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しおりを挟む全く面倒でいけない。
今日だってフルタイムで働いた後に本邸まで呼び付けられて、本当なら今頃自宅でビールを開けて地元球団のテレビ中継を観る算段を付けていたというのに。
社長直々のお願いだし勤務として手当も付けると言われたが馬鹿な小娘の相手などしていられない。
おそらく「橘に襲われたァ」と親に泣き付くつもりだろうが、弁明する気力も失せつつある。
俺は仕事熱心な男だが純ではないのだ。
どうせ有る事無い事吹き込まれるならいっそ本当に犯してやろうかとさえ疲れた頭で思った。
所詮高校デビューの箱入り娘は生娘だろう。
頬に触れただけで目が泳いでいるのだから間違いない。
「てゃちびゃにゃ…?」
「歩夢さま、レディはこんな誘い方、しないもんですよ」
「え…どうやるの?」
「……しっとり艶やかに、お願いするものです」
「つややか…」
「……」
おや意外と学ぶ意思はあるのか。
きらり光った瞳に俺はたじろいでしまった。
悪戯心で誘っている反面、実際に性に興味があるのだろう。
「(…案外、)」
しなやかな栗色の髪は胸まで伸ばして綺麗に内巻きにして、自宅だからなのか化粧はしておらず掴んだ頬もキメが細やかで整っている。
笑えば笑窪が現れる、たぶん世間一般的に言う『可愛い子』だろう。
俺の好みではないからときめいたりはしないのだが、女子高生というブランドだけで興奮材料にはなり得る。
世の中には近年金のために自分を売る援助交際なるものが蔓延っていて、その売る側の筆頭に挙げられるのが女子高校生であった。
卒業してしばらく経って分かったが、うら若き女子が学生服に身を包んでいるというだけでオジサンは「可愛い」と感じるのだ。
細くて小さくてお人形さんみたいな感覚…断じて買ったことは無いが、若い彼女たちはそれだけで充分に可愛く価値がある。
なもんで歩夢嬢も短いスカートから太ももを大盤振る舞いすれば俺だって反応しないことはない。
しかも向こうから来るのであれば普通なら拒む手は無い。
性を知りたいなら教えてやるのも吝かではない、しかして16になったばかりの娘に手を出してはお縄になってしまう。
自分は家庭教師のつもりで来ているのであって、許嫁などではない。
両親の承認も得られないだろうし淫行になってしまう。
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