24 / 42
東京編
橙子の休日(上)
しおりを挟む
橙子にとって土曜の休日はひさしぶりだ。
働くこと自体は好きだ。その副作用か、休日を「休み」として過ごすという、当たり前のことを忘れていた。モチベーションを持続するため、プライベートを充実させるのもひとつである。
手始めに美容院へ来た。
暑い季節、ばっさり切るのもありだ。プロに相談すればいいと軽い気持ちで訪れた。
「……で、大き目カールでエアリー感出してセクシー路線みたいな? 前髪はかきあげて大人っぽっく、あえて分け目はなしにしましたぁ」
美容師の意味がわかるようでよくわからない説明には、乾いた笑みで頷いた。
同僚の紹介で初めて訪れた店だ。事前情報から技術を信頼して曖昧な注文をした。言語化に問題があるのはお互い様のようだった。
説明はともかく、仕上がりは上々だ。入店時のもっさり感は消滅して、三歳は若返って見える……と思う。
髪型が変わると気分も一変する。橙子は久々に浮足立って店を後にした。
夕方には徹が新調したスーツの受取りという重大ミッションがある。指定時刻まで、大型商業施設で時間を潰すことにした。
仕事のストレスを解消するにはショッピングが手っ取り早い。
張り切って徹の私服を買い漁る。
先だってスーツの注文に同行したのは正解だった。服に靴のサイズも確認できた。
徹は元々シンプルなスタイルを好むようなので、きれいめな定番で見繕う。
自分の買い物よりやる気がでる。とにかく楽しくてたまらない。
紳士用のベルトを選び、同じ陳列台に並べられたアクセサリーに目が留まった。橙子の目を引いたのは革製のブレスレットだった。
徹がアクセサリーの類を所有するはずがない。かろうじて腕時計はする。あくまで実用品としてだ。
徹の少し筋張った腕を思い出す。その手首にブレスレットを巻き付けてみる。男性的な力強さを強調して、、、徹が鬱陶しがるところまで安易に想像できた。
──似合ってた。俺が買いたかったのだから文句いうな。
徹が橙子の靴を買った時の言い分だった。
私が買いたいんだからいいよね、と橙子は頬の内側を噛んで、ベルトと同系色のブレスレットを手に取った。
帰ってくるかなぁ。
徹への買い物をするということは、これずなわち徹のことを考え続けるということだ。本人に会いたい気持ちが募る。
〈今晩、お邪魔します〉
もはやテンプレートと化した一文を送信した。
***
玄関ドアに鍵が差し込まれる音に反応して、橙子は出迎えに動き出す。
今日一日、待ちに待った瞬間だ。
「おかえりなさい!」
嬉しさで勢い余って飛びついた。タックルを受けた徹は半歩後ずさって堪えた。溜息混じりでも抱き留めてくれるのは橙子が予想した通りの反応だった。
「何か、匂う」
徹が「ただいま」をすっ飛ばすこともわかっていた。眉間に皺を寄せているのは不審がっているのではなく標準設定である。
通常運転な徹の発言を無視した橙子は、顎に人差し指を当てて、
「ご飯? お風呂? それともあたし?」
と、思いっきりぶってみせた。
「……」
徹の無言がうるさい。彼の白い目すら想定の範囲内である。
「ぷはっ。その反応、最高! あーおかしっ。一回やってみたかったんだよね~」
橙子は冷たく目を細めた徹の前でひとしきり笑った。つい数十秒前に突きつけた選択肢はなかったことにして「先にお風呂どうぞ~」と踵を返す。
「おまっ……どんだけ買い込んできたんだ?」
小ざっぱりして戻った徹が、乱雑に置かれた大量のショッピングバッグに気がついた。橙子のストレスと引き換えにした戦利品だ。
「車だから余裕」
「まぁたカーシェアか。置いてあるときなら勝手に使って構わんぞ」
徹が顎で指すのはバルコニー前に駐車された自家用車だ。場合によっては車出勤することもある。現場の状況で同僚に託すので、保険の限定解除はしてあるらしい。橙子とて、運送会社に勤務している以上、運転免許は重要な資格であり、また運転技術を見込まれての申し出であった。
「それなら早速、お借りしよっかな。明日、棚を運ぼうと思ってたの」
「棚?」
「そう。キッチンに置いていい?」
この辺に、と橙子が大きく両手で四角を描いてみせる。
「買ったんか」
珍しく徹が驚いた。
「違うよ。寮から持ってきた」
床に並べてあるのは炊飯器と電子レンジだ。転勤直後に買った、単身者向けの新生活セットの”間に合わせ”だ。とりあえずのつもりだったが、台所用品と家具家電が必要最低限揃っていて寮生活にはじゅうぶんだった。
「これ用の棚があるの」
「ひとりで運べるのか?」
「小さいし簡易型だから平気」
徹の同意が得られたらそれでよし。橙子にとっては家具家電より、今日買った私服とスーツの試着会の方が重要だ。
膝をついて紙袋に手をかける橙子を徹が引き留めた。
「腹減った」
「あ! だよね。ちゃっちゃと済ませちゃいましょ」
帰宅した徹を風呂へ押しやったのは食事の準備を進めるためだったと思い出す。
今夜のメニューは生姜焼き定食にした。寮から調理器具を持ち出したとはいえ、食材、調味料や食器にも限りがあり、手の込んだ料理は避けた結果だった。
「食わないのか」
茶碗片手に立ち上がりかけた徹が訝し気に見下ろした。橙子は箸を片手に勢いよく食べる徹をずっと見つめ続けていた。というのも、掻きこむように食べる徹から目が離せなかったからだ。
「お代わり?」
「ああ」
徹から茶碗を受け取って、橙子は炊飯器の前に膝をついた。それほど大食漢ではないはずの徹の勢いが気になって、ちらりと視線をリビングに戻すと、橙子の皿から生姜焼きを盗み食べるところだった。
「あ! それ私のっ」
「食うのかよ」
「お肉もおかわりあるよ?」
「早く言えよ」
ご飯を盛った茶碗と空のお皿を交換した。余れば、保存するか、寮に持ち帰ってお弁当にしてもいいと、多めに作って正解だった。
読みが外れたとて、きれいに食べてもらえるのは気持ちがいい。
「ごちそうさん」
「ごちそうさまでした」
お代わりをした徹とほぼ同じタイミングで食べ終わった。手を合わせた橙子の耳に「うまかった」と届いて目をしばたいた。
違和感……とまでは言わないが、今日の徹はどこか違う。うまく言葉にできないけれど、何かが違うと橙子の勘が訴える。
証拠に、食後の片付けを積極的にしようとしていた。
「全部持ってこないとだめかぁ」
洗い物をすすめる橙子はぼやいた。
台所収納はごっそり空いているため、片づけには困らない。が、水切りラックは盲点だった。
「早いとこ荷物まとめて持ってくるんだな」
「は? 偉そうにする意味がわかんないんだけど」
シンク前に立つ橙子の後ろに徹が張り付いている。徹にあるまじき行動は、やっぱりどう考えても不自然だった。
「あっちで座ってて。あ、ビールでも飲む?」
「手伝う」
「いや。いらない。邪魔だから」
思わず本音が漏れる橙子だが、後頭部にかかる徹の息を意識せずにはいられない。なるべく気にしないようにと自分を宥めて作業をする。徹の機嫌がいいのならそれに越したことはないのだ。
「散髪か。匂うと思った」
散髪て。
手元が狂って危うく茶碗を落としかける。
徹が発した帰宅直後の一言は、生姜焼きの香ばしさを嗅ぎ取ったものだとばかり思っていた。
「徹さんが気づくなんてねー」
「刑事の洞察なめんな」
ほぼゼロ距離でようやく確信を得たくせに、という返しは飲み込んだ。
「なんかあった?」
「わかるように話せ」
スンスンと擦り寄ってくる徹に感じる違和感は次第にどうでもよくなってくる。
「わかんないから聞いてんだけど」
「わからんことを聞かれてもわかるわけがないだろう」
ごもっともと納得しかけるも、そんなわけあるかと疑問で打ち消す。しかし橙子には自分の勘を、根拠のない感覚を、徹に正しく伝えられる気がしなかった。
働くこと自体は好きだ。その副作用か、休日を「休み」として過ごすという、当たり前のことを忘れていた。モチベーションを持続するため、プライベートを充実させるのもひとつである。
手始めに美容院へ来た。
暑い季節、ばっさり切るのもありだ。プロに相談すればいいと軽い気持ちで訪れた。
「……で、大き目カールでエアリー感出してセクシー路線みたいな? 前髪はかきあげて大人っぽっく、あえて分け目はなしにしましたぁ」
美容師の意味がわかるようでよくわからない説明には、乾いた笑みで頷いた。
同僚の紹介で初めて訪れた店だ。事前情報から技術を信頼して曖昧な注文をした。言語化に問題があるのはお互い様のようだった。
説明はともかく、仕上がりは上々だ。入店時のもっさり感は消滅して、三歳は若返って見える……と思う。
髪型が変わると気分も一変する。橙子は久々に浮足立って店を後にした。
夕方には徹が新調したスーツの受取りという重大ミッションがある。指定時刻まで、大型商業施設で時間を潰すことにした。
仕事のストレスを解消するにはショッピングが手っ取り早い。
張り切って徹の私服を買い漁る。
先だってスーツの注文に同行したのは正解だった。服に靴のサイズも確認できた。
徹は元々シンプルなスタイルを好むようなので、きれいめな定番で見繕う。
自分の買い物よりやる気がでる。とにかく楽しくてたまらない。
紳士用のベルトを選び、同じ陳列台に並べられたアクセサリーに目が留まった。橙子の目を引いたのは革製のブレスレットだった。
徹がアクセサリーの類を所有するはずがない。かろうじて腕時計はする。あくまで実用品としてだ。
徹の少し筋張った腕を思い出す。その手首にブレスレットを巻き付けてみる。男性的な力強さを強調して、、、徹が鬱陶しがるところまで安易に想像できた。
──似合ってた。俺が買いたかったのだから文句いうな。
徹が橙子の靴を買った時の言い分だった。
私が買いたいんだからいいよね、と橙子は頬の内側を噛んで、ベルトと同系色のブレスレットを手に取った。
帰ってくるかなぁ。
徹への買い物をするということは、これずなわち徹のことを考え続けるということだ。本人に会いたい気持ちが募る。
〈今晩、お邪魔します〉
もはやテンプレートと化した一文を送信した。
***
玄関ドアに鍵が差し込まれる音に反応して、橙子は出迎えに動き出す。
今日一日、待ちに待った瞬間だ。
「おかえりなさい!」
嬉しさで勢い余って飛びついた。タックルを受けた徹は半歩後ずさって堪えた。溜息混じりでも抱き留めてくれるのは橙子が予想した通りの反応だった。
「何か、匂う」
徹が「ただいま」をすっ飛ばすこともわかっていた。眉間に皺を寄せているのは不審がっているのではなく標準設定である。
通常運転な徹の発言を無視した橙子は、顎に人差し指を当てて、
「ご飯? お風呂? それともあたし?」
と、思いっきりぶってみせた。
「……」
徹の無言がうるさい。彼の白い目すら想定の範囲内である。
「ぷはっ。その反応、最高! あーおかしっ。一回やってみたかったんだよね~」
橙子は冷たく目を細めた徹の前でひとしきり笑った。つい数十秒前に突きつけた選択肢はなかったことにして「先にお風呂どうぞ~」と踵を返す。
「おまっ……どんだけ買い込んできたんだ?」
小ざっぱりして戻った徹が、乱雑に置かれた大量のショッピングバッグに気がついた。橙子のストレスと引き換えにした戦利品だ。
「車だから余裕」
「まぁたカーシェアか。置いてあるときなら勝手に使って構わんぞ」
徹が顎で指すのはバルコニー前に駐車された自家用車だ。場合によっては車出勤することもある。現場の状況で同僚に託すので、保険の限定解除はしてあるらしい。橙子とて、運送会社に勤務している以上、運転免許は重要な資格であり、また運転技術を見込まれての申し出であった。
「それなら早速、お借りしよっかな。明日、棚を運ぼうと思ってたの」
「棚?」
「そう。キッチンに置いていい?」
この辺に、と橙子が大きく両手で四角を描いてみせる。
「買ったんか」
珍しく徹が驚いた。
「違うよ。寮から持ってきた」
床に並べてあるのは炊飯器と電子レンジだ。転勤直後に買った、単身者向けの新生活セットの”間に合わせ”だ。とりあえずのつもりだったが、台所用品と家具家電が必要最低限揃っていて寮生活にはじゅうぶんだった。
「これ用の棚があるの」
「ひとりで運べるのか?」
「小さいし簡易型だから平気」
徹の同意が得られたらそれでよし。橙子にとっては家具家電より、今日買った私服とスーツの試着会の方が重要だ。
膝をついて紙袋に手をかける橙子を徹が引き留めた。
「腹減った」
「あ! だよね。ちゃっちゃと済ませちゃいましょ」
帰宅した徹を風呂へ押しやったのは食事の準備を進めるためだったと思い出す。
今夜のメニューは生姜焼き定食にした。寮から調理器具を持ち出したとはいえ、食材、調味料や食器にも限りがあり、手の込んだ料理は避けた結果だった。
「食わないのか」
茶碗片手に立ち上がりかけた徹が訝し気に見下ろした。橙子は箸を片手に勢いよく食べる徹をずっと見つめ続けていた。というのも、掻きこむように食べる徹から目が離せなかったからだ。
「お代わり?」
「ああ」
徹から茶碗を受け取って、橙子は炊飯器の前に膝をついた。それほど大食漢ではないはずの徹の勢いが気になって、ちらりと視線をリビングに戻すと、橙子の皿から生姜焼きを盗み食べるところだった。
「あ! それ私のっ」
「食うのかよ」
「お肉もおかわりあるよ?」
「早く言えよ」
ご飯を盛った茶碗と空のお皿を交換した。余れば、保存するか、寮に持ち帰ってお弁当にしてもいいと、多めに作って正解だった。
読みが外れたとて、きれいに食べてもらえるのは気持ちがいい。
「ごちそうさん」
「ごちそうさまでした」
お代わりをした徹とほぼ同じタイミングで食べ終わった。手を合わせた橙子の耳に「うまかった」と届いて目をしばたいた。
違和感……とまでは言わないが、今日の徹はどこか違う。うまく言葉にできないけれど、何かが違うと橙子の勘が訴える。
証拠に、食後の片付けを積極的にしようとしていた。
「全部持ってこないとだめかぁ」
洗い物をすすめる橙子はぼやいた。
台所収納はごっそり空いているため、片づけには困らない。が、水切りラックは盲点だった。
「早いとこ荷物まとめて持ってくるんだな」
「は? 偉そうにする意味がわかんないんだけど」
シンク前に立つ橙子の後ろに徹が張り付いている。徹にあるまじき行動は、やっぱりどう考えても不自然だった。
「あっちで座ってて。あ、ビールでも飲む?」
「手伝う」
「いや。いらない。邪魔だから」
思わず本音が漏れる橙子だが、後頭部にかかる徹の息を意識せずにはいられない。なるべく気にしないようにと自分を宥めて作業をする。徹の機嫌がいいのならそれに越したことはないのだ。
「散髪か。匂うと思った」
散髪て。
手元が狂って危うく茶碗を落としかける。
徹が発した帰宅直後の一言は、生姜焼きの香ばしさを嗅ぎ取ったものだとばかり思っていた。
「徹さんが気づくなんてねー」
「刑事の洞察なめんな」
ほぼゼロ距離でようやく確信を得たくせに、という返しは飲み込んだ。
「なんかあった?」
「わかるように話せ」
スンスンと擦り寄ってくる徹に感じる違和感は次第にどうでもよくなってくる。
「わかんないから聞いてんだけど」
「わからんことを聞かれてもわかるわけがないだろう」
ごもっともと納得しかけるも、そんなわけあるかと疑問で打ち消す。しかし橙子には自分の勘を、根拠のない感覚を、徹に正しく伝えられる気がしなかった。
3
あなたにおすすめの小説
不埒な社長と熱い一夜を過ごしたら、溺愛沼に堕とされました
加地アヤメ
恋愛
カフェの新規開発を担当する三十歳の真白。仕事は充実しているし、今更恋愛をするのもいろいろと面倒くさい。気付けばすっかり、おひとり様生活を満喫していた。そんなある日、仕事相手のイケメン社長・八子と脳が溶けるような濃密な一夜を経験してしまう。色恋に長けていそうな極上のモテ男とのあり得ない事態に、きっとワンナイトの遊びだろうとサクッと脳内消去するはずが……真摯な告白と容赦ないアプローチで大人の恋に強制参加!? 「俺が本気だってこと、まだ分からない?」不埒で一途なイケメン社長と、恋愛脳退化中の残念OLの蕩けるまじラブ!
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです
沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる