33 / 202
さらなる試練
結衣side
しおりを挟む目を覚ましてから2日が経過した。
検査の結果結局喘息だと言うことが分かった。
うすうす分かってはいたけど……
そして3日目の朝私は微熱を出した。
琉「37.4℃か……このくらいなら様子見だな。音も悪くないし。」
結「良かった…」
琉「ただ油断は禁物だからな。少しでも息苦しくなったらすぐこの吸入器使うこと。使い方は教えたから分かるな?」
結「大丈夫…。」
ちょっぴり不安だけど……
琉「なんかあったら俺の携帯に電話してくれて構わないし、ナースコール押してもいいから。1人で判断するのは禁止だからな?」
結「分かりました。」
私が笑顔でそう言うと琉兄は
琉「よろしい。」
と言って頭をポンポンと撫でた。
私の頭を撫でる琉生さんの手はとても優しく温かく感じた。
それから1時間経ったくらいだろうか。
看護師さんがやってきた。
看「調子はどうかしら?」
結「あ、大丈夫です!」
看「良かったわ。一応さっき熱出てたからもう一度熱測りましょうね。」
結「分かりました。」
私はその看護師さんから体温計をもらい脇に挟んだ。
看「矢神さんはお友達がたくさんなのね。眠っている間も何人もお友達来てたわよ。」
……そうだったんだ。
そう言えば私の寝てる時の話って聞いてないかも。
大雅兄と瑛斗兄の声は聞こえた気もするけど夢かもしれないし……
結「そう…だったんですね。教えて下さってありがとうございます。」
また心配かけちゃったんだよな。
看「いいのよ。それに琉生先生や太陽先生だって休憩の度に見に来て……愛されてて羨ましいわ。」
結「そんな事…でも皆さんには感謝してます。」
私がそう言った時体温計がピピっとなった。
看「37.5℃か…下がってないから点滴するわね。」
と言って準備し出すその看護師さん。
さっき琉生さんは様子見るって言っていたのに……
疑問に思っていた私を無視するように点滴をし始めた看護師さん。
結「い……」
チクッとするのがいつもより痛く感じる。
…ダメだ。また気持ち悪くなってきた。
でも何でだろう。
瞼も重くて身体が動かない。
看「なんであなたみたいな頭の悪いブスが琉生先生に優しくされるのよ。太陽先生にまで。それにエイトくんも来てたし……あんたみたいなやつ死ねばいいのに……」
そう言い放ち看護師さんは出て行った。
眠い………でも呼吸が苦しい。
ナースコール……はさっきの人来そうだし…
あの看護師さん…。
なんとなく雰囲気が怖かったから…嫌だ。
携帯……は机の上にあるけどそこまで動けなさそうだ。
……どうしよう。
そうだ吸入器!
慌てて取ろうとすると吸入器が手から滑って床に落ちてしまった。
どうしよう………
苦しい。
大「結衣!!」
ガラリと戸が開き大雅兄の声が聞こえた。
来てくれたんだ。
なんで…。
何でいつも助けてくれるのは大雅兄なんだろう。
駆けつけてくれた大雅兄を見て安心した私はそのままゆっくりと目を閉じた。
2
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
医者兄と病院脱出の妹(フリー台本)
在
ライト文芸
生まれて初めて大病を患い入院中の妹
退院が決まり、試しの外出と称して病院を抜け出し友達と脱走
行きたかったカフェへ
それが、主治医の兄に見つかり、その後体調急変
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる