ねぇ、きっと愛し合う運命なんだよ

ミクリ21

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12◆アイリス視点

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「アイリス様、お話があります」

「………そうだね」

僕とセルジュは、ベッドでお互いに正座して向かい合っている。

僕は、あの時の幻覚でキールの姿をみたけど………セルジュは何をみたのかが気になっているんだ。

セルジュが何を気にしているかはわからないけど、セルジュはセルジュで聞きたいことがあるらしい。

「その………森に行った時、何かみませんでしたか?」

「………」

伝えても、意味なんてきっとない。

けれど、貴方の偽物に会ったせいか伝えたくなってしまった。

「僕ね、前世の記憶があるんだよ。愛する人がいたんだ。愛する人は、僕を魔物から庇い死んだ。けれど、僕もすぐに魔物に殺されて死んだ。………僕は、愛する人の幻覚をみたよ」

愛する人が君の前世だとは言わない。

信じてもらえないと思ったから………。

「アイリス様………俺にも、前世の記憶がありますよ。………あの後、生き残れなかったんですね」

「!!」

辛そうに歪む表情に、僕は驚いた。

え……?

セルジュも前世の記憶があるの!?

「キール………?」

「俺の愛するラース」

あぁ……あぁ……君が僕の名前を呼んだ。

貴方の呼び慣れた僕の名前を呼んだ!

「キール!!」

僕は、君をベッドに押し倒した。

瞳から、僕からは出ないと思っていた涙が溢れ出す。

今まで出なかったせいか、涙が止まりそうにない。

「僕……セルジュにはキールの記憶はないと思っていた」

「俺も、アイリス様にはラースの記憶がないと思っていました」

そっか………貴方の記憶は、ずっとあったんだね。

愛しい愛しい僕のキール。

「ふふ、僕達勘違いしていたんだね」

「そうみたいですね」

僕を抱き締めつつも、セルジュは僕の頭を優しく撫でてくれた。



………貴方に伸ばした手は、やっと貴方に届いた。

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