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山あり谷あり、平坦あり?
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しおりを挟むサンドイッチを口にくわえながらモニターをいじる。じいちゃんがよく見ていた映画というものを見るために、久しぶりに機械を引っ張り出しているのだ。
じいちゃんが亡くなってからは一度も出されていなかった機械。使われなくなってしまっても、毎日掃除はされているのがよくわかる。ホコリ一つ被っていないところを見ると、文句を言っていた割には大切にしていたんだなと、母の言葉と行動があっていないことに笑みを零した。
機械にディスクを入れて、モニターを見る。映画が始まる前の企業紹介のところで早送りをして、本編へと飛ばす。今日見るのは、じいちゃんがよく憧れていたというもの。暗器というものを使って悪人を一人一人始末していくという映画。しかも、シリーズ物だ。
舞台は江戸時代。今よりだいぶ古典的な生活を送っていた時代だ。そんな中に蔓延る悪人に苦しめられている人間たちからの依頼を受けるところから始まる。
依頼を受けた仕事人が一人一人悪人を殺していくのだが、それがまた面白いものだった。
武器はここに違うものを使用する。仕込み笛や三味線の糸、刀と言われるものからメリケンサックなど。
そんなので殺せるのか!? と思ってしまうもので仕事を済ませていく。確かにこれはじいちゃん好みの映画だ。華麗な技術で敵を倒すというのに憧れるのだろう。
俺もちょっとかっこいいと思ってしまうほどに。
その中で武器として出てきている刀に注目する。腰に携えた刀の見た目は細くて薄い。下手な使い方をしてしまえばポキリと折れてしまいそうに見える。それを鮮やかに使いこなしている。例えそれが役者の演技だとしても、観ている者をこんなにも魅了させているのだ。
この刀。作れはしないだろうか。
考えるよりも行動。
皿に残っていたサンドイッチを無理矢理胃の中へと入れた。モニターを元の場所に戻すと、書庫へと急いだ。
江戸時代、歴史、刀剣などの書籍を見つけては手に取り、机の上に置いていった。関連書籍はざっと数えて15冊。書庫の中をくまなく探せばまだ出てくるだろうが、今のところはこれでいいだろう。
毒草などの本には付箋をして、机の隅へと追いやる。
毒に関しての調べ物もしなくてはいけないのだが、今は刀についてもっと知りたい。中途半端に投げ出すのは良くないと分かっているのだが、それ以上に知りたい欲が抑えきれないのだ。
刀のことが分かれば、後々に作る予定のナイフも作りやすくなるだろう。先のことを見据えての調べ物ということにしよう。うん。
本を手に取って一字一句読み漏らすことのないように集中する。知識が一つ一つ増えていくことに興奮を感じながら。
「刀……想像以上のものだな……」
一冊目の本を読み終えて一息つく。
刀と言っても色んな種類のものがあることがわかった。サイズもものによって違う。小さいものから、人の身長くらいのものまであるらしい。
大太刀、打刀、短刀などという分類のものや、薙刀や軍刀というものもある。
作るといっても、そう簡単に作れるような代物でもない。刀の素材は一つ物から出来ているのではなく、複数の素材を接合させた複合素材の一種。それゆえのあの斬れ味なのだそうだ。
となると、その素材の調達に手間取るだろう。
複数の素材を使うとなるとそれなりの費用もかかるだろうし……それでなくても刀を作るのに場所や道具も必要だ。素材を熱するために高温を必要とする。それこそ、上級魔法士が底つくくらいの魔力で出した炎くらいの温度。そんなものをこしらえることも、維持することも出来ない。そんな中でどうやって作るというのか。
答えは一つしかないだろう。
現状では作ることは不可能。いや、これから先も作れる機会など無いに等しい。刀は諦めるしかない。
そう結論づけた。
「……仕方ない……か。そう簡単に作れるようなものではないもんな。刀を作る職人がいたそうだし……そこらのガキが少しつけたような知識で作れたりしたらそれこそ、おかしな話だろ」
読んでいた本をパタンっと閉じる。
どの本を見ても書いてあることは変わらなかった。
別のものを探そう。そっちの方が早い気がする。
持ってきた本を全て本棚へと戻す。最後に残った本を戻そうとした時、手を止めた。本の表紙を見て少し考える。その本に目印を付けてから本棚へと戻した。
その本がいつか役立つような気がして。
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