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パンツはオヤツに入りますか?
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「ミシェル、君と婚約破棄をしてもいいかな?」
二人っきりの室内で、ライトは婚約者のミシェルにそう言いました。
「え、なんで?」
モグモグ…モグモグ…。
ミシェルは、大好物をモグモグとしながら、ライトに問います。
モグモグ…モグモグ…。
これが食べ物だったなら、もうすでに飲み込んでいることでしょう。
モグモグ…モグモグ…。
「………ミシェル、君のせいで、私は今日もまたノーパンなんだよ。可哀想だと思わないか?」
ライトは重い溜め息を吐き、ミシェルと婚約してからの毎日を思い出しました。
ミシェルには、ミシェルの趣味まっしぐらな特技がありました。
それは、相手が穿いているパンツを盗むこと。
ただし、好きな人限定なので、今のところ被害者はライトと、たまに実の兄と、ごく稀に実の父です。
盗んだパンツは、本人の目の前で遠慮なくモグモグ食べています。
実の父と兄は、ミシェルに惚れたライトに、婚約当日からミシェルを丸投げしました。
なので、現在の被害者はライト一人です。
ミシェルは、ライトの穿いているパンツを容赦なく盗み、容赦なくモグモグするので、防ぎようがありません。
ライトは、ノーパンの毎日が恥ずかしいのです。
「パンツはオヤツだから、仕方ないよ」
ミシェルにとって、パンツはオヤツに入ります。
「パンツはオヤツじゃないからね?」
ライトにとって、パンツはオヤツに入りません。
ライトは、ミシェルを説得しようとしたことは何度もありました。
しかし、ミシェルのパンツはオヤツ理論が揺らぐことはありませんでした。
「せめて……せめて、穿いていないパンツにしてくれ!穿いているパンツをピンポイントで狙わないでくれ!」
もうライトは、泣きたくなりました。
「ライト、穿いていないパンツは、ただのパンツなんだよ。ライトのことが好きだから、ライトの穿いているパンツじゃないと意味がないの。………ライト、僕のライトを好きって気持ちは、邪魔なのかな?」
「!?邪魔なんてことない!!私だって、ミシェルが好きだよ。でも………毎日ノーパンは嫌なんだよ。ミシェルが私を好きなのは、すごく嬉しいよ」
ミシェルは、ヨダレまみれのパンツを口から出して、ライトをみつめました。
愛には、時に妥協も必要です。
ミシェルにとって、その妥協とはパンツのことになるのでしょう。
ミシェルは、パンツよりもライトが好きです。
何故なら、パンツはオヤツで、ライトは愛しい婚約者だから。
「ライト、僕決めたよ。ライトが洗濯に出すまで、パンツは我慢するよ。婚約破棄を言い出すほど追い詰めて、ごめんなさい」
「ミシェル……!!ありがとう、愛しているよ。やはりこれからも、私の婚約者でいてね」
「うん!」
愛しあっている二人は、無事に仲直りしました。
めでたしめでたし♪
二人っきりの室内で、ライトは婚約者のミシェルにそう言いました。
「え、なんで?」
モグモグ…モグモグ…。
ミシェルは、大好物をモグモグとしながら、ライトに問います。
モグモグ…モグモグ…。
これが食べ物だったなら、もうすでに飲み込んでいることでしょう。
モグモグ…モグモグ…。
「………ミシェル、君のせいで、私は今日もまたノーパンなんだよ。可哀想だと思わないか?」
ライトは重い溜め息を吐き、ミシェルと婚約してからの毎日を思い出しました。
ミシェルには、ミシェルの趣味まっしぐらな特技がありました。
それは、相手が穿いているパンツを盗むこと。
ただし、好きな人限定なので、今のところ被害者はライトと、たまに実の兄と、ごく稀に実の父です。
盗んだパンツは、本人の目の前で遠慮なくモグモグ食べています。
実の父と兄は、ミシェルに惚れたライトに、婚約当日からミシェルを丸投げしました。
なので、現在の被害者はライト一人です。
ミシェルは、ライトの穿いているパンツを容赦なく盗み、容赦なくモグモグするので、防ぎようがありません。
ライトは、ノーパンの毎日が恥ずかしいのです。
「パンツはオヤツだから、仕方ないよ」
ミシェルにとって、パンツはオヤツに入ります。
「パンツはオヤツじゃないからね?」
ライトにとって、パンツはオヤツに入りません。
ライトは、ミシェルを説得しようとしたことは何度もありました。
しかし、ミシェルのパンツはオヤツ理論が揺らぐことはありませんでした。
「せめて……せめて、穿いていないパンツにしてくれ!穿いているパンツをピンポイントで狙わないでくれ!」
もうライトは、泣きたくなりました。
「ライト、穿いていないパンツは、ただのパンツなんだよ。ライトのことが好きだから、ライトの穿いているパンツじゃないと意味がないの。………ライト、僕のライトを好きって気持ちは、邪魔なのかな?」
「!?邪魔なんてことない!!私だって、ミシェルが好きだよ。でも………毎日ノーパンは嫌なんだよ。ミシェルが私を好きなのは、すごく嬉しいよ」
ミシェルは、ヨダレまみれのパンツを口から出して、ライトをみつめました。
愛には、時に妥協も必要です。
ミシェルにとって、その妥協とはパンツのことになるのでしょう。
ミシェルは、パンツよりもライトが好きです。
何故なら、パンツはオヤツで、ライトは愛しい婚約者だから。
「ライト、僕決めたよ。ライトが洗濯に出すまで、パンツは我慢するよ。婚約破棄を言い出すほど追い詰めて、ごめんなさい」
「ミシェル……!!ありがとう、愛しているよ。やはりこれからも、私の婚約者でいてね」
「うん!」
愛しあっている二人は、無事に仲直りしました。
めでたしめでたし♪
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