異世界転生、授かったスキル【毎日ガチャ】って…

学園編

第48話 感知の手本を見せる

　私は布を被って30カウントを開始する。

「0！カウント終了ね！ちゃんと止まっててね。これから〚水ウォーター〛を当てるけど、少し冷たいけど我慢してね♪」

　私は全員の位置を感知してるので、〚水ウォーター〛を次々に当てて行ったの。

「きゃっ！」
「冷たっ！」
「わっ！」
「マジか……」
「こんな感じで【気配感知】を覚えると、相手の居場所の特定が出来るんだよ。ここまでの精度は直ぐに身につけるのは難しいと思うけど、大体の位置が判るだけでも役に立つでしょ？」

　実際に感知を目の当たりにして少し驚いてるけど、有用性を理解したのかみんなの目が輝いてるの。特にカンテラは『キラキラ』してて、私に駆け寄って手を掴んで話し掛ける。

「これは絶対に斥候職には必須だと思う。どんな厳しい訓練でもするから、覚える為のコツを教えて欲しい！」
「うん、これは日々の意識かな？今の環境だと周りが人ばかりだからさ、微妙な違和感を感じるのが難しいのかも知れない。でも、同じ人間でも微妙に気配は違うから、それが判ると覚えれるかもね」
「判った。意識する事を心掛けるよ！」
「うん、頑張ってね」

　カンテラは斥候職としての自覚が芽生えてるのは良い傾向だね。【気配感知】より【魔力感知】の方が今の環境なら覚えやすいかな？そう思ったので、カンテラへ魔力の違いを感じて貰うもら事にしたの。

「カンテラ、そのまま手を掴んでてね。今から違う魔力を流してみるからさ、何か違いを感じたらラッキーくらいで試すよ？」
「あっ、おう」

　私は最初に抑え気味の魔力を放出してから、次に魔導士クラスの魔力を放出してみたの。

「えっ……これが魔力の違いなのか？急にプレッシャーみたいな物を感じたよ？」
「直接触れてると違いが判るみたいね。今の感覚を周りの雰囲気で感じれたら【魔力感知】になるんだよ。これからは魔力を適当に放出するからさ、意識して感じる様にしてね。」
「レン、ありがとう！お前は最高だよ♪」

　カンテラはそう言ってから、勢いそのままに私を抱きしめた。

「うん、取り敢えず落ち着こうね」
「あっ、悪い……つい勝手に体が動いたんだ……」
「カンテラ？今のは何かしら？A班を追放されたいのかしら？」
「抜け駆けは許せないな！」
「女性にいきなり抱き着くのは紳士じゃないと思うんだけどね」

　うわ……３人共お怒りモードみたい（汗）

「大丈夫たがら、みんな落ち着こうね？」

　その後は、セレン様からの長い説教が延々と続いて、終わった頃にはカンテラは半泣き状態だった。

➖➖➖➖カンテラ視点➖➖➖➖
　思わずセレンを抱きしめてしまった……
【魔力感知】の違いを教えてくれた時に、少しの違いを感じれたのが嬉し過ぎて、体が勝手に動いてしまったから……

　その後のセイレーン様の長い説教は、これまでの人生で最悪の経験だった……

　しかし！セレンを抱きしめた感覚はしっかりと残っている。凄くいい香りがしたのと、とにかく柔らかかった……最悪の経験と最高の経験を味わったが、最高の経験はそれを凌駕してるので、俺にとっては最高の1日となった（笑）