街を歩いていると、見知らぬマッチョに体を担ぎたいとお願いされました。

茜琉ぴーたん

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2022・初お泊まり

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「美味しかったー」
「お造りはやっぱ美味しかったね」
 食堂での夕食はビュッフェ形式で、山海のご馳走が小鉢に盛られてそれはそれは美しかった。和食中心だけどその場でシェフが焼いてくれるステーキなどもあり、遼平さんに合わせて回っていたらついつい食べ過ぎてしまった。

「明日の朝食が楽しみ…」
「うん、あずちゃん」
鍵を穴に挿そうとする私の手を、遼平さんが優しく制止する。
「え?」
「こっち、僕の部屋においで」
「あ……うん、」
 忘れていた訳ではないけど、食後にすぐ同衾どうきんするとは思っていなかった。就寝時間に合わせるのかなとか、もうひと風呂浴びてからかな、なんて考えていた。

 部屋に入ると遼平さんは私の浴衣の襟に手を掛けて、
「もったいないから、少しずつね」
と鎖骨に口付ける。
「ひゃ」
「刺激が強いんだよね」
「え、AVとか観たりする?」
「…する」
 おかしな問答をしながら、私は浴衣を脱がされて下着だけになった。
 ぽよぽよだけど不格好ではないはず、もっとも彼にはそんなことどうでも良いのだろうけど。
「…あずちゃん、でか…」
「な、何が」
「おっぱい、大っきいな…何となくは分かってたけどね…うわー、良いね…」
「胸も、痩せたんだけどね」
「そう…大胸筋のトレーニングで張りを残したまま…ごめん、すぐ筋肉の話になっちゃう」
もにもに、ぷにぷに、スライムを触るように遼平さんは私の胸で遊ぶ。
 そして
「あずちゃん、脱がして」
と今度は彼が両手を広げた。
「うん……あ、丈が足りてないね」
「肩が張ってるからね、袖もつんつるてんだ」
「なんか可愛い」
「そうかな」
「うん………あ、」
 帯を解いたら自然に前がはだけて、遼平さんの元気がヌッと現れる。ボクサー越しだし比較対象が無いので分からないけど、きっと体格相当の立派さなのだと思う。
「…あずちゃん、何か…感想があれば」
「な、無い…いや、分かんないから、大きさとか分かんないからっ」
「触る?のは嫌だよね、くっ付こう」
「うん……ひゃあ…」
 おへそに、温かい肉の塊が当たる。硬いようで弾力があり、ぐらぐら揺れるもしっかり上を向いている。
「気持ち悪くなければ…脱ぐよ」
「あ、なら私も脱ぐ…」
「じゃあ、一緒に脱ごう」
 我々は体を離して、私は下着を外し遼平さんも浴衣を剥がして丸裸になった。

「…大っきいな」
「胸板、すご…」
「胸囲だけなら、僕よりありそうだな」
「お腹、割れてる…」
 それぞれがそれぞれに口頭で脳内で感想を述べて、裸で直立し見合っているのもおかしいかとベッドへ移ることにした。
 清潔なシーツ、お尻を乗せると私の部屋のベッドとは感触が違う気がした。
「…柔らかいね…女性の体は、男とは違うな」
「遼平さん、胸がぷりぷりしてる…すべすべ、気持ち良い」
「お尻も大きくて良いなぁ…あずちゃんは本当恵体だね」
「(おちんちん、当たってる、毛が、うあ…)」
 抱き合って、前から後ろから、互いの体を調査し合う。知らなかったホクロの存在や、見えない位置の青タンも指摘された。

「あずちゃん、僕なりに調べはしたんだけど、スムーズにコトが運ばないと思う。でも呆れないで欲しい」
「うん、初めては私もだし」
「嫌だったら蹴って良いから。慣らさなきゃ痛いらしいし」
そう言って遼平さんは私を寝かせて、足首を掴みぐわっと広げる。
「きゃっ」
「…ほー…実物はこんな感じなのか」
「観察しないで、」
「ごめん、仕事柄人体にも関心はあるから」
「ソコに関心持たなくて良いからっ」
 遼平さんはくすっと笑い、私の視界から消えた。そして股に熱気が触れて、ぬるい舌が走る。
「ひッ⁉︎りょ、うへいさん、そういうの、しちゃうのッ⁉︎」
「ん、するものかと…関心はある」
「もだなぐで良いッ…あ、ひゃア…」
 ひとりエッチはしたことあるけど、濡れたものをそこに触れさせたことなんて無い。男性器を舐めるプレイがあることは知っていたけど、女性側がされることなんて存在も知らなかったし想定していなかった。
「んム」
「ひッ…」
 この人、何してるの。私より遥かに大きな体の男性が、股の間に丸くなって。
 ぬちゃぬちゃと、動物がものを食べてる時みたいな音がする。
「なるほど」
「感心しないでッ…はァ♡」
 知った匂いが、鼻元まで上がってくる。オリモノの匂い、つまりは私から発せられている匂い。
 感じて濡れるってこういうことなの、彼の舌が止まるまで私の混乱は続いた。

「ぷは…ごめんね、恥ずかしかったね」
「わがっでるならぁ、じないでッ…」
「興味もあるし、慣らさないとだし」
「…つかれた…」
 逃げようと脚に力を入れたので、急速な筋肉痛みたいなのが来てふるふる震える。シーツを引き千切らんばかりに握り締めていた手も麻痺して動かない。頭はぽうっとして、股はスースーする。
 ばくばくの鼓動に耳を澄ませていると、遼平さんは何やら準備を始めたようだった。夕食前にセッティングしてたのかな、だとしたら食事中は気もそぞろだったことだろう。

「……あずちゃん、何か喋ってくれる?」
「はい…?」
「ゴム着けてるから、この間が凄い恥ずかしいんだ。もたつくから」
「…私も恥ずかしいから…気軽なトークは次回にしよ」
 間をたせるなんてMCじゃあるまいし。やり取りしている間にも遼平さんは「あっ」とか「むずっ…」とか不穏な独り言を漏らしていた。
 しかし万全整ったのだろう、視界に影が掛かって脚に人肌の温もりが戻って来る。
「あずちゃん、力…抜いて」
「う、ん…」
「こわい?」
「こわ、い、よ、そりゃ…」
 みんながしてることなんだから私だって平気なはず、でも想像できないから対処のしようも無い。遼平さんのはそれなりに大きそうだし、でも小さくたって痛いものは痛いだろうし。
 ガチガチに固まる私のソコに、感じたことの無い質感のものが触れた。
「ゆっくりね、そう…」
「ひゃあ…あ、先、」
 まだ痛くない、でも危険信号が点って脳内ブザーが鳴り響く。これ以上進まれたら恐い思いをする、分かってる、でも望んだのは自分だし。
「そう先っちょ」
「そういう、言う、んだ…」
「先っちょだけで、やめとこうか?」
「…いじわる…」
 じりじり、肉が拓ける感触がする。
 こんなミリ単位での侵入が可能なのかなと思うのだが、これは遼平さんの腹筋や脚力による達人技なのかなと…沸いた頭でそう考えた。
「なら、いっぱい、行ける?」
「いけ、る…ゆっくり、して、」
「ゆっくりね、あずちゃん」
「ふゥ……ん、ん………ッ痛ぅ…」
痛みのピークは分からず終い、肉がズブズブと奥へ入ってから伝達が遅れてやって来た。
「あずちゃん、」
「ひッ…」
「……大丈夫かな、全部、入ったと思う…」
「…わかんな、い…」
「しばらく、慣れるまでこうしておこうね」
遼平さんは肘をついてプランクの体勢をとり、私に体重がかからないように待機してくれる。
 これは優しさ、でもトレーニングの一環だと喜んでたりして。
「(ひとつに、なってる…私の中に、遼平さんが居る…)」
 たくましい体に包まれて、興奮よりも安堵が勝る。もう怯えることは無い、きちんと準備をすればいつだって彼に抱かれることが出来る。
 遼平さんも用心はしてくれるだろうけど、男としての自信とか単純に性欲の発散とかに役立ててもらえる。
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