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2022・初お泊まり
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しおりを挟む「あずちゃん、おはよう!」
「おはよう…」
「元気か?ん、痩せたんじゃないか?」
通例の出会い頭抱っこをかまして、遼平さんは爽やかに笑う。
「昨日の今日でそんなに痩せない…たぶん」
「そうか、僕は少し体重は減ってたよ。しっかり食べないとね」
彼は早起きして、大浴場で朝風呂を浴びてきたらしい。そして脱衣所の体組成計で体重もチェック、筋肉量も確認したらしくホクホクしていた。
「(めっちゃタフ…分かってたけど)」
盛りを知らないともったいないとは言ったけど、これが遼平さんのフルパワーなのだろうか。時間と部屋の縛りがあったからあの回数で済んだが、制限が無ければずっと腰を振っているのではなかろうか。体力的には今がピークのはず、しかしそこを長く保たせる努力を彼はしそうだ。
朝食会場で納豆と生卵をトレイに置く、遼平さんの肌ツヤは過去イチくらい調子が良い。
「(しっとりしたエッチ、は期待しないでおこう…)」
「そうだ、今日甕倉に帰ったらあずちゃんのご両親に挨拶して良いかな」
「え、なんで?」
席に着いて、いきなりの提案に私は驚く。
テーブルには私用の皿と小鉢が合わせて3つ、遼平さんは合わせて6皿も確保している。
彼は焼きたてオムレツを箸で切って、
「あずちゃんへの責任を取りたいから、きちんと挨拶しておきたいんだよね」
と少し小声になった。
「やめて、旅行帰りにそんな宣言したら、『今し方エッチして来ました』みたいな通告するのと同じじゃん!」
「そうかな。でもあずちゃんの大切なものを貰った訳だし」
「やめてよぉ、もういい歳なんだから、」
「いくつになってもあずちゃんは大事な娘さんに変わりないでしょ。その娘さんの純潔を頂いたとなれば」
「や、め、て!」
朝食を摂りながら、私たちは初めての口ゲンカをした。内容はしょうもなくて、でも遼平さんの真面目さが表れていて。
お代わりを盛りに行く時でさえ、私たちは離れずずっと隣に並んで過ごした。
そして食後。
「あずちゃん、結構口が立つんだね」
「まぁ、ね……ん♡」
「後で内湯も一緒に浸かろう」
「う、んン♡」
私の実家行きはまた今度ということで気持ちを納めてもらった。
しかし遼平さんが「お代わりがしたい」と申し出たので…チェックアウトぎりぎりまで盛る私たちなのであった。
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