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Capitolo3…Perdita di perdita
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しおりを挟む翌日、「明日も片付けの手伝いなんだ」と聞いていたのでカメサンへ出向こうとすると、高校の時の制服を着た姉が玄関で待ち構えていた。
現役の時でも異色だったその姿は更にボリューム感を増し、けれど頭には帽子と顔にはマスクにサングラスでまるで不審者の様相だ。
「…姉さん、変質者みたいだからやめなよ」
「なにそれ、礼央が大輝くんにちょっかい出さないようにあたしもついて行く!」
「ならこれとこれは取って。…ばっちり化粧してんじゃん、galっぽくしてなよ。てか私服で良いんじゃないの?ムチムチじゃん」
「…私服の外国人がいると目立つじゃない…カメサンは留学生とかあんまり取ってないし……可愛くない?」
しょぼんと肩を落として姿見を覗く女子高生は何もかもがちぐはぐで可笑しい。
けれど
「可愛いよ」
と笑えば姉は大きな胸を張りスニーカーへと足を入れる。
姉は僕と同じく金髪碧眼で見た目こそ陽気な外国人だが、実は緊張しいで人混みや初めての場所などでは萎縮してしまい挙動不審になる。
就職活動でもこの目立つ容貌を隠そうとマスクで臨んだところ染髪・カラコンの派手な学生と思われて皆の前でお叱りを受けたらしい。そこに割って入り救出してくれたのがあのクマさんらしいのだ。
まるきり外国人を装えばおしゃれ染めなど疑われなかったのだろうけど国籍も中身も日本人だからそこは譲れなかった。しかし黒いスーツの集団の中に居ると金髪の姉は場違い感が一気に振り切れそうでつい顔を隠してしまったのだそうだ。
「久々に着ると楽しいね、えへへ」
金髪ムチムチ外国人のコスプレみたいだよ、そして隣に立っている僕も同様だ…言わないけれど。
「…ナンパとかされないようにね」
姉は初心だから、『女子高生』に対する世の中の破廉恥な男が抱くイメージとかは知らない。そしてとても女子高生には見えないその体躯に敢えて制服を着せるという妙な趣向が存在することも知らないのだ。
「大輝くん、驚くかなぁ」
「…He'll get an erection」
「…その単語知らない、何?」
「何だろうね?調べてみたら?」
「………変なことなんでしょ」
清い人にエッチな知識を吹き込むのは楽しいな、それであたふたするのを見るのも好きだな。
とにかく目立つ姉の運転でクマさんの大学へと向かった。
「こんにちはー、あら」
「こんにちは」
「君、昨日も来てたね」
「はい、もっとじっくり見てみたくて」
「そう、ゆっくりして行ってね」
「どうもー♡」
入校受付は昨日と同じ学生さんだった。おそらく実行委員とか当番があるのだろう。
「姉さん、はぐれないでね」
「失礼ね、あたし何度も来てるわよ」
「だから、私服が良いって言ったのに…学食の人にも姉さん覚えられてたよ」
「そうなの?やだぁ」
あの情報通なお姉さまは今日も居るかな、めぼしいランチがあれば寄ってみようと思った。
さて昨日と同じルートでクマさんの学科展示へ、上がっていけば係の学生さんや高校生たちの目は僕らへと集中する。
「なに、礼央、めっちゃ見られてる」
「ガイジンcoupleが日本の制服で乗り込んできたらそりゃ目立つよ」
「そっか、やだ、心臓ばくばくしちゃった」
「慣れなよー…クマさんは?」
わざとらしくニコニコと笑顔を作り辺りを見渡していると、パーテーションの奥から大きな体がずいと出てきて姉がすぐに反応した。
「あ、大輝くん!」
「真梨亜さん⁉︎え、どうしたの、それ」
「昔の制服、どう?似合ってる?」
「似合う…けど…」
クマさんは言葉を濁しつつも姉を傷付けないよう奮闘していた。
微笑ましいやら照れ臭いやらで見ていられない。
「ねぇ、後はhotelでしなよ」
ほわほわ甘酸っぱい青春なんて趣味じゃない。
きゃんきゃん喚く姉をクマさんに任せて僕は早々離脱し、シラトリさんの学科の展示室を探すことにした。
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