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9・蜘蛛の巣
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しおりを挟む「どこが良い、寝室?」
「あの、リビング、」
「マーキングか?好き者め」
「すみません、変態で」
「良いよ、これだけセックスしておいて清純もクソもあるか…先行ってて、寝室のゴム取って来るから」
大きめのバスタオルで体を拭いて緩く巻いて、寝室でコンドームを拾い廊下へ出れば風呂場からリビングまで足跡が続いている。
彼女とひぃ様の足跡を辿るツアーみたいだ、今後この家の様々な所で彼女を抱いてみようと思った。
「…水蓮どこでする?」
「え、えーと、ソファー?」
「ん、突いて欲しい格好で待ってて」
「はう……はい、」
ソファーの背に両手をついて尻を突き出し待機する、そうか立ちバックか。丸い尻に誘われた俺はすぐに臨戦態勢を整えてラテックスの鎧を纏う。
「水蓮、運動は何かしてる?腰回りが引き締まっててすごくキレイだと思ってた」
「はァ、あの、ッ♡あ、ダンスとか、してました、」
「そう、んッ!っアー、何ダンス?」
「レゲエとか、ポリネシアン、あの、腰を使う、やつッあ♡」
「そう、騎乗位に役立ってるのか、また見せて、ん、水蓮、あっち、歩いて、」
「なん、ダメです、見えてしまいますッ」
とりとめの無い話をぐだぐだとしつつがっちりソコだけは結合する、リビングという暮らしの主要拠点にセクシャルなエッセンスを撒けばたちまちカーテンの無い窓だって彼女を恥ずかしがらせる道具になる。
ムカデ競走みたいにちょこちょこ動いてはめ込みの大きな窓に手をつかせると、ガラスにはあうあう困り顔の水蓮が映り…その向こうに市内を一望する夜景が透過して見えた。
「こっちが暗いんだから見えないだろ、それとも電気点けて見てもらう?水蓮」
「嫌ですわ、いや、」
「乳拓、取っていいか?」
「え?なに、ひアッ⁉︎」
細い背中に手を当てて冷たいガラスに押し付ければ乳房がぶにゅうと潰れ、先端のピアスがカツカツと音を立てる。
ここと同じ高さのビルは周囲には無いし今夜は月も出ていない。よほどの物好きが暗視カメラでも使わねばこちらは見えやしない…俺は後ろからずいずい押し込んでははみ出た横乳をつんつんと指で突いた。
「冷たいです…拓朗さま、いじわる…ゔ、」
「すげぇ締まってる…感じたんだな」
「こんなことしなくても、締めて差し上げますわ」
「シチュエーションのエロスってやつだ…見て、ピンク街も見下ろせる…今夜もみんなよろしくやってんだろうね」
「そう、ですわね、」
「まさに高みの見物だな……ん、次はこっち」
「えぇえ」
汗で貼り付いた体を剥がせば、ガラスには水蓮型の跡がくっきり残っていて面白い。
俺はその後も暗い家の中を水蓮を追い回し突き回し、キッチンのシンクに片足を上げさせたり玄関扉に磔にしたり駅弁状態で廊下を歩いたりとお宅探訪を楽しんだ。
「たくろ、ぉさま、いい加減に、」
「水蓮が欲しがったんだろ、俺はやめても良いんだけどね」
「もうお布団で、普通に、あァ♡」
「お、この部屋は?水蓮」
「物置き、ですッ」
「ん、そっちは?」
「ひぃ様の、書斎ッ、ですわッ」
さすがにそこは不可侵というかふざけられない所だな、まだ一周忌も終えてないことだし祟られては敵わない。心霊を信じている訳ではないがモラルを疑われたくはない、先代のご主人様の存在や思い出まで捨てさせようとは思わない。
「そう、広いなぁ、んッ♡廊下だけでも何人寝られるか」
「ふゥっ…一番多い時では、10人住んでいた、そうれふッ」
「ふぅん、資産家はすごいねぇ、ん、どう、水蓮、ベッドに戻りたい?」
「はい、あんまり、揺らさ、ないでェ」
「可愛いな、水蓮…」
それから寝室へと戻りベッドにて本戦を戦い抜いて…もうちょっぴりしか出なかったが彼女の中に収まったままで2人仲良く果てた。
「……良い尻だな」
「あん」
むっちりとした尻をぺちんと叩けば彼女は子犬のように甲高い声で鳴く。
「弾力、張り、肉」
「なんですか、あンっ」
触りたくなるというかここに関しては叩きたくなる。
「痛いことが嫌いだ」と言う割に箇所を変えつつそんなことをするもんだから彼女はジトっとした目で俺を睨んだ。
「痛いことしますのね」
「ごめんって……これ以上の痛いことはしない」
「首を絞めたり?」
「しない……約束だ」
ふわふわ事後の開放感に浸る頭でそんなことを誓う、嫌がらせというか恥ずかしがることはさせたいが苦痛は絶対に駄目だ。彼女が絶望に咽び泣くところなんか見たくない。彼女の人格がガラリと変わって手を上げそうになる程イラつく女になってもそれはたぶん同じ、一緒に居るのが耐えられなくなれば俺は身を引く所存…それくらいの覚悟だ。
「もし、その約束をお破りになったら?」
「信用無いな…んー………そうだな……その時は、俺も乳首にピアス開けてやるよ。それくらいの覚悟だ。俺は君を享楽を満たすためにいたぶったりしない」
「……ありがとうございます」
ここまで言えば彼女は信じてくれた、あれだけ見るのも拒否したニップルピアスを自ら開けてやろうと言うのだから俺の本気は伝わったようだ。
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