ねぇ、きっと愛し合う運命なんだよ

13◆セルジュ視点

「ラース。もしかして、自分を大事にしなかったのも魘されるのも、前世の俺が関係していますか？」

「うん。キールがいないのが辛かった。セルジュがいても、キールの記憶はないと思っていたから、ずっと辛かった。キールを失ったように、セルジュも失う夢をみていた。貴方がいないと、僕は生きていけないよ」

俺は、初めて涙をみせたラースを抱き締めました。

こんなに近くにいたのに、ずっと君は俺のことで苦しんでいたんですね。

「ラース、もう俺は君を残して死んだりしません。逝く時は一緒に逝きましょう。そして、来世でも出会って愛し合い、次もその次もずっと愛し合いましょう」

愛しい君に、俺はやっと愛を囁けます。

「愛しています。ずっと愛しています。ラース、今のアイリス様の姿も愛しています」

「僕も愛しているよ。セルジュの姿のキールも愛している。ずっと一緒だよ」

俺とラースは、ゆっくりと唇を合わせお互いを確かめるようにキスをしました。

そして、嬉しそうに微笑む君が俺に囁きます。



「ねぇ、きっと僕達は愛し合う運命なんだよ」




完

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