ねぇ、きっと愛し合う運命なんだよ

6◆セルジュ視点

「アイリス様、今日は天気がいいですよ。お散歩でもしましょう！」

「………僕を歩かせないのにお散歩？」

アイリス様は屋敷から出られないとはいえ、外にまったく出ないのは身体に悪そうですよね。

でも大丈夫ですよ！

俺が今日も抱っこしますからね！


貴方に君の記憶がなくても、愛さずにはいられません。

貴方は君のように、明るく笑うことはないけれど………。

貴方は君のように、涙を流すことはないけれど………。

貴方は君のように、怒ることはないけれど………。

だけど………探せばいくつもみつけられる君と貴方の同じ所。

きっと、君を知っている俺だからわかることですね。

君と貴方の違う所も、君を知っているからわかります。


どうして貴方は、自分を傷つけるんですか？

何が貴方をそうさせるんですか？

………貴方は俺に、それを教えてはくれないのですね。



貴方に君の記憶がないことが、こんなにももどかしくて堪らない。