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第1章 召喚

31話 情報とダンジョンと[11]

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「…お、来たっぽいね!うーん、青鬼もついでに探すために歩き回ってたけど…やっぱ宝箱もちゃんとあるみたいだね~…
さて、タイミングが重要だね。唯一かなり広いこの中央フィールドで…」

«グォォォ!»

「入って来た瞬間、入り口を全て封じるように円形に炎を配置…
そんでもって、段々と閉じていってと…よし、炎の牢屋完成」

«グルル!?»

「さぁて、それじゃ…♪~♪♪~」

«…»

うん、大人しくなった。

それを確認した彼女は、再び羽衣を着衣して合言葉を綴った。

「…怨魂の炎に囚われし憐れな鬼よ…その怨を受け入れ、我が道標により、その身で贖罪せよ」

…よし、あと2体。流石に…あれだけ楽しんだのに、消滅なんて可哀想だしね…

「せめて、私の手でできることはしてあげたい…だから、幽鬼。
♪~…一緒にここから、逃げよう」

«…申し訳ございません、それは不可能です。
我々は…この地に囚われるべき罪怪です。
自由になど、なれそうには…»

「自由じゃないよ。寧ろ、それよりも酷いかもしれない。
なんせ、私が死ねば君達は死ぬことも、生きることも許されず、ただただ意思だけを持つ腕輪となってしまうかもしれない。
私が生きていたとしても…私が君たちを支配してしまうから、自由にはなれない…いわゆる、無限回廊だよ」

«…しかし»

「幽鬼、誰かに許されぬ過ちを犯してしまったのであれば…
その者に許されずとも、誰もが君を否定し、罪を永遠としても…償うことが大事だよ。
君の力でね…だから、外に出て誰かの力になって、少しでもはるか昔の偉人たちに顔向けできるようにしてほしい」

«…分かり、ました»

…さて、あと1人…青鬼だけだね。
それにしても…過去が悲惨過ぎる。
腕輪に彼らを入れて行く度、記憶が私の方に流れ込んできていた…
その中で、彼らは大切な人に裏切られ、挙句の果てに謂れの無い罪により裁かれ…永久に生きる罪として、地獄で鬼とされた…

「解放してあげよう、例え神がそれを許されずとも…可哀想だよ」

そう、独り言を呟いた瞬間、どこからか、「あと一人も頼む…我々の罪なのだ、助けて欲しい」と聞こえてきた。

「…誰かは知らないけど、任せて。
…さて、あとは君だけだよ。青鬼」

«グルルル…飯を、飯を寄越せ!»

「…えっ、喋れるの!?」

«グルル?…当然だ、俺も元を辿れば人間…話すことなど造作もない»

「ふーん、それじゃあ話は早い。外でご飯作ってあげるから腕輪に入って?」

«ご飯か!良いぞ、沢山頼む!»

「うんうん、良いよ~」

さて、あとは外に出るだけだね。

「━━はぁぁ~…つっかれたぁ!でも、楽しかった…ありがとね、4人とも」
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