異世界転生、授かったスキル【毎日ガチャ】って…

学園編

第30話 治癒職決定

　3年生の模擬戦見学で、最後の模擬戦が始まる。

　私とゴードン先輩が闘場に上がって互いに構える。私は槍を先輩は双剣を手に持ち模擬開始の合図を待った。

「では、ゴードンとセレンの模擬戦を開始する。始め！」

　先生の合図と共に先輩が駆け寄ってきて、腕を下段でクロスした状態から斬り上げてきた。

「十字斬りクロススラッシュ！」
「甘いですよ。ハッ！」

　私は双剣が重なり合う瞬間を見計らって、双剣が重なったところを槍で受け止める。十字斬りクロススラッシュは、双剣が交差する瞬間に手首のスナップで斬り上げる武技なので、ゴードン先輩の手首には槍で受け止められた衝撃が、ダイレクトに伝わり激痛が走った。

「痛ッ！これでは剣を振れない……参った」

　双剣を持つだけでやっとの状態のゴードン先輩は、その時点で負けを認めたのだと思う。あのまま続けると、手首の怪我が酷くなるだけだからね。先生が勝ち名乗り上げて模擬戦が終了する。

「それまで、勝者セレン！」
「ゴードン先輩ありがとうございました。手首の治療をするので手首を診せて下さい！」

　私は礼をするとゴードン先輩に駆け寄って、手首の状態を確認してから治療したの。ゴードン先輩は治療中に私へ声を掛けてきた。

「君は本当に凄いな。これだけの武力がありながら、更に治癒まで出来るだから（笑顔）」
「ありがとうございます♪1つだけ忠告をしておきますね。近接戦闘において武技は口にしない方が良いですよ。武技が判ると今回のように対応出来ちゃいますからね！」
「ありがとう。今後は気をつけるよ。」

　先輩の治療を終えて、私達1年生は改めて見学させて貰ったお礼を言ってから教室へ戻った。
　そこからは治癒職の選抜を誰にするか話し合いをして、セレン様、ナイジェル君、ハリー君、デイビス君の４人が選ばれたの。残りはそれぞれのパーティーに編成されて、治癒職の補助を兼務する事になったの。私はセレン様のパーティーへ加わる事になった。理由は簡単でこのクラスには女子は2人だから、別々にすると何かと不便だからね！

　こうしてパーティー編成の第一段階は終わり、4つのパーティーが誕生したの。