44 / 132
第三章 覚醒編
第43話 同じ穴のむじな
しおりを挟む
▽冒険者シグルドside▽
期限が迫る依頼のため、俺達4人は大急ぎで身支度を、ミルド共生国を目指す。
今回の依頼で最大の問題となるのは、令嬢がミルド共生国に居るという情報しかない。さらに最悪なのは崖を飛び降りて国境を越えていて、隣国ゴルデッド王国から進むとなると、アンドレア山脈を越えなければならない。もし往復するとなれば、期限内に令嬢を連れ戻すことは不可能となる。
そんな訳で俺達は崖の前に居る……。
「ねぇ、本当に飛び降りるのよね?」
進撃で唯一の女であるペトラが、崖を目の前にして青ざめた表情で確認してきた。俺はなにを今更と思いながら、ため息をついてから応える。
「はぁ~、伯爵の話を聞いてたんだろう? 令嬢はここを飛び降りたんだ。お前も覚悟を決めろ!」
「えっ……、3人で行けないの?」
ペトラは完全にヤル気が失せたようだが、パーティー唯一の属魔職なので抜けることは許されない。
「属魔職抜きで行けるわけないだろう! お前が依頼失敗の賠償金を払うのなら、今から俺が伯爵の元へ依頼を断りに行くぞ?」
「うっ……」
「ははっ、俺達3人が居るんだから、ちゃんとサポートしてやるか行こうぜ!」
「きゃっ!」
パーティーのムードメーカーであるチャントラが、怖気づくペトラの肩に手を当てた。背後から肩を触れられてため驚きの声をあげた。
「もう! 心臓が止まるかと思ったじゃない!」
「ははっ、可愛い声を出すなんて、ペトラもやっぱ女なんだな! 大切な仲間なんだちゃんと守るから安心しな」
「はぁ~、本当に頼むわよ?」
チャントラのおかげで、ペトラの覚悟が決まったようで、そろそろ崖から飛び降りようとした時、1人の男が声をかけてきた。
「なぁ、あんたらも飛ぶのか?」
「あぁ、ちょっと依頼を受けちまってね。あんたも依頼を受けたのか?」
「まぁな、簡単な人探しだよ」
声をかけてきた男も人探しだと言った。見た目から俺達と同じ冒険者で間違いないが、単独でミルド共生国へ行くってことは、冒険者ランクは上で間違いないだろう。
「お互い厄介な依頼を受けたな」
「そうか? 俺は何度も経験してるから慣れたもんだよ。良かったら途中まで一緒に行くか?」
「本当か? 俺達は初めてだったから助かるぜ! 俺は進撃のシグルド、Bランクの冒険者だ」
「俺はギレン、Aランクの冒険者だ」
ギレンはAランクの冒険者だった。おそらく中級より上の階級で戦闘職ってとこだな。崖の向こうを知る者と行動を共にできるのは非常に心強い。この時は、依頼達成の確率が上がったと思い喜んだのだが、その考えが甘かったと思うとは……この時点は流石に判らなかった。
期限が迫る依頼のため、俺達4人は大急ぎで身支度を、ミルド共生国を目指す。
今回の依頼で最大の問題となるのは、令嬢がミルド共生国に居るという情報しかない。さらに最悪なのは崖を飛び降りて国境を越えていて、隣国ゴルデッド王国から進むとなると、アンドレア山脈を越えなければならない。もし往復するとなれば、期限内に令嬢を連れ戻すことは不可能となる。
そんな訳で俺達は崖の前に居る……。
「ねぇ、本当に飛び降りるのよね?」
進撃で唯一の女であるペトラが、崖を目の前にして青ざめた表情で確認してきた。俺はなにを今更と思いながら、ため息をついてから応える。
「はぁ~、伯爵の話を聞いてたんだろう? 令嬢はここを飛び降りたんだ。お前も覚悟を決めろ!」
「えっ……、3人で行けないの?」
ペトラは完全にヤル気が失せたようだが、パーティー唯一の属魔職なので抜けることは許されない。
「属魔職抜きで行けるわけないだろう! お前が依頼失敗の賠償金を払うのなら、今から俺が伯爵の元へ依頼を断りに行くぞ?」
「うっ……」
「ははっ、俺達3人が居るんだから、ちゃんとサポートしてやるか行こうぜ!」
「きゃっ!」
パーティーのムードメーカーであるチャントラが、怖気づくペトラの肩に手を当てた。背後から肩を触れられてため驚きの声をあげた。
「もう! 心臓が止まるかと思ったじゃない!」
「ははっ、可愛い声を出すなんて、ペトラもやっぱ女なんだな! 大切な仲間なんだちゃんと守るから安心しな」
「はぁ~、本当に頼むわよ?」
チャントラのおかげで、ペトラの覚悟が決まったようで、そろそろ崖から飛び降りようとした時、1人の男が声をかけてきた。
「なぁ、あんたらも飛ぶのか?」
「あぁ、ちょっと依頼を受けちまってね。あんたも依頼を受けたのか?」
「まぁな、簡単な人探しだよ」
声をかけてきた男も人探しだと言った。見た目から俺達と同じ冒険者で間違いないが、単独でミルド共生国へ行くってことは、冒険者ランクは上で間違いないだろう。
「お互い厄介な依頼を受けたな」
「そうか? 俺は何度も経験してるから慣れたもんだよ。良かったら途中まで一緒に行くか?」
「本当か? 俺達は初めてだったから助かるぜ! 俺は進撃のシグルド、Bランクの冒険者だ」
「俺はギレン、Aランクの冒険者だ」
ギレンはAランクの冒険者だった。おそらく中級より上の階級で戦闘職ってとこだな。崖の向こうを知る者と行動を共にできるのは非常に心強い。この時は、依頼達成の確率が上がったと思い喜んだのだが、その考えが甘かったと思うとは……この時点は流石に判らなかった。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2025.11.25)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる