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墜天の章
第三十六話 米野の戦い
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どん、どん、どん――と大気を震わせる鼓の音が、川向こうから響き渡る。
こちら側からも同じように打ち鳴らされ、慌ただしく兵たちが動き回る音で場が支配されていく。
「鉄砲隊! 弓隊! 構え!」
百々綱家が鋭く叫ぶ。
敵方も同じように構えているのがよく見えた。
敵は川の向こう、中州を埋め尽くすように犇めいていた。
その数……一万八千。
彼我の戦力差は五倍にも及ぶ。
「放てえ!!」
腕を振り下ろすと、空を引き裂くような銃撃と風切りの音に埋め尽くされた。
◆
銃撃戦の応酬は、それほど長くは続かなかった。
敵もこちらも柵や楯を前面に出している。
それに、敵はいち早く渡河を決行していた。同士討ちを避けるために、敵方は早々に鉄砲と弓を退かせている。
あちらこちらで鼓や法螺貝の音が聞こえる。
既に渡られた場所があるのか。
飯沼長資は、長槍を手に柵の後ろに控えていた。
幾度か父である長実を見遣るも、馬上でただ渡河する敵を静観していた。
弓や鉄砲で射倒すものの、渡ってくる敵の数はこちらの射手よりもずっと多い。
鬨を上げながら徐々にこちらに迫ってきていた。
「者ども! 川は浅い! 今こそ越すべきぞ!」
敵の指揮官らしき男が叫ぶのが聞こえる。旗印は一柳直盛のものだ。
千に近い歩兵が一斉に渡河を敢行してくる。
次々にこちらの火縄銃と弓で倒されていくものの、倒れた味方に構わず水しぶきを上げて駆けてきた。
そして先頭がこちらの堤にまで到達。
勢いを落とさずに駆け登ってくる。
「我こそは一柳が家老! 大塚権太夫である! この戦の一番槍ぞ!」
長槍を振るい、迫ってきた足軽兵を突き倒しながら叫ぶ。
「飯沼殿!?」
周囲の者が驚きの声を上げたのは、長資が無言で駆け出したからだ。
「我は織田家臣、侍大将の飯沼長資である! いざ尋常に槍合わせ願う!」
同じように名乗りを上げて素槍を構える。
それを見た大塚権太夫は歯を剥き出して笑う。
「織田の若武者よ! お相手仕る!」
この返答により一騎討ちが成立し、周囲の兵たちは手を出さずに両者の動きを見守る。
互いに槍を構え駆け寄る。
距離が瞬く間に詰まっていく。
「せあああああ!」
「おおおおおお!」
雄叫び・気合・咆哮・裂帛。
互いの肚からの声が戦場に木霊する。
大塚権太夫が堤の上から滑るように長槍を突き出した。
逆に、飯沼長資は斜面を駆け上がる形である。
権太夫の狙いを定めた鋭い一撃だが、長資は紙一重のところで避けて、鎧の大袖を掠めていく。
そして、長資は蛇のように槍を斜面に沿わせて突き上げる。
渾身の一撃を放ったばかりの権太夫は避けることは叶わず、草摺の下から差し込まれた槍は脚の付け根に突き刺さり、そのまま下腹部を貫き通した。
勢いのまま突き倒され、長資は槍を捻って臓腑を掻く。
権太夫は仰向けの姿勢のまま目を見開き相手を睨みつけるも、最早声も出せず腕で地面を掻くばかりだった。
「大塚権太夫殿、討ち取ったり!」
目を血走らせながら槍を引き抜いて投げ捨て、刀を抜く長資。
「此度の戦、一番首は俺のものぞ!」
昂らせた声、嬉々として首を刎ねようと近寄っていく。しかし。
「長資ぇ! 退がれ!」
父・長実が鋭く一喝する。
「あの馬鹿を引き戻せ!」
次いでの指示に、周囲の味方の歩兵達が駆け寄り、長資を引き摺っていく。
見れば堤の上に続々と敵兵が到達しており、大塚権太夫を救助しようと数名が駆け寄っていた。
残っていれば一人で数本の槍を相手する事になる。間違いなく討たれていただろう。
「離せ! 俺の一番首だ! 取らせろ!」
暴れる長資だが、兵たちは必死の力で引き退がっていく。あのまま付き合っていたら自分達まで巻き込まれてしまうからだ。
「俺の手柄を取らせろ!」
尚も喚く長資だが、味方の陣に完全に戻り、そして再び戦場は軍同士の衝突の様相を呈していく。
既にこちら側には数百の敵兵が渡河していた。
「長槍! 構え!」
長実の指示に、槍衾を構えて激突に備える。
◆
「今だ! 突け!」
百々綱家の命令に一斉に伏せられていた槍が突き出され、駆けていた敵兵は勢いのままに串刺しになっていく。
「よし、退け! 必ず二人で一人に対せよ! まだ敵の数はそう多くない!」
草むらに兵を隠し、引き込んでは突き、引き込んでは突きを繰り返す事で犠牲を出さずに敵を減らしていた。
「しかし、このままでは……」
既に川沿いからは離れてきており、押し込まれている。
鉄砲も弓も撃てない今、渡河する敵兵を止める手段が無くなっていた。
既に数千の敵が堤の下に集まってきているのが見える。
このまま態勢が整ってしまうと、正面からぶつかり合わなければならない。
こうした小手先の策が通じなくなるのだ。
倒した敵は多いが、それでも数十だろう。一万八千という数からすれば、掠り傷程度だ。
綱家の背に冷ややかな汗が流れた時、敵方に衝撃が走った。
方角は東から波及している。
「長政か!」
中野村に布陣していた木造長政が、東からは敵が来ないと見て米野に戻ってきたのだ。
足軽を中心とした隊だが、敵を断ち割りながらこちらに近づいてくる。
かなり勢いづいているようだ。長政の采配か。
「……いや、敵方に用兵が巧みな者がいるな。わざと長政らを止めずに通しているのか」
横撃を喰らえば防御が間に合わない兵たちは混乱する。しかし、その乱れが起きていない。
恐らく即座に判断し、素通しするように指揮しているのだろう。
「綱家殿!」
息を荒くしている長政と合流する事ができた。
「敵はやりますな。道中はまるで討てなかった」
互いに馬上での会話となる。
「数を恃んでいないのは面倒だな。こちらの野伏も徐々に対応し始めている」
「それだけ将も兵も鍛え上げられているというわけですな。両隊の兵をまとめてここで踏ん張りましょう」
「ああ」
それから二人は指示を出して、乱れていた陣立てを整える。
しかし、ここからはまともにぶつかり合うようになり、徐々に厚みを増していく敵に押し込まれ始めてきた。
飯沼長実の側も押されてきており、軍が真中から分断され伝令が届かなくなっている。
「長政! まだ兵が多いお前達は新加納口まで退け! このままでは押し潰される!」
「なんの、我らはいくらも戦ってはおらぬ! ここで見苦しく撤退するようなら、武士の面目が立たぬではありませんか!」
長政は承服しかねるようで、ここでまだ戦いたいようだ。
「己が面目の為に、主君の前途を捨てる気か馬鹿者! ここでわしらが諸共討死すればどうなる! 秀信様を支えるのが筆頭家老たる我らの役目であろうが!」
「しかし……」
「まだ損害も少なく体力もあるお前達が先に新加納まで行って町口を固めろ! 方政と合流し二千の防衛線を張るのだ!」
「……相分かり申した! では、後ほど必ずお戻りくだされ!」
「おう!」
そうして長政隊は素早くまとめられ、千人が退いていく。
それから半刻ほどは耐えたが、敵が荒波が如く押し寄せてきており、半円を描くように攻囲されていた。
もう、飯沼隊は見えない状況だ。
「……退却の鼓を打ち鳴らせ! 長実らも退くように!」
指示すると直ぐ様鼓が鳴らされ、敵の圧力が増してくる。
「我らで殿を務めるぞ! 命が惜しくない者だけわしに続け!」
槍を振るいながら叫ぶと、供回りの騎兵たちが槍を掲げる。
それからは北へ退却する味方を守るように、馬を返しては突きかかり、一撃のみで退き、そして馬を返しては一撃を繰り返して、敵の足を止めながら村を北上していく。
飯沼長実らの方も、川瀬佐馬助の隊と合流するように西へと向かい始めていた。
第一の防衛線としたこの河田の渡しだが、半日程度しか持ち堪えられなかった事が悔やまれる。
「そもそも、全軍で出てくるなど正気の沙汰では無いわ……一体何がそうさせているのだ」
荒い息を吐きながら綱家は呟く。
当初の想定の倍の軍勢を相手しているのだ。それも敵は異様に士気が高く、味方の兵が気圧され飲まれてしまう程だった。
幾度か体に槍を当てられてしまっているものの、鎧のお陰で難を逃れている。
しかし、無限と錯覚してしまう程に視界が敵に埋め尽くされていく光景に、どこかで諦めたくなってしまう気持ちも顔を覗かせていた。
こちら側からも同じように打ち鳴らされ、慌ただしく兵たちが動き回る音で場が支配されていく。
「鉄砲隊! 弓隊! 構え!」
百々綱家が鋭く叫ぶ。
敵方も同じように構えているのがよく見えた。
敵は川の向こう、中州を埋め尽くすように犇めいていた。
その数……一万八千。
彼我の戦力差は五倍にも及ぶ。
「放てえ!!」
腕を振り下ろすと、空を引き裂くような銃撃と風切りの音に埋め尽くされた。
◆
銃撃戦の応酬は、それほど長くは続かなかった。
敵もこちらも柵や楯を前面に出している。
それに、敵はいち早く渡河を決行していた。同士討ちを避けるために、敵方は早々に鉄砲と弓を退かせている。
あちらこちらで鼓や法螺貝の音が聞こえる。
既に渡られた場所があるのか。
飯沼長資は、長槍を手に柵の後ろに控えていた。
幾度か父である長実を見遣るも、馬上でただ渡河する敵を静観していた。
弓や鉄砲で射倒すものの、渡ってくる敵の数はこちらの射手よりもずっと多い。
鬨を上げながら徐々にこちらに迫ってきていた。
「者ども! 川は浅い! 今こそ越すべきぞ!」
敵の指揮官らしき男が叫ぶのが聞こえる。旗印は一柳直盛のものだ。
千に近い歩兵が一斉に渡河を敢行してくる。
次々にこちらの火縄銃と弓で倒されていくものの、倒れた味方に構わず水しぶきを上げて駆けてきた。
そして先頭がこちらの堤にまで到達。
勢いを落とさずに駆け登ってくる。
「我こそは一柳が家老! 大塚権太夫である! この戦の一番槍ぞ!」
長槍を振るい、迫ってきた足軽兵を突き倒しながら叫ぶ。
「飯沼殿!?」
周囲の者が驚きの声を上げたのは、長資が無言で駆け出したからだ。
「我は織田家臣、侍大将の飯沼長資である! いざ尋常に槍合わせ願う!」
同じように名乗りを上げて素槍を構える。
それを見た大塚権太夫は歯を剥き出して笑う。
「織田の若武者よ! お相手仕る!」
この返答により一騎討ちが成立し、周囲の兵たちは手を出さずに両者の動きを見守る。
互いに槍を構え駆け寄る。
距離が瞬く間に詰まっていく。
「せあああああ!」
「おおおおおお!」
雄叫び・気合・咆哮・裂帛。
互いの肚からの声が戦場に木霊する。
大塚権太夫が堤の上から滑るように長槍を突き出した。
逆に、飯沼長資は斜面を駆け上がる形である。
権太夫の狙いを定めた鋭い一撃だが、長資は紙一重のところで避けて、鎧の大袖を掠めていく。
そして、長資は蛇のように槍を斜面に沿わせて突き上げる。
渾身の一撃を放ったばかりの権太夫は避けることは叶わず、草摺の下から差し込まれた槍は脚の付け根に突き刺さり、そのまま下腹部を貫き通した。
勢いのまま突き倒され、長資は槍を捻って臓腑を掻く。
権太夫は仰向けの姿勢のまま目を見開き相手を睨みつけるも、最早声も出せず腕で地面を掻くばかりだった。
「大塚権太夫殿、討ち取ったり!」
目を血走らせながら槍を引き抜いて投げ捨て、刀を抜く長資。
「此度の戦、一番首は俺のものぞ!」
昂らせた声、嬉々として首を刎ねようと近寄っていく。しかし。
「長資ぇ! 退がれ!」
父・長実が鋭く一喝する。
「あの馬鹿を引き戻せ!」
次いでの指示に、周囲の味方の歩兵達が駆け寄り、長資を引き摺っていく。
見れば堤の上に続々と敵兵が到達しており、大塚権太夫を救助しようと数名が駆け寄っていた。
残っていれば一人で数本の槍を相手する事になる。間違いなく討たれていただろう。
「離せ! 俺の一番首だ! 取らせろ!」
暴れる長資だが、兵たちは必死の力で引き退がっていく。あのまま付き合っていたら自分達まで巻き込まれてしまうからだ。
「俺の手柄を取らせろ!」
尚も喚く長資だが、味方の陣に完全に戻り、そして再び戦場は軍同士の衝突の様相を呈していく。
既にこちら側には数百の敵兵が渡河していた。
「長槍! 構え!」
長実の指示に、槍衾を構えて激突に備える。
◆
「今だ! 突け!」
百々綱家の命令に一斉に伏せられていた槍が突き出され、駆けていた敵兵は勢いのままに串刺しになっていく。
「よし、退け! 必ず二人で一人に対せよ! まだ敵の数はそう多くない!」
草むらに兵を隠し、引き込んでは突き、引き込んでは突きを繰り返す事で犠牲を出さずに敵を減らしていた。
「しかし、このままでは……」
既に川沿いからは離れてきており、押し込まれている。
鉄砲も弓も撃てない今、渡河する敵兵を止める手段が無くなっていた。
既に数千の敵が堤の下に集まってきているのが見える。
このまま態勢が整ってしまうと、正面からぶつかり合わなければならない。
こうした小手先の策が通じなくなるのだ。
倒した敵は多いが、それでも数十だろう。一万八千という数からすれば、掠り傷程度だ。
綱家の背に冷ややかな汗が流れた時、敵方に衝撃が走った。
方角は東から波及している。
「長政か!」
中野村に布陣していた木造長政が、東からは敵が来ないと見て米野に戻ってきたのだ。
足軽を中心とした隊だが、敵を断ち割りながらこちらに近づいてくる。
かなり勢いづいているようだ。長政の采配か。
「……いや、敵方に用兵が巧みな者がいるな。わざと長政らを止めずに通しているのか」
横撃を喰らえば防御が間に合わない兵たちは混乱する。しかし、その乱れが起きていない。
恐らく即座に判断し、素通しするように指揮しているのだろう。
「綱家殿!」
息を荒くしている長政と合流する事ができた。
「敵はやりますな。道中はまるで討てなかった」
互いに馬上での会話となる。
「数を恃んでいないのは面倒だな。こちらの野伏も徐々に対応し始めている」
「それだけ将も兵も鍛え上げられているというわけですな。両隊の兵をまとめてここで踏ん張りましょう」
「ああ」
それから二人は指示を出して、乱れていた陣立てを整える。
しかし、ここからはまともにぶつかり合うようになり、徐々に厚みを増していく敵に押し込まれ始めてきた。
飯沼長実の側も押されてきており、軍が真中から分断され伝令が届かなくなっている。
「長政! まだ兵が多いお前達は新加納口まで退け! このままでは押し潰される!」
「なんの、我らはいくらも戦ってはおらぬ! ここで見苦しく撤退するようなら、武士の面目が立たぬではありませんか!」
長政は承服しかねるようで、ここでまだ戦いたいようだ。
「己が面目の為に、主君の前途を捨てる気か馬鹿者! ここでわしらが諸共討死すればどうなる! 秀信様を支えるのが筆頭家老たる我らの役目であろうが!」
「しかし……」
「まだ損害も少なく体力もあるお前達が先に新加納まで行って町口を固めろ! 方政と合流し二千の防衛線を張るのだ!」
「……相分かり申した! では、後ほど必ずお戻りくだされ!」
「おう!」
そうして長政隊は素早くまとめられ、千人が退いていく。
それから半刻ほどは耐えたが、敵が荒波が如く押し寄せてきており、半円を描くように攻囲されていた。
もう、飯沼隊は見えない状況だ。
「……退却の鼓を打ち鳴らせ! 長実らも退くように!」
指示すると直ぐ様鼓が鳴らされ、敵の圧力が増してくる。
「我らで殿を務めるぞ! 命が惜しくない者だけわしに続け!」
槍を振るいながら叫ぶと、供回りの騎兵たちが槍を掲げる。
それからは北へ退却する味方を守るように、馬を返しては突きかかり、一撃のみで退き、そして馬を返しては一撃を繰り返して、敵の足を止めながら村を北上していく。
飯沼長実らの方も、川瀬佐馬助の隊と合流するように西へと向かい始めていた。
第一の防衛線としたこの河田の渡しだが、半日程度しか持ち堪えられなかった事が悔やまれる。
「そもそも、全軍で出てくるなど正気の沙汰では無いわ……一体何がそうさせているのだ」
荒い息を吐きながら綱家は呟く。
当初の想定の倍の軍勢を相手しているのだ。それも敵は異様に士気が高く、味方の兵が気圧され飲まれてしまう程だった。
幾度か体に槍を当てられてしまっているものの、鎧のお陰で難を逃れている。
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