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次は何をしよう2

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「で、フレンドチャットとやらはどうやるのかしら?」
「急かさなくても教えるよ」

  カリンという少女は急かす様に言ってくるが、楽しそうな感じで声のトーンが高い。先程の語尾のことを考えると、リアルで友達の少ない生活を送っているのかな。

  リアルの詮索は駄目だと知ってるはいるんだけど、何か透けて見える人が多い。私も人のこと言えないんだけどね、友達は私も少ない。

  フレンドチャットの使い方を教える。一応教えることは教えたので、別れようとする。が、また呼び止められる。

「ねえ、この後空いてたりするかしら? 戦闘の練習をしたいのだけれど、武器がどれ合ってるか分からないのよね」

  それを聞き、私は溜息をつく。確かに、この後は図書館に行くという、いつでもできることだ。だから、友達になった人を優先してもいいのだけれども。

  だけれど、私は素直に頷けない感覚を覚えてしまう。

  ちょっと待ってくれるかな。この人、もしや私に近いタイプだったりしないよね。その場合、一度関わると変に抜け出せないと分かっているんだけど。

  断る理由はなかったので違和感を覚えながらも了承する。今回は魔術は後衛をしようとしているが、他のゲームでは前衛をしたこともあるから。だから教えることができないわけではないのだけれどね。

  昨日も恋歌と来ていた西の平原に、今度はカリンと来る。

  ついでに魔術、というか[魔力操作]を使って外の魔力成分と自分の魔力成分を同質にできないか挑戦しておこう。

  町からある程度離れたところでカリンは立ち止まり、私に話しかけてくる。

「何の武器がいいかしら?」
「それを私が言う場合、カリンが何をしたいのか教えてくれるかな。どの武器が合っているかって個人差があるけど、結局は慣れだからね」

  そういうと、カリンは考えこんでしまう。
  考えこむ、ということは元から何をしたいというのがなかったのかな。

  動きがあるまで魔力の成分を変化させ続けていたが、変化がなくて飽きる。そのため次は、近くにいた人が使っていた魔方陣を地面に書き起こそうとする。

  一瞬しか見てないから、細部がとても曖昧なんだけどね。確か円に五芒星があったのは覚えてるんだけど、周囲にあった文字が分からない。

  魔力を適当にこめて地面に書いていく。

「円と五芒星で回路の枠組だけできたといったところかな」

  そのとき、考えこんでいたカリンが声をあげる。

「簡単なことじゃない。全て力でごり押しをすれば速いわ! 何で気づかなかったのかしら!」
「待って、何をしようとしてそうなるかな。私が普段しないことをしようとしたのが悪いの。なんでこう変な方向に突っ走るのか」

  聞いた瞬間、私は反射的に言葉を返す。が、テンションが上がっていたことで私の言葉にカリンは気づかない。そのままの勢いで私に話しかけてくる。

「そうよ! 人を守るというのに、何でちまちまと攻撃をしなくちゃならないのかしら? 敵の注目を集めて纏めて敵を倒せば誰も傷つかずにすむじゃない!」

  火力でごり押しねえ。それも一気にダメージを与えるタイプか。敵の注目を集めるということだからタンクの役割もできるよね。

「へえ、重戦士か。パーティープレイには必須ともいえる立ち位置だね、人気があるとは言わないけど」

  誰も傷つかず、それが成立するのは戦力差が余程ない限り無理。無傷で完全勝利というのは基本理想に過ぎない。
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