カナリアを食べた猫

端本 やこ

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おまけ2(続いたらしい)

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 詩乃さんの唇が、滾った俺の先っちょに押し付けられたときにはもう、両手が小刻みに震えた。
 膨張率はマックスで、硬さも過去イチ。痛いぐらい張りつめてるのを、詩乃さんの口内の温かさと柔らかい舌が緩和してくれる。
 思考だけじゃなくて、感情まで一旦停止したみたいだった。再生開始された瞬間に襲ってきた多幸感といったらない。
 咽きながらも喉の奥まで迎え入れようとするのが健気で、俺は彼女の髪をポニーテールみたいにまとめあげて見守る。
 感動と興奮が入り交じって、やっぱり興奮が勝る。もったいなくて瞬きひとつしてらんねえ。俺、今、血走った目してんだろーな。

「ごめっ、もうむり」

 ああ。髪をまとめていた手に力が入りすぎたか。
 俺ってば、詩乃さんを助けるつもりで逃れられないようにイマラさせようとしてた。
 指の間から砂時計みたいに黒髪が流れ落ちる。

「ダメ。続けて」

 詩乃さんの頭部から動かせた手を頬に宛がう。詩乃さんの口端から垂れた液が親指を湿らせる。

「くっそ気持ちいい」

 詩乃さんを見下ろして、彼女を征服した気分に酔いしれる。
 上品なお口で恥もへったくれもない下品な音を立てるのもたまんない。そうさせてるのは俺だけど。いや、そうさせてるってのがまた興奮する。

「苦ひぃ」

 詩乃さんの喉が呻いて、咳き込んでしまった。全身の瞬発力まではさすがに押さえ込められなかった。
 涙目で「ごめん。やっぱ全部は無理だった」としょんぼりしてる。
 天国が強制終了しちまって残念なのは本当だけど、それ以上の気持ちをどう言い表すべきか検討がつかない。直ぐ何か言わないと誤解されるのはわかっている。わかっていても、今の俺IQ3ぐらい。言語能力っつーもんが抜け落ちて抱き締めるしかない。
 息を整えているのもお構いなしで腕に力を込めて締め上げる。またしても咳き込む詩乃さんの服を脱がしにかかった。
 こっからは俺のターンで。
 今日のところは俺が抱かせていただきます。
 詩乃さんの背中をさすりながら、ただでさえお疲れだってことを思い出した。

「交代しよ。次は俺が頑張ります」

 マウントポジションで動きを封じつつ、ゴムに手を伸ばす。

「……ねえ。逸登君の元カノってどんな?」
「は?」

 質問の意味がよくわからん。

「どんなひとっていうか、その、ちゃんと」
「待て待て。それって今する話?」
「だって」
「しーのさん」

 ひとまず破った小袋は置いといて、だ。
 確かに俺は詩乃さんの元カレを見たことあるし、何があったかも知っている。
 逆に俺は過去を話したことはない。話す必要がない。今やほとんど覚えてすらない。
 今カノが最高すぎるゆえだ。

「もう顔も名前もうろ覚えだけど、詩乃さんが思い出せっつーなら?」

 詩乃さんへ向けたことのない冷淡な口調になっちまった。
 びくついても、俺は悪くないね。

「本当に聞きたい?」
「それは、、、うん」

 聞きたいんかーい。

「この状況で?」

 乳首を摘まんで軽く捻る。

「ぁ……。だって、気になっちゃったんだもん」

 だもん、て。詩乃さんじゃなければ腹立つとこやぞ。
 一旦置いといたゴムの装着を進める。

「んじゃ教えたげる。今までちゃんと付き合ったのは片手ぐらい。詩乃さんと比べたら顔も性格も並以下。体もこんな綺麗で素直じゃなかった」

 はい、独白終了。なにこの会話。こんなくだらねえことある?
 マイペースな詩乃さんに余裕を与えるのは間違い。覚えとこ。
 今すぐ奥まで貫きたいのをグッと堪えて、指を二本差し入れた。
 俺は詩乃さんのことしか考えてねーし、詩乃さんだって俺のすることにあんあん言ってればいいだけ。

「なんだ。俺のしゃぶっただけでめっちゃ濡れてんじゃん」

 これなら直ぐ入れちまえばよかった。死ぬ気を味わうぐらい長い間相手してもらえなかったり、これからってタイミングで忘れ去った昔のことを思いださせられたり、詩乃さんちょっとひどい。でも俺は優しいから、即ハメせずに柔く揉みほぐしてあげてるわけで。

「逸登君、意地悪」
「意地悪はどっち」

 内側から善がるところを摩ってやる。彼女の素直な体は狙った通りの反応で俺の指に吸い付いた。
 俺は「さて」と短く前置きして、詩乃さんの右手を結合する場所に招いた。

「挿れるね。ちゃんと全部入るか確認しなよ」

 否応を聞く前に突き立てて、一気に最奥まで推し進めた。
 詩乃さんは大きく吸った息を止めて、すがるように見つめてきた。この表情の艶やかさは、数ある後輩からの捧げ物の中でも見ないやつ。
 ゆっくり吐き出される吐息に合わせて、ひと擦り。2回目めはさっきよりゆっくり味わってもらった。
 先端が詩乃さんの壁にぶつかった感触がして、離れた。詩乃さんの小ぶりな尻が浮いた。ぶつかるところを探して腰を押し付ける。

「ね、余裕で全部入ってんでしょ」
「よ、余裕な、んて」

 涙目に睨まれるといじめたくなる。そうしてくれと言われてる気分になるんだな、これが。
 まーた「今じゃねぇ案件」を持ち出されても困るから、口は塞いでおくに限る。細い腰を掴んで動いたほうがやりやすくはあるけれど、おもいっきり密着する形をとった。
 俺が腰を動かす度、詩乃さんのよがる声が口内に響く。

「大きな声出しちゃダメなんでしょ。聞きたいけど、俺も我慢する」

 壁が薄いと、前に聞いたのを覚えている。
 これまた俺の優しさで、詩乃さんの口に入れた舌を介して唾液も吸わせとく。こうすりゃ飲み込むだけで、音が外に出ないはず。
 詩乃さんはされるがまま、体で応えてくれる。

 くっそかわえーーー。
 頭ん中がそれだけになりつつあって、そのうち、
 気持ちーーー。
 だけにすり替わった。

 目を閉じて、欲の赴くままってやつだ。
 なんとなしにうっすら目を開けたときには、俺は体を起こして、両手でしっかり詩乃さんの腰を固定していた。
 詩乃さんは俺の下で自分の腕を口に宛がって鼻だけで息を荒げている。目尻に涙の通り道ができている。

「出したい」

 そう呟いたら、詩乃さんもうっすら目を開けた。その視線は俺を愛でるようで、それ以上に懇願するみたいに、真っ直ぐ射抜いてくる。
 だから俺は押さえつけていた腰を少しだけ持ち替えて、お腹あたりを狙い打ちできる角度をつける。
 詩乃さんの目が見開いた。
 一気に締め付けが強まる。

「イきそ」

 詩乃さんも気持ちよさそうだから、このまま出すことにした。
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