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10章…僕の可愛い秘書
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しおりを挟む翌年5月。
「みんな、これからよろしく頼むよ」
本格的な選挙戦がついに始まり、事務所にて襷を掛けた和臣さんが職員と支援者に向けて所信表明を行った。
来たるべきこの日のために皆で準備をしてきたのだ、私がプレゼントしたネクタイが彼の胸元で凛々しく主張して若々しさと勢いを感じさせる。
「それでは参りましょう」
「あぁ」
住み良く明るい街づくりを目指して働きかける、コピーを掲げ顔写真を載せたポスターは他の候補よりもフレッシュさが際立っていて目を引いた。
活動期間には街を歩いたり演説をしたり、地元民の声に耳を傾けては明るい未来を語り笑顔を振り撒く。
私はといえば選挙カーから手を振り、ウグイス嬢として和臣さんの取り組みを広く触れ回った。
こんなこともあろうかとアナウンスの検定を受けていて良かった。
きゃんきゃん煩いだけの街宣車にならないようにも心掛けた。
そして結果から言えば和臣さんは無事当選…伸夫先生の支持者票も多く得られただろうしご隠居の名前や実績も働いたのだろうと思う。
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