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第三話
第五十七節 危険な快楽
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静寂が漂う空間で一人泣いていたヤクのもとに、ある声が届く。
「私が助けてあげようか?」
その声にどこか聞き覚えがあり、ゆっくり声の聞こえた方へ振り向く。顔を上げれば目の前には自分とどこか似ている青年が、優しく微笑んでいた。
ここは自分の夢の中のはずだが、どうやってその人はここに来たのだろう。そんなことを考えられる余裕はなかった。ただ敵意の類は感じない青年に、どこか安心感を覚えさせられる。
「だれ……?」
「そうだな……。私は、未来の選択肢の一つのキミだ」
「未来の選択肢……?」
未来の可能性の内の一つの自分、ということは彼は未来から来た人物だとでも言うのだろうか。そんなことが可能なのだろうか。
ヤクの疑問はいざ知らず青年は膝をつき、ヤクの頭を撫でながら言葉を続けた。
「キミは、聞いたのだろう?……あの運命の女神という傍迷惑な女神から、自分の正体について」
その言葉に思わず息を呑む。話していた青年の表情は険しくなり、まるで自分のことのように怒りを滲ませているのが分かった。言わなくても、彼が女神たちを恨んでいるのだと理解してしまえる。
青年が話した内容に嘘偽りはない。恐る恐る、一つ頷く。
「私は、運命の女神を恨んだ果てのキミ。心の中に燻る負の感情を抱きながら成長したキミが、私」
つまり、目の前の青年は未来の自分なのだ、と。
青年の正体が未来の自分なら、もしかしたらわかってくれるだろうか──。
「じゃあ……わかる、の……?」
「ああ、キミの気持ちは勿論痛いほど。許せない、普通に生きていたいだけなのに、なんで運命を勝手に決められなければならないのかと。人の人生をいいように弄って、楽しいのかって」
その言葉はヤクが抱いていた感情、そのままだった。スグリにも話すことが出来なかった本心を、目の前の青年は言い当てた。それがとてつもなく救いに思える。
「私なら、キミの苦しみを分かってあげられる。キミを一人にはしない。吐き出したい事は全部私に言えばいい。私が、忘れないでいてあげるから」
救世主のように思えた。吐き出したかった本音を、言えなかった苦痛を、分かってくれる存在がいてくれる。灰色ばかりの景色に、ほんの少し彩りが戻ったような感覚に陥る。よろよろと彼に縋れば、青年は暖かくヤクを抱きしめる。
言葉に表せない温かさが、青年の腕から感じる。引き裂かれかけていた心の傷がしゅわりと溶けて消えていくような、迷路の出口を見つけたような安心感に包まれるような感覚に、自然と涙が溢れる。青年の胸に顔を埋めて、ヤクは声を上げて泣いた。
そしてしばらく泣いた後、気分も落ち着いて思考もクリアになってから青年から離れた。目の前の青年は相変わらず優しい表情を浮かべたまま、大丈夫かと気にかけてくれる。
「ありがとう……。自分なのに恥ずかしいところを見せて、ごめんなさい」
「謝らなくともいい。キミの苦しみは、私には痛いほどわかる」
「聞いても、いい?ここは私の夢の中なのに、どうやって貴方はここに来たの?」
「ああ、それか。そうだな、キミには話さなくてはならんな」
それから青年はヤクに説明した。今の己は、女神の巫女の力が解放された状態であること。己に宿っている女神の力の本質が遡行の力ということ。その力と、女神の巫女として覚醒したときに開花される「夢渡り」という能力を使いここに来た、ということを。
「夢渡り……?」
「夢渡りとは、女神の女神の巫女が他の女神の巫女と接触した時や、意識した時に夢を視ることを指す。対象の女神の巫女が歩む命運、結末の未来の夢を視ることで、未来に出会うであろう女神の巫女を知ることが出来る能力でもある」
「でも今の貴方の説明じゃ、貴方が僕の夢の中にいる理由が不明なままだ」
「そう、これだけではな。だが先にも言ったろう?私たちの女神の巫女の能力は、遡行の力。現実での時間軸を遡ることは極めて難しいが、夢の中の時間軸は曖昧。ゆえに、私は夢を通してキミに干渉することが出来るというわけだ」
奴らの力を頼るのは業腹だがな、と青年は苦しそうに呟く。
彼の横顔を見ながら、そもそもなぜ青年は自分に干渉してきたのだろうと疑問が浮上する。
「……どうして、私に会いに来てくれたの?」
ヤクの問いかけに、青年はヤクを見る。自分を見る彼の瞳はどこか哀愁を帯びている。自分を通して己の過去を見ているような、しかしそのことに悔悟の念を抱いているような。痛々しささえ感じてしまうような表情で、青年はやや時間を要してから答えた。
「それは……私と同じ運命を歩んでほしくないからだ」
「同じ運命……?」
「……本来の時間軸にいる私は今、ずっと眠り続けてしまっている」
「っ!?どうして……!?」
「……キミは、精神汚染というものを聞いたことがあるか?」
青年の質問に、ヤクは簡単な説明だけと答える。「精神汚染」という言葉は、座学の授業で聞いたことがあった。体内を流れるマナに悪影響が及んだ際、身体が拒絶反応を示し意識を混濁させてしまう、と。それが原因で脳死してしまう可能性もある、とも。ヤクの説明に、そうだ、と青年が肯定する。
「魔術師にとって、精神は第二の心臓だ。精神が保たれているからこそ、常に正常なマナが体内を巡っている。そこに一滴でも呪いが降りかかれば、それは忽ち水に垂らした黒いインクのように、一気に全身へと広がる」
「精神が汚染されると、体内を巡るマナも汚染されるということ?」
「そう。そして汚染された精神は穢れたマナを生成し、それを体内へ循環させてしまう。汚染されるのはほとんどが外的要因によるものだが、自分自身の心の闇を制御できなかった場合も同様に、精神は汚染されてしまう」
私は後者の事例だった、と話を続ける青年。つまり彼は自分自身の心の闇が制御できなくなり、精神汚染を引き起こしてしまったということになる。青年は己を、自身の未来の選択肢の一つの姿と言ったが──。
「精神汚染を発症させてしまった私の肉体は意識不明の状態になり、意識は夢の中に放り出された状態になってしまった」
「どうして貴方は、精神汚染を引き起こしてしまったの?」
「……すべてを憎み切っていたから、だろうな。私はただ、普通に生きていたかっただけだった。その些細な願いを、あの運命の女神は打ち砕いた」
青年は己の人生の中で、許すことが出来なかったと苦悩の色を顔に浮かべながら話す。運命の女神から、神の摂理だからだと運命を押し付けられ、不本意に世界を導く役割に任命されたこと。自分の命が操り人形のように扱われているような現実を前に、無力だったこと。
そして何よりも、そんな力を持っていながら誰一人として守れなかったこと。
それらすべてを許すことが出来なくなり、憎しみの衝動に吞まれた青年は己を呪った。その呪うという行為こそが、心の闇を制御できなくなった状態らしい。
「ヒトは眠りについて夢を視ていても、いつかは目が覚める。しかし昏睡した意識は身体から切り離され、肉体に戻るための道を見失ってしまう。意識体の私はどこにも行くことが出来ず、夢の闇の中を彷徨うことしかできなかった」
「そんな……」
「私の前には、絶望しかなかった。しかしキミがあの女神と邂逅を果たしたことで、私がいた夢と繋がることが出来た。同じヤク・ノーチェという存在だとしても、厳密には異なる女神の巫女だからな」
「夢が繋がったことで夢渡りができる条件が整って、女神の巫女の能力が解放されていたから、貴方には私に接触する力が備わっていた、と……?」
その通りだ、とどこか満足そうに笑う青年。
これまでの話を聞いたヤクは、その話を整理して一つの答えを出す。
「じゃあ貴方は、私も将来貴方みたいになってしまう可能性があると知って、それを阻止するために私の夢に介入してきた……?」
「そうだ。私はもう肉体へ戻る方法を忘れてしまった。ここに留まりながらキミを導き、望む未来の姿にしてあげられる。私と違ってキミはまだ、間に合うのだから」
「貴方は、それでいいの……?」
「構わん。無事に私が肉体に戻ったところで、どうせ運命の女神たちにいいように扱われるだけの人生しかない。そんな人生を送るよりも、ここに留まりキミの話を聞いていた方がずっと有意義な時間を過ごせる」
だから大丈夫だ、と頭を撫でられる。その感覚が温かく、久し振りにヤクは安心感を覚えていた。ここでなら己は素でいられる、そう直感が告げている。
「キミの闇は、私が背負おう。それに、神が人間の命を駒の一つみたいに扱ってもいい理由はないというキミのその考えや憎しみは、正しいものだ」
青年の、己の考えを肯定する言葉に、ひどく救われた気持ちになる。
誰にも言えなくて苦しかった心が、ふっと軽くなったような気さえした。
「……よかった……。こんなこと、誰にも言えなくてずっと苦しかった……」
「よく一人で耐えてきたな。だがこれからは一人ではない。夢の中でしか会えんが、私がいる。私はキミのすべてを許す。苦しくなったらいつでも会いに来るといい」
「うん、嬉しい。これからよろしく、もう一人の私」
「ああ。過去の私。これからは。ずっと一緒だ」
青年の言葉に心から安堵したヤクは、そのまま体を青年に預けながら瞳を閉じる。己は一人ではなくなったと胸を撫で下ろしながら、夢のまどろみに沈むのであった。
「私が助けてあげようか?」
その声にどこか聞き覚えがあり、ゆっくり声の聞こえた方へ振り向く。顔を上げれば目の前には自分とどこか似ている青年が、優しく微笑んでいた。
ここは自分の夢の中のはずだが、どうやってその人はここに来たのだろう。そんなことを考えられる余裕はなかった。ただ敵意の類は感じない青年に、どこか安心感を覚えさせられる。
「だれ……?」
「そうだな……。私は、未来の選択肢の一つのキミだ」
「未来の選択肢……?」
未来の可能性の内の一つの自分、ということは彼は未来から来た人物だとでも言うのだろうか。そんなことが可能なのだろうか。
ヤクの疑問はいざ知らず青年は膝をつき、ヤクの頭を撫でながら言葉を続けた。
「キミは、聞いたのだろう?……あの運命の女神という傍迷惑な女神から、自分の正体について」
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「私は、運命の女神を恨んだ果てのキミ。心の中に燻る負の感情を抱きながら成長したキミが、私」
つまり、目の前の青年は未来の自分なのだ、と。
青年の正体が未来の自分なら、もしかしたらわかってくれるだろうか──。
「じゃあ……わかる、の……?」
「ああ、キミの気持ちは勿論痛いほど。許せない、普通に生きていたいだけなのに、なんで運命を勝手に決められなければならないのかと。人の人生をいいように弄って、楽しいのかって」
その言葉はヤクが抱いていた感情、そのままだった。スグリにも話すことが出来なかった本心を、目の前の青年は言い当てた。それがとてつもなく救いに思える。
「私なら、キミの苦しみを分かってあげられる。キミを一人にはしない。吐き出したい事は全部私に言えばいい。私が、忘れないでいてあげるから」
救世主のように思えた。吐き出したかった本音を、言えなかった苦痛を、分かってくれる存在がいてくれる。灰色ばかりの景色に、ほんの少し彩りが戻ったような感覚に陥る。よろよろと彼に縋れば、青年は暖かくヤクを抱きしめる。
言葉に表せない温かさが、青年の腕から感じる。引き裂かれかけていた心の傷がしゅわりと溶けて消えていくような、迷路の出口を見つけたような安心感に包まれるような感覚に、自然と涙が溢れる。青年の胸に顔を埋めて、ヤクは声を上げて泣いた。
そしてしばらく泣いた後、気分も落ち着いて思考もクリアになってから青年から離れた。目の前の青年は相変わらず優しい表情を浮かべたまま、大丈夫かと気にかけてくれる。
「ありがとう……。自分なのに恥ずかしいところを見せて、ごめんなさい」
「謝らなくともいい。キミの苦しみは、私には痛いほどわかる」
「聞いても、いい?ここは私の夢の中なのに、どうやって貴方はここに来たの?」
「ああ、それか。そうだな、キミには話さなくてはならんな」
それから青年はヤクに説明した。今の己は、女神の巫女の力が解放された状態であること。己に宿っている女神の力の本質が遡行の力ということ。その力と、女神の巫女として覚醒したときに開花される「夢渡り」という能力を使いここに来た、ということを。
「夢渡り……?」
「夢渡りとは、女神の女神の巫女が他の女神の巫女と接触した時や、意識した時に夢を視ることを指す。対象の女神の巫女が歩む命運、結末の未来の夢を視ることで、未来に出会うであろう女神の巫女を知ることが出来る能力でもある」
「でも今の貴方の説明じゃ、貴方が僕の夢の中にいる理由が不明なままだ」
「そう、これだけではな。だが先にも言ったろう?私たちの女神の巫女の能力は、遡行の力。現実での時間軸を遡ることは極めて難しいが、夢の中の時間軸は曖昧。ゆえに、私は夢を通してキミに干渉することが出来るというわけだ」
奴らの力を頼るのは業腹だがな、と青年は苦しそうに呟く。
彼の横顔を見ながら、そもそもなぜ青年は自分に干渉してきたのだろうと疑問が浮上する。
「……どうして、私に会いに来てくれたの?」
ヤクの問いかけに、青年はヤクを見る。自分を見る彼の瞳はどこか哀愁を帯びている。自分を通して己の過去を見ているような、しかしそのことに悔悟の念を抱いているような。痛々しささえ感じてしまうような表情で、青年はやや時間を要してから答えた。
「それは……私と同じ運命を歩んでほしくないからだ」
「同じ運命……?」
「……本来の時間軸にいる私は今、ずっと眠り続けてしまっている」
「っ!?どうして……!?」
「……キミは、精神汚染というものを聞いたことがあるか?」
青年の質問に、ヤクは簡単な説明だけと答える。「精神汚染」という言葉は、座学の授業で聞いたことがあった。体内を流れるマナに悪影響が及んだ際、身体が拒絶反応を示し意識を混濁させてしまう、と。それが原因で脳死してしまう可能性もある、とも。ヤクの説明に、そうだ、と青年が肯定する。
「魔術師にとって、精神は第二の心臓だ。精神が保たれているからこそ、常に正常なマナが体内を巡っている。そこに一滴でも呪いが降りかかれば、それは忽ち水に垂らした黒いインクのように、一気に全身へと広がる」
「精神が汚染されると、体内を巡るマナも汚染されるということ?」
「そう。そして汚染された精神は穢れたマナを生成し、それを体内へ循環させてしまう。汚染されるのはほとんどが外的要因によるものだが、自分自身の心の闇を制御できなかった場合も同様に、精神は汚染されてしまう」
私は後者の事例だった、と話を続ける青年。つまり彼は自分自身の心の闇が制御できなくなり、精神汚染を引き起こしてしまったということになる。青年は己を、自身の未来の選択肢の一つの姿と言ったが──。
「精神汚染を発症させてしまった私の肉体は意識不明の状態になり、意識は夢の中に放り出された状態になってしまった」
「どうして貴方は、精神汚染を引き起こしてしまったの?」
「……すべてを憎み切っていたから、だろうな。私はただ、普通に生きていたかっただけだった。その些細な願いを、あの運命の女神は打ち砕いた」
青年は己の人生の中で、許すことが出来なかったと苦悩の色を顔に浮かべながら話す。運命の女神から、神の摂理だからだと運命を押し付けられ、不本意に世界を導く役割に任命されたこと。自分の命が操り人形のように扱われているような現実を前に、無力だったこと。
そして何よりも、そんな力を持っていながら誰一人として守れなかったこと。
それらすべてを許すことが出来なくなり、憎しみの衝動に吞まれた青年は己を呪った。その呪うという行為こそが、心の闇を制御できなくなった状態らしい。
「ヒトは眠りについて夢を視ていても、いつかは目が覚める。しかし昏睡した意識は身体から切り離され、肉体に戻るための道を見失ってしまう。意識体の私はどこにも行くことが出来ず、夢の闇の中を彷徨うことしかできなかった」
「そんな……」
「私の前には、絶望しかなかった。しかしキミがあの女神と邂逅を果たしたことで、私がいた夢と繋がることが出来た。同じヤク・ノーチェという存在だとしても、厳密には異なる女神の巫女だからな」
「夢が繋がったことで夢渡りができる条件が整って、女神の巫女の能力が解放されていたから、貴方には私に接触する力が備わっていた、と……?」
その通りだ、とどこか満足そうに笑う青年。
これまでの話を聞いたヤクは、その話を整理して一つの答えを出す。
「じゃあ貴方は、私も将来貴方みたいになってしまう可能性があると知って、それを阻止するために私の夢に介入してきた……?」
「そうだ。私はもう肉体へ戻る方法を忘れてしまった。ここに留まりながらキミを導き、望む未来の姿にしてあげられる。私と違ってキミはまだ、間に合うのだから」
「貴方は、それでいいの……?」
「構わん。無事に私が肉体に戻ったところで、どうせ運命の女神たちにいいように扱われるだけの人生しかない。そんな人生を送るよりも、ここに留まりキミの話を聞いていた方がずっと有意義な時間を過ごせる」
だから大丈夫だ、と頭を撫でられる。その感覚が温かく、久し振りにヤクは安心感を覚えていた。ここでなら己は素でいられる、そう直感が告げている。
「キミの闇は、私が背負おう。それに、神が人間の命を駒の一つみたいに扱ってもいい理由はないというキミのその考えや憎しみは、正しいものだ」
青年の、己の考えを肯定する言葉に、ひどく救われた気持ちになる。
誰にも言えなくて苦しかった心が、ふっと軽くなったような気さえした。
「……よかった……。こんなこと、誰にも言えなくてずっと苦しかった……」
「よく一人で耐えてきたな。だがこれからは一人ではない。夢の中でしか会えんが、私がいる。私はキミのすべてを許す。苦しくなったらいつでも会いに来るといい」
「うん、嬉しい。これからよろしく、もう一人の私」
「ああ。過去の私。これからは。ずっと一緒だ」
青年の言葉に心から安堵したヤクは、そのまま体を青年に預けながら瞳を閉じる。己は一人ではなくなったと胸を撫で下ろしながら、夢のまどろみに沈むのであった。
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