そんなあなただからすき

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　翌日。

　思いの外夜ふかしをしてしまったがために、私は寝坊して遅刻するという失態を犯してしまった。


「あ、やば…電話、」

叩き落とした携帯電話を拾えば、画面には根岸ねぎしさんからの着信が１件入っている。

　慌てて折り返して、すぐさま洗面所へと走った。


『根岸です、お、おはようございます』

「御幸浜みゆきはまです、おはようございます、すみません、今起きまして、遅れます！」

『あ、だ、大丈夫ですか、体調が悪いんでしたら』

「いえ、純粋な寝坊です。申し訳ございません」

『そ、そうですか…いえ、急がなくて良いので気を付けて来てください』


　電話を切ってベッドへと放る、私は元来そこまでマメな人間ではない。

　仕事はきっちりするけども家ではラフだし家事も手を抜きまくり、休みの日は１日中パジャマだったなんてことも珍しくない。

「……ヤバい…１時間過ぎてる…」

準備していた服に着替えて水分を摂って、化粧も髪もそこそこの状態で駐車場へと出た。



「マズいなぁ…」

　待ち合わせは自宅から車で15分ほどかかる郊外の商業施設の駐車場だ。

　そこで遊ぶのかそれともそこから更に移動するのか。

　まぁアラサーの二人だから遊ぶと言っても知れている。

　クレーンゲームをしたりプリントシールを撮影したりとかそんな戯れではないだろう。

　映画か、ドライブか…時間を潰せるものなら助かるのだが。