上 下
4 / 10

4◆ルート視点

しおりを挟む
生ロベルト最高!

やっぱり狼も鳥もロベルトだったみたいだ。

お金はちゃんと返せてよかったよ。

パンケーキを美味しそうに食べていたから、もしかして甘い物好きなのかなって思ってマドレーヌを手土産に選んだ。

マドレーヌを幸せそうに食べていて、めちゃくちゃ僕のロベルト愛が高まった気がするよ。



「ルート、お前をしばらく客人として歓迎しよう。私が帰っていいと言うまでいろ」

「え!いいの!?そんなご褒美!!」

「………ご褒美なのか?」

マドレーヌを完食したロベルトは、僕にしばらく城に滞在しろと言った。

僕、もしかして夢をみているのかな?

もちろん断るなんてあり得ないよね!

「はい、喜んで!」

「居酒屋か!」

僕の喜びの返事に対して、ロベルトはそんなツッコミを入れた。

魔王も居酒屋とか行くのかな?



「こちらの部屋をお使いください」

「ありがとうございます」

執事の青年ラルザが、僕を警戒しながら部屋に案内してくれた。

僕は無力な村人だから、あんまり警戒しなくても何もできないよ?

「わぁ!いい部屋だねぇ!よし脱ごう」

「!?脱ぐな!」

脱ごうとしたら腕を掴まれて、思いっきり睨まれた。

え、なんで?

「何故脱ぐ!?」

「部屋に慣れるためにだよ」

「服を脱ぐ必要はないだろう!」

熱く見つめ合う僕達。

そして、背後から感じる寒気。

寒いなぁ……寒いなぁ……。

何故背後が寒いのかわからなくて、後ろを振り向いたんだ………。

するとそこには………黒いオーラを何故か放つ魔王ロベルトの姿があった。

「魔王様、いたんですか!?」

僕の腕を離したラルザは、青ざめて素早く跪いていた。

ラルザ、ちょっと震えているみたい………。

「ラルザ、ルートはやらんぞ」

「いりませんよ!?こんな露出狂!」

露出狂……酷い言われようだ。

全裸の何がいけないのか。

生まれた時は、人類皆全裸だったというのに………。

「ルート、無闇矢鱈に全裸になるな」

ロベルトが僕に注意する。

しかし僕は、ロベルトを全裸仲間にしようと誘ってみた。

「ロベルト様、全裸は最高なんですよ?試しに脱いでみてください。きっと爽快なはずです」

「貴様!魔王様になんてことを勧めるんだ!?魔王様、いけませんからね!!」

ラルザが威嚇する猫みたいにシャーシャー言ってる。

本当にシャーシャー聞こえる。

そのシャーってどうやって出してるんだろうか?

僕はラルザをじっとみつめていたけど、ロベルトに目を塞がれて視界が真っ暗になった。

はぁはぁ……生ロベルトのお手て……はぁはぁ………!!
しおりを挟む

処理中です...