今宵も、麗しのボスとパーティーを。

茜琉ぴーたん

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6月

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 昼間、珍しく険しい顔をして在庫カードを精査する奈々を見かねて、副店長の守谷もりやが声をかける。
「どないしてん、ナナちゃん…なんかしんどい?」
「いえ…ちょっと寝不足で…」
「そう、適度に休んでな」
「はい、すみません」
セックスで寝不足なんて言えないけれど贅沢ぜいたくな悩みよね…奈々はこっそり舌を出してはにかんだ。
 初めての夜、松井はそれなりに頑張って男を見せてくれた。
 自分から襲い掛かったのははしたなかったと思う。けれど初夏の暑さに薄着になって胸板や腕の筋肉が透けているのを見ると奈々は辛抱堪らなくなってきていたのだ。
「(もう少し練習して…ロングプレイできるようになって…ふふ、育て甲斐あるわァ♡)」
 体質というか素質というか奈々はセックスにおけるオーガズムに達しやすいタイプであった。なので、ポイントをしっかり押さえれば今回の松井のように初心者でも昇天させられるというチートボディである。
 わざとそこを外して責めたり連続イキさせてみたりと男側も楽しめるのだが、前の彼氏はひと通り経験すると妙な自信を持って「他の女性でも腕試しをしたい」と浮気に走り奈々の元を去ってしまった。もちろんそれだけの理由ではなくて体格とか金銭的なこととか性格の相性も複合してのことだった。しかしある程度関係に慣れてきたら思いやりが見えなくなって「そろそろかしら」と奈々も抱かれながら覚悟をしたものだ。
「(結婚…したいかな……まだ分かんないわよね)」
 交際して結婚して子供を産んで、当たり前にそのルートを踏むことに松井は憧れを抱いているだろうか。昨夜尋ねた感じだと彼は奈々の「産みたくないから」発言に動揺しているように見えた。
 結婚しても子供をもたない家庭だってある、意思に反してもてない家庭だってある。でも二人だけの問題ではなく松井の都合もあるかもしれない、後継ぎが必要とか男の子が欲しいとか。
 奈々がそれを叶えてあげる気が無いと分かれば彼は身を引くだろうか。子を望める若い女性へと旅立っていくだろうか。奈々で磨いた性技があればそっちも自信を持つだろうし。
「(いい大人だし…話し合いはしなきゃか、)」

 奈々はその夜はジムへ行ってしっかり汗を流して、ロビーで彼に早速遭遇したので夕食を共にすることにした。
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