僕たちが幸せを知るのに

あかね

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Capitolo14…Delizioso

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「本当?」

「僕もう成人してんだから。大人になったら自分の意思と責任において行動しなさいってのがうちの親の信条だよ。むしろ『さっさと出て行け』ってせっつかれてたんだ…僕もここに住んで良い?」

「あ、そう……良いわよ…」

「良かった♡…あのね、うちのpapaパパも60近いけどね、mamaママのこと今でもすごく愛してるんだ。気持ちだけじゃなくてsexセックスもばんばんシてる」

「言わなくて良いわよ、そんなこと」


 うちの両親は子供は僕で打ち止めと決めてそれからは愛情を確かめるためのセックスしかしてないはずだ。

 子作りのためのセックスしかしてなかった朱鷺子さんには考えられないことかもしれない。

 ちなみに親のセックスを見た訳じゃない。

 でもひとつ屋根の下に居れば夜な夜な官能的に父の名を呼ぶ母の声が漏れ聞こえて来たりするのは仕方がないことだ。

 言い訳するけど熟女好きな僕においても母の痴態でオナニーするほど変態ではない。

 まぁ興奮するのは事実なので女優さんとかを思い浮かべて変換して励んだりはしたけども。


 ともあれ僕が言いたいのはこの先永く仲良しで居たいということ、

「うん、だからさ、僕もそれくらいまで元気だと思うよ」

とフォークで刺した粗挽きソーセージを縦に向ければ朱鷺子さんはブッと吹き出した。

「はぁ?………80過ぎた私を抱くってこと?」

「あは、きっと美老女だね」

「…アンチエイジング、頑張ろ」

「順当に歳を重ねて良いのに」

「…レオくんには、いつまでもキレイって言われたいもの」

「……」

 そんな風に健気なところを見せるんだから僕は貴女から目が離せない。

 上も下も白髪が混じって少し疲れた風な気怠い雰囲気も好きだ。

 貴女を想って熟女AVのお世話にもなったけど知らないお姉さまの下品な姿には僕はもう反応できなかった。

 
 あの日、僕に痴漢行為をしたお姉さまは今頃どうしているんだろうか。

 いたいけな男子の性癖を捻じ曲げたあの痴女は還暦を過ぎたお婆ちゃんくらいになっているだろうか。

 あの人に遭わなければ朱鷺子さんとこうして過ごすことも無かったんだろうね、ならば僕の鬱々とした日々も無駄じゃなかったのかな。

 
「…朱鷺子さんはいつまでもキレイだよ。昨日の僕、興奮してこんなだったでしょ?」

 ぷりぷりしたソーセージの先端を「はい」と差し出せば朱鷺子さんはギョッと驚いて、でもその長いまつ毛を伏して

「下品ね」

と素の唇で口付けた。


「朱鷺子さん、」

「なぁに」

「僕のsausageソーセージにもkissキスしてみない?」

 にっこり笑顔で間接キスを頂くと彼女はキョトンとしてコーヒーをひと口、それからじわじわ目元が紅くなってカップでは隠せないくらいにぽっぽとなる。


「……それはアメリカンジョークなのかしら…」

「(食べ物で遊んだのはNGだったかな)」


 無言で数秒、僕をジト目で睨んだ朱鷺子さんは

「ケチャップは要るかしら」

と無意識なのか唇を触るもんだから、

「何もつけない、素材の味が一番だよ♡」

と僕はオムレツを一気に平らげた。



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