ねぇ、きっと愛し合う運命なんだよ

ミクリ21

文字の大きさ
5 / 13

5◆アイリス視点

しおりを挟む
セルジュは、僕のただの専属護衛だ。

なのに、僕の世話を進んでせっせとしている。

僕の服の着せ替え。

……脱いだ服の匂い嗅ぐの、貴方と同じだね。

僕の食事。(食料、飲料、オヤツなど)

あーんって食べさせるのが好きなのも、貴方と同じだね。

僕の入浴。

洗い方が………エロいのも貴方と同じだね。

………トイレは流石に一人ですることを死守した。

多少(?)トイレ内に必死に入ろうとするセルジュと、攻防戦があったけどね。

そこまで貴方と同じなんだね。

僕の移動は、何故かセルジュの片腕に小さな子供のように抱っこしている。

「重くないの?」

「俺は戦神の加護がありますから、アイリス様が子供より軽く感じます」

セルジュは、ニッコリと微笑んだ。

食事はちゃんと食べてはいるのに、子供より軽いのか………。

『ラースは子供より軽いですね』

『もう!キールの意地悪!』

『ふふ、俺のラースは本当に可愛いです』

僕達がまだ幸せだった頃、貴方も僕を子供より軽いとからかったことがあったね。

普通なら、羽のように軽いって言うんじゃないかな?

でも、貴方は子供より軽いという表現を使った。

あぁ、懐かしい。

生まれ変わりだから、同じ表現を使うのかな?

君の言動の全てが、貴方を思い出させる。

懐かしくて………とても辛い。

あんまり同じ過ぎると、君に貴方の記憶があるんじゃないかと勘違いしてしまいそうだ。

………そんなはずないと、わかっているはずなのに。



僕から涙は出ない。

だから………記憶のない君に、僕の悲しみの涙をみられることはない。


セルジュは、僕に自傷行為をさせてはくれない。

「怪我がすぐに治るから?死なないから?だからといって、痛みは感じるのでしょう。貴方が傷つけば、悲しむ者がいることを忘れないでください」

僕の涙は出ないのに、どうして君は涙を流すの?

………君には、貴方の記憶はないのに………。





しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】この契約に愛なんてないはずだった

なの
BL
劣勢オメガの翔太は、入院中の母を支えるため、昼夜問わず働き詰めの生活を送っていた。 そんなある日、母親の入院費用が払えず、困っていた翔太を救ったのは、冷静沈着で感情を見せない、大企業副社長・鷹城怜司……優勢アルファだった。 数日後、怜司は翔太に「1年間、仮の番になってほしい」と持ちかける。 身体の関係はなし、報酬あり。感情も、未来もいらない。ただの契約。 生活のために翔太はその条件を受け入れるが、理性的で無表情なはずの怜司が、ふとした瞬間に見せる優しさに、次第に心が揺らいでいく。 これはただの契約のはずだった。 愛なんて、最初からあるわけがなかった。 けれど……二人の距離が近づくたびに、仮であるはずの関係は、静かに熱を帯びていく。 ツンデレなオメガと、理性を装うアルファ。 これは、仮のはずだった番契約から始まる、運命以上の恋の物語。

陰キャ幼馴染がミスターコン代表に選ばれたので、俺が世界一イケメンにしてやります

あと
BL
「俺が!お前を生まれ変わらせる!」

自己肯定感低めの陰キャ一途攻め×世話焼きなお人好し平凡受け

いじられキャラで陰キャな攻めが数合わせでノミネートされ、2ヶ月後の大学の学園祭のミスターコンの学部代表になる。誰もが優勝するわけないと思う中、攻めの幼馴染である受けは周囲を見返すために、攻めを大幅にイメチェンさせることを決意する。そして、隠れイケメンな攻めはどんどん垢抜けていき……?

攻め:逸見悠里
受け:佐々木歩

⚠️途中でファッションの話になりますが、作者は服に詳しくないので、ダサいじゃん!とか思ってもスルーでお願いします。

誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

人生はままならない

野埜乃のの
BL
「おまえとは番にならない」 結婚して迎えた初夜。彼はそう僕にそう告げた。 異世界オメガバース ツイノベです

恋が始まる日

一ノ瀬麻紀
BL
幼い頃から決められていた結婚だから仕方がないけど、夫は僕のことを好きなのだろうか……。 だから僕は夫に「僕のどんな所が好き?」って聞いてみたくなったんだ。 オメガバースです。 アルファ×オメガの歳の差夫夫のお話。 ツイノベで書いたお話を少し直して載せました。

《完結》僕の彼氏は僕のことを好きじゃないⅠ

MITARASI_
BL
彼氏に愛されているはずなのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。 「好き」と言ってほしくて、でも返ってくるのは沈黙ばかり。 揺れる心を支えてくれたのは、ずっと隣にいた幼なじみだった――。 不器用な彼氏とのすれ違い、そして幼なじみの静かな想い。 すべてを失ったときに初めて気づく、本当に欲しかった温もりとは。 切なくて、やさしくて、最後には救いに包まれる救済BLストーリー。 続編執筆中

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。

桜月夜
BL
 前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。  思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。

処理中です...