると目の前には新山さんが立っていた。
おれはあの話を聞いて以降、ほぼ上の空で午後の授業を聞いていた。予習をしていたからかそんな中でも先生に指名され答えることとなってもスラスラと答えることができた。こんなところは無駄に器用で準備周到な自分に何となくむかついた。そしてぼーっと下校しぼーっと部屋で過ごしぼーっとしていたら気づいたらベットで寝てしまっていた。
新山さんに声をかけられ携帯で時間を確認すると時刻は22時半だった。
「おはよ、起こしてごめん。佐々木が千隼くん風呂まだだから行くついでに起こしてやってって言ってたからさ。気持ち良さそうに寝てたけど起こしちゃったよ。金曜って疲れでるよな~お疲れさん。」
笑って炭酸飲用をおれに渡す新山さんにおれは拍子抜けしたような顔をして飲み物を受け取った。
「...ん?どうかした?」
無反応のおれを見て首を傾げる新山さんにおれは悩んだ末、手を伸ばした。
「携帯、貸して。ちょっと確認したいことあるから。」
突然のことでぽかんと口を開けていた新山さんは五秒くらいしてやっと状況が理解できたのか動き出した。
「ごめんごめん、いきなりすぎて頭追いつかんかったわ。携帯ね、いいよーどうぞどうぞ。」
ヘラヘラ笑いながら手渡すと新山さんはおれの隣に座った。思っていたよりもあっさりしていて逆におれの方が反応に困った。
「...断らないの?」
「ん?何を?」
「いや、携帯見せるの普通嫌でしょ。」
「あー...まぁ、検索履歴とかズリネタ見られんのは流石に恥ずいけどそれ以外なら特に......え、なに。まさか目的そっち?」
冷静に話を進める新山を遠い目で見ると「違う。」と言って千隼は黙々とL◯NEのトーク履歴を漁った。新山が真剣に携帯を見る千隼を観察しているとその視線に気づいた千隼が目を合わせた。
「電車でL◯NE聞いてきた女どの人?」
「......待って全然話が読めないんだけど。」
「...今日学校で聞いたの。新山さんがその女子に今彼女いないって言ったって言うの。」
漠然と話をする千隼に困ったような顔をして携帯を受け取り探した。
「えー、どの子だろ。なんか他に言ってた事ない?」
「...新しくできたカフェに行ってみたいって新山さんが言ってたらしいよ。」
「あ?...あー、あー!わかったわかった、この子じゃない?」
L◯NEのアイコンを見せられた千隼は写っている顔を見て頷いた。
「そう、この子。...とのトーク見せて。」
「?全然いいけど。どした?」
「いや...ちょっと。」
トークを見ると確かに返信速度が極端に遅くなっていた。日によっては数日空いてる時もあるし返信の感じもちょっと素っ気なくなってる気がする。
問題だった彼女いないってやつもおれと付き合う前に聞かれてたことだったし、話してた髪切った時に送った自撮りの件も「今日髪切ってきたんだけど似合わないよね...?」ってきていた。そりゃこんなこと聞かれたらお世辞でも「似合う。」って返すだろうし......なんか変に振り回された気分だ。
「......もういい。」
「ん?あ、もーいいの?その子がどうかしたの?」
「...こいつおれのクラスの前の席のやつなの。新山さんのことここで話してるカフェに行こうって誘ってその時に新山さんに告白するって言ってたよ。」
淡々と答える千隼に驚いた顔をして「そうなんだ。」と小さな声で言った。
暗い顔をする千隼を見て新山は薄く笑みを浮かべ隣に座り、肩に頭を乗せた。
「それは...嫌なこと聞かせちゃったね、ごめんね。当たり前に行かないし告白されても断るから。安心してね。」
「別に心配してない...けど、ちょっとうざい。連絡来てる人いっぱい居たしみんな新山さん気がある人だし。現にさっき電車で連絡先聞いた人っておれが聞いた時悩んでたし...そんなしょっちゅう聞かれてんだ。」
臍を曲げる千隼の声を噛み締めながら聞いた新山は千隼の事を抱きしめながらベットに倒れた。
「っ、び...っくりした。」
「カフェ。千隼くんが一緒に行ってよ。」
「え...?」
新山の上に重なるように倒れ込んだ千隼が驚いて新山の顔を見ると、新山が優しく笑いかけた。
「俺あんま甘いの得意じゃないけど千隼くんは好きじゃん?イメージ的にカフェって甘いの多い感じしてたから抵抗あったけどそこのカフェなら甘すぎないのも揃えてるっぽいからさ。だから千隼くんと行ってみたいって思ってたんだけど...俺と行ってくれない?」
サラッとデートに誘う新山を見て千隼は新山の頬を思いっきりつねった。
「っ...痛っっった!」
「いいよ。」
「...あ?...え、あ、いいの?まじ!?嬉し。」
「いい...けど......その代わり条件ある。」
嬉しそうに笑って千隼の頭を撫でた新山が「なんでも言って。」と軽く言うと千隼は顔を赤くして口を開いた。
「......今日、泊まってって。」
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