16 / 49
5・身分と情緒の上がり下がり
16
しおりを挟む「…ピアスを外しますね、さすがに痛いでしょうから」
「平気?」
「バーベルはそのままで、チャームだけ外します」
「…ちなみに今日はどんなピアス?」
「これです」と俺の膝の上に置かれたのは輪っかに天使の羽が付いた可愛らしいもので、しかし羽の先が掠れば俺の肌にミミズ腫れが作られるだろうことは容易に想像できる。
俺はピアスを小指の先に通して、彼女の柔らかい泡付き乳房を背中で受け止めた。
「おー……こりゃ良いね」
「んッ…ちゃんと、洗えてますか?」
洗体なんて目的じゃないんだけどね、俺はニタニタ笑える口を隠して弾力や僅かに感じる金属の固さに集中する。
「さぁ…前もやってみるか?」
「…ピアスが見えてしまいますよ」
「勃たせるのが目的じゃないんだから良いさ…水蓮、前も洗ってくれないか」
「は、い…」
戻ってきた彼女の上半身には泡が散らかっていて、そこにまた泡を足してどうしたものかと彼女はおずおず近付く。
「立とうか?水蓮が洗い易いように」
「恐れ入ります…お立ち下さい…」
「うん、よろしく」
お互い立ち上がり体で泡をサンドする、密着しても彼女は動かず、やらせた俺もその感触の気持ち良さに動けなかった。
「…気持ち良いな」
「はい…人肌が…温かくて…ぬるぬるで…」
「うん……ごめん、勃った」
「あ、あ…」
身長差は15センチほどあるはずだが仕事用のヒールを脱いだ彼女は思ったより視界の下の方に居て、それでも膝を曲げるといきり立ったモノが股の間に挟まり存在感を増していく。
「どうしたの」
「いえ、その…あ、」
「水蓮?言いなさい」
「あ♡拓朗さま…あの、ペニスが…私に…」
恥ずかしそうだが教科書チックで萌えない。
「当たってるね…ちなみに女性器のことは何て呼ぶんだ?」
と聞けば彼女は困り顔で
「あの…ヴァギナ、と」
と予想通りに答えてくれた。
これは言葉責めのし甲斐が無い。
日本語の正式名称を教えたところで「陰茎が小陰唇と膣口を擦って」なんて聞かされても保健体育の教科書のようだ。
「ふむ…水蓮、ペニスはいろいろ呼び方がある…知っている?」
「え…その…陰茎、」
「やっぱそっちか、じゃなくてもっと砕けた言い方」
「……おちんちん、ですとか」
「ふふっ、可愛いな…他には?」
「…ちんこ、とか…」
これは可愛らしい、戸惑いながらもサラリと外来語のように口にするのでいっそ清々しくエロティックさを感じない。
けれど俺は興奮したいしどうせなら辱めを与えたいんだ、
「ちんぽ、が良いかな。丁寧に言ってみて、俺のだから」
と腰の窪みに指をつつと沿わせると
「……意地悪ですわ」
とぴくぴく震えつつ彼女は股をきゅっと締める。
「お」が付けば恥ずかしいのか、その感性は持ち合わせているんだな。俺はエロ親父のようにすこすことペニスを扱いて少し息が荒くなった。
「水蓮、教えて、俺のコレ、何て言うんだ」
「お、おちんぽ…あ、拓朗さま、ぬるぬるで、」
「んッ…じゃあココはどう呼ぶかな、俗称、学生時代に男子から聞かなかったか?」
「無いです、ずっと女子校だったんです、」
「あぁそう…一般的には『ま*こ』かなぁ、丁寧に言ってごらんなさい」
「え」
もしかして彼女は知識としてそれを知ってはいるんじゃないのか。今の反応で何となくそう感じた、強いられるのとは別の興奮を感じているように見える。
教科書的なものはOKで俗っぽいのは恥ずかしいのかもしれない。
「…おま*こ……拓朗さま、趣味が悪いです」
「それは知ってた?」
「あの…映画で…観ました」
「はぁ、AVじゃなくて?」
「任侠映画とか少し昔の映画…メインではないですが濡れ場、と言うんでしょうか、情事の描写があって…はい、」
官能小説を実写化したものなら俺も観たことはある。汗だくで顔に貼り付いた髪の毛とか紅を引いた唇が艶やかで、言葉遣いなんかも少し古臭い感じだった。確かに、あの妙な静けさの中に聴こえる息遣いとフィルム独特の色彩はムラムラした。
その映画はひぃ様の趣味だったのかな、彼女の喋り言葉のルーツはそこなのだろう。
「…ひぃ様には言葉責めはして貰わなかったか?」
「無かったです…」
「じゃあ俺が初めてか」
「そうですわ、こんな…初めてです…」
「嬉しいよ」
上半身を離して仰け反りしこしこと彼女を擦る、
「拓朗さま、ッ…入って、しまいます、」
とオロつく彼女の腰は全く引けておらず満更でもない様子が見て取れた。
「角度的に無理だな、でもこれ気持ち良いな…ボディーソープで素股」
「んッ…」
「あー…挿れたくなっちゃうわ、水蓮、胸でお願いできる?」
「はいぃ…」
俺はスケベ椅子に座り直して大きく脚を開き、彼女のたわわな胸にたっぷりとボディーソープを垂らしてモノを挟んでもらった。
泡でもおそらく経験があるのか動きも流れもスムーズで、『元気なモノ』を持っていなかったひぃ様にもしてあげたのだろうと思う。
まぁ逐一過去のご主人様と比べていっても仕方がない、俺は交際期間や付き合いの深さは負けているし何より相手はもう故人なのだ。
しかし男としての闘争心と言うか嫉妬心なのか、彼女がまだ知らないことを教えてあげられたら心が満たされる想いがする。
これが『支配』なのかな、小指にはめたままのニップルピアスを握り込んで金属の重みと肌に当たる痛みを味わった。
「拓朗さま…お慕い申しております」
「ありがと…どんなところが?」
「私を好いて下さるところ、過去を明かしてもこうして寄り添って下さるところ、頼もしいところ…全てです」
「恐れ多いね…」
ふわふわ揺れる髪と乳房、泡が立っては細かくなって、湯を足してやるとシャボン玉が生まれたりして見た目にも楽しい。
白い泡と胸の谷間から見慣れた亀頭がコンニチハ、弾力と圧と視覚効果で堪らなくいやらしい。
しかし今回もあまり長持ちしそうにないのが悔しくもある。
「抱こうと思えばやり方はいくらでもありますのに…我慢なさって、模索して下さったり」
「んー…保身もあるよ?いい加減な付き合いをして…仕事に支障が出ても困るし…エッチしちゃうと後戻りできないし、ん、あ、水蓮、」
「それでも…きちんと考えて下さるところが…好きです」
「でも盲目的になっちゃダメだ、水蓮はもっと…ん、自分を、大事にしなさいよ」
「はい…」
それを説く俺のこの行動の矛盾を何としようか、尻を浮かせて彼女目掛けてモノを擦り付ける、肩をがっちり掴めば上下させるように自然と腕に力が入る。
「あ、」
「水蓮ッ、出る、おっぱいに掛けていいか?」
「はい、ア、」
「あッ♡すいれ、んッ♡♡♡んー…、あ、あ♡♡♡あ、あー…」
泡の上に異なる白さの液体が飛び落ちる、眉間に皺を拵えた彼女は窮屈な谷間からゆっくり手を離して俺を自由にした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
禁断溺愛
流月るる
恋愛
親同士の結婚により、中学三年生の時に湯浅製薬の御曹司・巧と義兄妹になった真尋。新しい家族と一緒に暮らし始めた彼女は、義兄から独占欲を滲ませた態度を取られるようになる。そんな義兄の様子に、真尋の心は揺れ続けて月日は流れ――真尋は、就職を区切りに彼への想いを断ち切るため、義父との養子縁組を解消し、ひっそりと実家を出た。しかし、ほどなくして海外赴任から戻った巧に、その事実を知られてしまう。当然のごとく義兄は大激怒で真尋のマンションに押しかけ、「赤の他人になったのなら、もう遠慮する必要はないな」と、甘く淫らに懐柔してきて……? 切なくて心が甘く疼く大人のエターナル・ラブ。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる