備後の神の縁結び

茜琉ぴーたん

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初体験編

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 それから数日の間、何故か千鶴からの連絡は来なくなり、渉からメールを送っても返信が来るまで時間がかかるようになる。
『チィ、なんか冷たくない?』
『そんなことないよ』
『わし、なんかしたか?』
『してないよ』
「……」
 嘘だ、絶対に何か怒っているのだ。しかし渉は原因を特定できずひとり思い悩んだ。
 思い当たる節は実はある、それはあの初セックスに関わる事柄で…彼女を満足させられなかったこと、賢者タイムに冷たくしてしまったこと、「女なら誰でも勃つ」と言ってしまったこと。しかしこんなことを他人に相談できるはずもない。
「…サプライズで…行ってみたろうかな…」
 彼女の住む京都までの所要時間は自宅から3時間弱、しかし日帰りも不可能ではない。
 渉は千鶴の通う大学のホームページを事務所パソコンを拝借して検索すると、トップページの最新情報に『大学祭のお知らせ』がでかでかと載っていた。
「あ、こりゃええわ」
 土曜日なら行って帰っても日曜日に休める、渉はホワイトボードを確認して
「…父…じゃない社長、この日、ワシ用事ができたわ!」
と休日出勤が入らないようにマジックで『渉・京都』と記入する。
 たけるは目線だけ確認して「へいへい」と弁当を摘み、隣で茶を淹れる由恵よしえは「あらあら」と弁当をかき込む息子を微笑ましく見守っていた。
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